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2005.07.04
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カテゴリ:日常のこと
 このあいだの話。
 「笹ないかな」
 田舎暮らしなので何処か探せばありそうな気がする。ありそうな気はするものの確信はないので
 「竹だったらあるんだけど笹もあったかなぁ」と答える。
 「タケノコを採った大きな竹の枝でもかまわない」
 「枝じゃ感じがないなぁ」
 「それにトラックが無いから運ぶのが大変だ」
 「ちっちゃいのでいいよ」
とか受け答えしながらあそこにあったのは確か笹じゃなかったかな、などと考える。
 「でも七夕までにもう京都にこないかな」
 どうせ出て来なければならない用事はあったのだ。

 という訳で笹を切って京都に運んだ。
 ユーノスロードスターという小さな二人乗りの車なので助手席いっぱいになった笹の葉が腕や首筋に擦れてくすぐったい。信号待ちで止まると信号を渡ってきたカップルが会釈して窓に近付いてきた。生れ育った街とはいえ自分は地理音痴なので道でも尋ねられたら困るなと思いながら窓を開けると
 「この笹何処で見付けられました」と尋ねられた。
生畑で、などと答えてもわかる訳が無いので
 「すごい田舎のほうからきたのでうんと山奥から採ってきたんです」となんとなく大げさな返事。
 「そうですかぁ、ありがとうございます」
残念そうにしているが、やがて信号が変ったのでそれきりになった。
 こういう車を笹でいっぱいにして走っているひとはたしかにそうそういないので目立つのだろう。
 そう言えばこの頃は七夕飾りをしている家など見かけない気がするが、正月飾りさえあまり見かけなくなった昨今のことだから仕方がないのかもしれない。自分の子供の頃は母が何処かから笹を買ってきたのだろう、何を書いたかは覚えていないが子供らしい願い事でも書いたのだろうか、他にも「天の川」などと書いたものもあったように思うが、そういう色紙で作った短冊を結んで玄関の脇に立てていたことを思い出した。
 今では笹を売っているところさえなかなか見付からないのだろうか。さんざん探して見付からなかったところに笹を積んだ車が来たものだから思わず声を掛けてみる気になったのだろうかなどと思った。

 祇園祭のなにかに使うヒオウギは丹後から出荷するというニュースを見た。ちまきを作る熊笹を採っているというひとに花背で会ったことがある。七夕の笹を京都に届けながら昔から都の暮らしというのは近在の田舎との関わりのなかで成り立ってきたのだということを想う。

 笹を届けたらニコニコニコッと笑顔で迎えられた。
 「ええ笑顔やなぁー」
 たまには親切なこともしてみるものだ。





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Last updated  2005.07.06 09:23:58
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