人工知能時代の教育指針
こんにちは、坂本です。最近マスコミやネット上で、人工知能についての話題が頻繁に取り上げられています。今年一番大きなニュースはAlphaGoではないでしょうか。今年3月、囲碁界の世界トップクラスの実力を持ったイ・セドルが人工知能AophaGoに敗北するというニュースが駆け巡りました。その後も、人工知能は日々急速に進化・発展をくり返し、毎月のように大きなニュースを私たちに届けてくれます。一方で、「人工知能は人間の仕事を奪っていくのでは?」という議論もよく耳にするようになりました。そしてこの奪われる仕事は、単純作業の仕事だけでなく、知識労働についても起こると言われています。■自動翻訳機の進化で、英語の学習は不要になるのか────────────────────────────────────テクノロジーの進化により、仕事のあり方が様変わりする中で私たち保護者もまた、子供の育て方について不安や疑問を抱くようになりました。1.スマホ1つでどんな情報もすぐに調べられる時代に、 暗記中心の細かい知識を覚えさせる教育は果たして意味があるのか?2.自動翻訳の技術が近い将来、飛躍的に改善されたとき 英語を学ぶことにどれだけの価値や意味が残されていくのか?こうした問いを前にしたとき、・今やっていることは正しいのか?・将来の役に立つのか?・今のままで良いのか?と思い悩むと思います。しかし、私が思うのは、勉強自体は脳を鍛えてくれるものであり、未来の可能性を広げてくれるもの。であれば、あまり難しいことを考えずに、まずは目の前の勉強、学校の勉強、受験勉強をやればいい。──そう思うのです。とはいえ、現実的に自動翻訳機が進化すれば、英語の学習に意味が見いだせなくなる子も出てくることでしょう。しかし、英語の学習が今後不要になったとしてもすべての利点が消えてなくなるわけではありません。じつはテクノロジーの進化に伴って相対的に高まる価値も、あるのです。たとえば、直接英語が話せるようになれば、・自動翻訳機登場以前よりも、直接、英語が話せる価値が高まる・英語を学ぶことで他文化、歴史、ものの見方に厚みが生まれるこうしたメリットは残ります。あるいは、先の暗記中心の学習であっても・細かい知識を覚えているからこそ、 その人の説明や話に説得力や信頼感が生まれるという面もあるのです。現状の勉強、やるべきことが目の前にあるなら、迷わず、惑わず、ただひたすら取り組めばいい。その努力は決してムダにはならない。もし、お子さんがそうしたテクノロジーの知識を振りかざしてきたときはそのような話をしてあげてください。しかしながら・・・、親や教師は、この努力を信頼しつつも、これからの未来に備えて、求められるであろうスキルも同時に意識して、子供に与えていく必要があると思うのです。■これからの時代に必要な力とは?───────────────────────────────私はこれからの時代、とくに重要になる能力は、・問題発見力 ・意志決定力 ・道徳力だと私は考えています。以前よく言われていた「問題解決能力」。この力というのは、ある程度これからは人工知能に代替できるものになっていきます。現在でも、困ったこと、わからないことがあれば、「教えてグーグル!」でほぼ解決してしまいますし、問題が明確になっている時点でほぼその問題は解決してしまっているのです。そこで大事になってくるのが、問いを設定すること、何が問題なのかを見つける力。つまり「問題発見力」です。・どこが真の問題なのか。・何を問えばよいのか。この問題を見つけ、設定する力がこれからより重要度を増してきます。それから、人工知能やグーグル先生から提示された複数の解決策の中から「これにする!」と決める力、最適解を選び取る、「意志決定力」。これも、さらに重要になっていきます。すでに、アメリカの高校や大学では、この意志決定力を育てる教育が重視されています。では、アメリカではどのようにして生徒の意志決定力を育てているのか?それは、歴史です。歴史を題材に、意志決定力を育てているのです。たとえば、戦国時代の武将の一人にクローズアップして、その時代の空気感、民衆の気持ち、周りの武将の戦力、自分たちの戦力、食糧の備蓄量などいろんな要素を調べます。その状況下で、隣の大将が攻め込んできた。さあ、このときこの武将はどんな意志決定をすべきか?戦うか、逃げるのか、交渉するのか、それとも──。そのような授業が行われています。生徒たちは、歴史を単なる知識の寄せ集めではなくて、因果関係で学ぶ歴史という部分も超えて、意志決定を学ぶ教材として活用しているのです。そして、最後に道徳力。これからテクノロジーの進化で、人間の心がより見えるようになっていきます。映像分析のテクノロジーが進化することで犯罪を起こしやすい人を、その人の動きやしぐさから人工知能が割り出し、アラートを出してくれるシステムもすでにあります。コンビニも、レジがなくなっていきます。レジがなくても支払えるシステムというのは、逆に言えば、万引きができないシステムでもあるのです。犯罪の検挙率が上がり、悪いことができなくなる社会にどんどん進んでいきます。それにより人間の心も変わらざるを得なくなります。しかし、人間の心はそう簡単に変わりません。それまでの習慣、親子の関わりが、その人の心をつくってきたからです。であれば、これからの教育には、心の教育。道徳教育がとても重要になるということです。そして、道徳の根っこは、思いやりです。相手を思いやる気持ちがあれば、就職をしても起業をしても、人間関係も、うまくいく確率が上がります。道徳はこれからさらに重要になっていくことでしょう。----いかがでしたでしょうか。・問題発見力 ・意志決定力 ・道徳力この3つは、今後の基盤となる能力になる、と私は考えています。つまり、社会にでるときも、いろんな場面でこうした能力が求められる、確かめられ、見られていくということです。そうした時代が来てから、慌てて直そうとしても難しい。だからこそ、今からこれらの力を意識して、子供を育てていくべきだと私は思うのです。そしてさらにもう一歩、未来に価値を持つ能力を挙げられるのであれば・科学、テクノロジーなどの知識や興味・人に説明する力、教える力この2つを挙げておきたいと思います。上記3つに加えて、この2つの力が加われば、さらに未来は明るくなるはず。未来はどうなるかは、だれにもわかりません。しかし、努力は無駄にならず、テクノロジーの進化に伴い相対的に価値が高まる部分もあること。これからの未来に備えて、求められる力を意識して子供を育てていくこと。これらを実行していけば、人工知能もテクノロジーも怖くありません。むしろ、共に手を取り、助け合う仲間になれるはずです。あなたの家庭内教育の参考になれば幸いです。家庭学習コンサルタント坂本 七郎追伸:まなぶてらすでプログラミング講座がスタートしました。担当講師(みゆき先生)のプロフィールhttps://www.manatera.com/wte/prfdtlfrm/60プログラミング講座は、私がまなぶてらすに加えたかった講座の1つになります。プログラミングの仕組みや考え方を学ぶことは数学の学習にも役立ちますし、デジタル機器の興味や関心、ものの仕組みを考えるきっかけにもなります。親御さんが一緒であれば、小1からでも受講可能です。ぜひ、この冬休みのお楽しみ講座として体験してみてはいかがでしょうか。▼ 私のメールマガジン(メルマガ)の無料登録はこちら >> メルマガ登録ページへ進む━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━ 発 行 ドリームエデュケーション 坂本七郎 ホームページ http://www.dreameducation.co.jp ●学ぶ意欲が高められる。あらゆる分野で答えられる。 オンラインスクール「まなぶてらす」 http://www.manatera.com━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━━