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イラク侵攻を圧倒的な空軍力で制し、フセイン政権を倒した米英軍は軍事統治が破綻してゲリラ戦に持ち込まれ、毎日の様に死者が出て泥沼化して、ベトナム戦争と同じ様な状態になりつつあります。
ベトナムでは南ベトナムを支援し北ベトナムのホーチミン政権を倒す為300万人を殺戮しましたが、アメリカ軍も6万人の死者を出して、政権打倒に失敗し遂に撤退となりました。 今回はフセイン政権の圧政に苦しむ国民の解放を掲げて侵攻したのですが、占領統治政策が欠如して、石油利権を確保すれば、後はイラク国民が解放を歓迎して占領統治に協力する筈との安易に解釈したのが誤算でした。 「民主主義の基盤が無かった日本でも、占領統治で民主国家が誕生した。イラクでも上手く行く筈だ。」と言うのがブッシュ大統領の口癖の様ですが、日本人が聞いても侮蔑されたと思いますしそこには大国の奢りしか感じられず、イラク国民にも敬意を払わぬ態度に反感を持たれるのは当然でしょう! 米英軍統治から、国連主体のイラク国民に敬意を払い、意向を尊重した統治に転換することが解決の糸口の様に思います。 空の帝王の“アホウドリ”を歌ったボードレ-ルの詩が上田敏訳の海潮音に次の様に載せられています。空の帝王も地上に降りると思う様には行かないのです! 信天翁(おきのたゆう) 波路遙けき徒然(つれづれ)の慰草(なぐさめぐさ)と船人(ふなびと)は、 八重の潮路の海鳥の沖の太夫(たゆう)を生擒(いけど)りぬ、 楫(かじ)の枕のよき友よ心閑(のど)けき飛鳥(ひちょう)かな、 奥津(おきつ)潮騒すべりゆく舷(ふなばた)近くむれ集う。 天飛ぶ鳥も、降りては、やつれ醜き瘠姿(やせすがた)、 昨日の羽根のたかぶりも、今はた鈍(おぞ)に痛はしく、 煙管(きせる)に嘴(はし)をつつかれて、心無しには嘲られ、 しどろの足を摸(ま)ねされて、飛行(ひぎょう)の空に憧がるる。 雲居の君のこのさまよ、世の歌人に似たらずや、 暴風雨(あらし)を笑い、風凌ぎ猟男(さつお)の弓をあざみしも、 地(つち)の下界にやらわれて、勢子(せこ)の叫に煩えば、 太しき双の羽根さえも起居(たちい)妨ぐ足まとい。 圧倒的な軍事力を誇るアメリカも、ハイテク兵器を駆使する総力戦には強いのですが極地ゲリラ戦となると他国と拮抗して仕舞います。 ブッシュ大統領、米軍幹部から派遣され占領統治に参加するアメリカ軍兵士も戦争と占領の大義に疑問を持ち厭戦気分に苛まれていると思います。 アメリカは面子に拘らず、一刻も早い国連への復興移行することで辞退収拾しなければ、この戦争は終わりません。 小泉政権も無分別にアメリカ追従することは、国際的な大義がありませんし、長年中東で培った国益を台無しにしてしまいます。元々、それ程の哲学がある政治家ではありませんことは確かでしたが、今は自分の思い付くままに行動しているだけとなりました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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