【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

本と映画と食事とあひる

2014.04.17
XML
カテゴリ:読書
湊かなえ『豆の上で眠る』

 この風変わりなタイトルはアンデルセン童話『えんどうまめの上にねたおひめさま』から来ています。

短い童話ですが、とても印象的。その内容が突飛なことと、

絵が浮かびやすいせいでしょうか?よく漫画家の方も小ネタに使っていますね。

元ネタ アンデルセン童話のあらすじ

あるお城にずぶぬれになった自称お姫様と王様が訪ねてきます。

そのお城のお妃さまは「本物のお姫様ならこれでわかる」と

ゲストルームのベッドにエンドウ豆の粒を置き、その上に羽布団を7枚重ねます。

次の日、お妃さまが自称 お姫様に寝心地を訊くと

「布団の中になにかあって、気になって眠れなかった!あざができた!」と

苦情を言われます。

あら、本物のお姫様なのね♪ とそのお城の王子と結婚させたというお話。

「赤い靴」や「パンを踏んだ少女」などで女性の虚栄心に

これでもか!!と言うほど厳しい罰を与えたアンデルセンにしては????なストーリー。

なかなかシュールなストーリーですね。


 今回、湊かなえのタイトルは秀逸ですが、文章がやや読みにくかったです。

文章があまりよく推敲されていない印象を受けました。

時系列が交差しても上手に書ける(『花の鎖』)作家なのに、、、。

ちょっとやっつけ仕事っぽいですね。

 大学生になった女性の回想から始まります。

彼女の姉は優しく、かわいらしく、上品で、賢く、親の愛情を受けて育っていました。

その姉が小学校の時、遊び場から帰らず行方不明になってしまいます。

現在の記述から、姉がのちのちに帰ってきたことは分かります。

何が起こったのか?帰ってきた「姉」は本物なのか?がストーリーの主軸になるところ。

が、その部分より娘一人を失った家族の苦悩、母親の迷走、親族達の思惑、

妹の学校生活、友人関係の崩壊がリアルで重心を持って描かれていました。

 最後まで読めばタイトルの意味も分かるのですが、、、、

『告白』や『贖罪』に比べると衝撃度も文章も残念な出来でした。



図書館で借りるか、文庫版になるのを待つか、人に借りるか、、、がいいと思います。

この作者の、大ファンでない限り、ハードカバーで買うほどのことはないかな、、、、と。

 湊かなえのうまさを堪能したいのであれば、

こちらを推します。






 日本推理作家協会賞受賞の「海の星」。

日本語の特徴を活かした短編で、ラストに膝を打ちました。

伏線もしっかり張り巡らされていて、それが嫌味になっていないところ

すごいです。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

最終更新日  2021.01.27 10:29:19
コメント(0) | コメントを書く


PR


© Rakuten Group, Inc.