退院後初の外来(2/21)でリンパ節転移を知らされ、正直ショックを受けました。
抗がん剤を使う事になるかも・・・というのは癌を告知された時から言われていた事なので、
覚悟というか頭では理解はしていたつもりだったのですが・・・
いざ言われてみると、ある意味、告知の時よりもショックだったかも。
私の覚悟が足りなかった・・・というか考えが甘かっただけなのでしょうが。
悪い所を切除して済むのなら、痛みや辛さも我慢して乗り越えてやろうじゃないの
という気構えで入院期間をやり過ごして来ました。
出来る事なら抗がん剤の使用は避けたかった。
(そりゃ誰だってやらなくて良ければやりたくないと思うけど。)
使用しないという選択肢もあったのでしょうが、それを選択する勇気もなく・・・。
TS-1という薬は、
「テガフール」「ギメラシル」「オテラシルカリウム」 という薬の配合剤だそうです。
(続けて言うと何だかおまじないの呪文みたいじゃないですか?)
「テガフール」は代謝によって「5-FU」という約50年前から使われ胃がんでも広く用いられて来た
抗がん剤に変換され、主にガン細胞の成長を阻害をする仕事をし、
「ギメラシル」はテガフールが5-FU以外に代謝されるのを防いで5-FUの効果を持続させ、
「オテラシルカリウム」には5-FUの抗腫瘍効果を損なうことなく、胃や腸などの消化管への
副作用を軽減する働きがあるそうです。
つまり体内で抗がん成分を高濃度に保つ特性を持ちつつ、副作用は軽減するよう工夫された
薬という訳です。
それに加えて点滴や注射ではなく口から飲むカプセル剤なので、入院せずに通院によって
治療を受けられるというメリットも兼ね備えている抗がん剤なのです。
とは言え、副作用が全く無い訳ではなく・・・(個人差で感じない人もいるそうですが)
・骨髄機能障害(白血球減少、血小板減少、ヘモグロビン減少)
→ 抵抗力が弱まって風邪等の感染症に罹り易くなる。貧血。内出血や鼻血。など
・食欲不振 ・吐き気 ・下痢 ・口内炎 ・色素沈着 ・発疹 ・倦怠感 ・味覚障害
・目のかすみ&充血&乾き
・・・等があるそうです。
唯一救われたのが、抗がん剤によくあるイメージの「脱毛」が無い事。
うら若き乙女としては脱毛はやはりダメージが大きいですから・・・(ツッコミ不要)
この薬を開発した大鵬薬品工業さん(チオビタドリンクやゼノールを作っている会社です)の
試験結果によると、TS-1を投与した人達は術後未投与の人達より死亡リスクが32%減少する
事が認められ、手術後3年の生存率でみても、未投与の場合で70.1%だったのに対して、
TS-1を投与した場合では80.5%だったそうです。
70%が80%になったというのは、逆に言えば手術単独だと3割の人が再発して亡くなっていたのが
2割にまで抑えられるということ。
日本でステージ2、3の胃がんに罹る人は年間25000人位だそうですが、7500人が3年以内に
亡くなっていたものが、2500人の方は亡くならずに済むという意味ですよね。
そう考えるとこれはすごく大きな事だと思います。
薬と身体の相性(効きの良し悪し)はある様ですが・・・
TS-1の力を信じて1年間飲み続けようと決めました。