テーマ:本日の1冊(3690)
カテゴリ:Books
低迷を続けてきた東京株式市場も日経ダウが一万円の大台を回復し、少し明るい兆しが見え始めました。
日本再生、構造改革を叫んで登場した小泉政権発足時は1万5千円あったのですから、株式持ち合いのもたれ合い方式による日本企業業績が低迷し不良債権が増えるのも当然のことでした。これで企業に開発意欲が戻り、設備投資が増えれば回復基調に入ると期待しています。 しかし、株価回復の原動力は海外投資家の日本株割安感による買い付けのようで安定的な回復ではありません。 中高年のリストラ、若年層の就職難は相も変わらずの状態で、「働きたくとも働けない」という状況が続いていますので、不安定な状態からの脱却は果たしていません。 何とか労働力市場を改善する日本企業の再生が望まれるのですが、従来方式によらない活性化を図る必要があります。 それには事例研究ではありませんが、将来のあるべき姿に向かって、現在どの様な行動を取るべきか決定することに肝要だと思われます。 先週、本屋で偶然購入した書籍には、全面的に賛成する訳ではありませんし、日経新聞も問題の根幹を捉えていないのではと危惧しますが、多少のヒントがあるようですので紹介することに致します。 2020年からの警鐘-日経ビジネス人文庫 資本が国境を易々と越え、「工場」に代わって「知識」が経済の主役となり、富を生む地球規模の経済競争は、市場の変化も激しく、勝者と敗者の交代も速い。 多くの日本企業は、2003年初頭になっても新しい資本主義の流れに乗り切れず、焦燥感を強めている。グローバルな知識社会の到来に気付いているが、工業化時代の成功体験を捨て去ることが出来ず、先送りしている。 経済活動から国境という壁が消えれば、競合する大手企業同士は市場での棲み分けが出来なくなる。限られた「世界大手」の座を巡る椅子取りゲームが始まった。合併には企業文化の違いによる軋轢など、大きなリスクが伴う。かといって傍観していれば、椅子は他社に取られてしまう。 日本企業も当然「国内大手」に安住は出来ず、合併や企業統合が活発になって来たが、世界市場から見れば小規模のものが多く、生き残りへの道筋は鮮明には描かれていない。 知識社会の到来も、物作りの覇者であった日本企業を窮地に追い込んでいる。米国企業は家電製品等の市場で日本に駆逐されたが、情報技術(IT)やバイオテクノロジー等の先端分野で先頭に立った。日本企業はソフト化で米企業に追いつけず、物作りの分野では韓国、「世界の工場」にのし上がった中国、東南アジア諸国に追い上げられて抜き去られ様としている。 日本企業の生き残る道は、製品・サービスの付加価値や独自性を高め、他社の追随を許さないことにある。消費者は価格だけで商品を選んでいる訳では無い。 独自技術で新しい製品を生みだし、特許で防衛する。企業は知識社会で競争して行く基本は、工学と経営学を融合した技術経営(MOT)を有効にして、足下に眠る宝の山を発掘することが、飛躍への出発点となる。 しかし、日本の主役を占めていた労働集約産業での大量の労働力を全て吸収出来るのでしょうか? 選抜される労働力の階層化が進み、貧富の差が広がる様な気がしてなりません。 労働吸収力容量の大きい、環境ビジネス等の地球規模で対応出来る大きな業界の創成が必要な気がします。 公害先進国と言われた日本は、公害対策・環境対策ビジネスは先頭を走る責任もあると思っています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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