フーバーダム・ミード湖を見学に行ったのは1972年3月のことでした。最初の海外旅行で車の免許も持っておらず、会社から米国大学に留学している人の運転で行ったのでした。
フーバーダムは砂漠に湖をと言う掛け声から、当時のフーバー大統領がコロラド川の山岳・砂漠境界地帯に1931年建設を許可し、予定より2年早く1936年に完成し、完成式は次のルーズベルト大統領の臨席を以て執り行われたのでした。
アーチ式の美しいダムは、高さ221メートル、幅が379メートルで、その高さは1958年まで世界一の高さを誇っていました。又、ダムによって堰き止められた人造湖はミード湖と呼ばれ、広さは日本の琵琶湖の二倍で、湖岸線の長さは885kmともなり、貯水量は350億トンに達するので日本の合計貯水量を凌駕するのでは無いかと言われています。水力発電所も装備し発電量は150万kWにもなります。
日本で名高い黒部ダムは高さ186メートル、幅は492メートルと匹敵する大きさですが、貯水量は僅か2億トン・発電量は34万kWしか無いのです。
完成を記念して、アーチ式通路の一角には、オスカー・ハンセン氏による記念彫刻があります。映画で有名なオスカー賞と同じ名前ですが、同一人か否か確かめていませんが、何となく似ている雰囲気の彫刻でした。
空撮写真はラスベガスからグランドキャニオン遊覧飛行の途中で撮ったものです。
又、1972年3月は渇水期だったのかミード湖の水位はとても低く、アーチ式通路からは水面が良く見えませんでした。
そこで、ミード湖展望台にも行ってみました。
コロラド川の急流は、山岳高原を数百万年浸食し続け、壮大なグランドキャニオンを創り上げました。しかし、その浸食量は凄まじく、その景色変容が問題にされたのですが、下流にあるこのミード湖、上流にあるパウエル湖によって水量が成魚出来る様になって、その心配は無くなったと言われています。