カテゴリ:Overseas Europe
アムステルダムの国立美術館の至宝であるレンブラントの「夜警」は大ホールの一番奥のスペースに展示され、その存在感を誇示しています。
しかしこの絵は元々アムステルダム市の自警団6支部の内のある支部活動を描いた6枚の内の1枚であり、自警団本部に75年間飾られていたものです。 レンブラントは明暗を強調する画法であったこともあり、汚れが目立って来てまるで夜の場面の様に見えたことから、1808年頃から「夜警」と呼ばれる様になったようです。 この絵が完成したのは1642年、その後自警団が解散し、1715年本部ビルがオークションスペースとして使われる様になったので、現在のアムステルダム市内宮殿に移されることになりました。その際、ホールのドアを通すことが出来ない為、絵の一部が切り取られることになりました。従って、彼の描いた34名から3名が切り落とされてしまいました。 1815年に現在の国立美術館の所にあった建家に移送展示され、1885年国立美術館の新建家完成と共に現在の所に収まった様です。 1642年完成以来、何度も洗浄・修復が行われています。1687年には自警団本部に飾られていた絵画全てが修復されているので、この「夜警」も当然その中の一作品でした。1715年移転の際は、洗浄し且つ残念な一部切り落としが行われました。その後1771年、1851年、1884年、1906年、1946年と洗浄・修復が行われ、1975年には画面補強の為に裏側にキャンバスが追加されることになりました。 この絵は、切り取られる前の原画模写が残されています。サイズもとても小さく(多分F8位と記憶しています)。 制作年度は模写なので明確では無いのですが、Gerrit Lunden(1622 - 1683)と言う人によるもので、その模写絵を見ると差し上げた旗も画面内にあり全体がゆったりした感じがします。 この模写絵は「夜警」横の小さな展示室に、他の説明資料と共に展示されていますので、訪問される際は見逃さないで下さい。 尚、レンブラントの優れた明暗法技法についてはこちらを参照ください! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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