テーマ:徒然日記(22706)
カテゴリ:カテゴリ未分類
梅も綻んで咲くこの季節、日本南岸には移動性の低気圧がやって来て、北にある高気圧から東風が吹くことが多いと言われています。
東風を「こち」と呼ぶことは良く知られていますが、その他の各地でも風の呼び名はその土地特有なものがあり、由来も明確で無いこともあって聞いても分かりませんし、日本語の難しさを実感させられます。各地の方言との関連もあるのかも知れません。 こち (東風) 春に東方から吹いて来る風。 あまりに有名な道真の歌で知られています。 「東風(こち)ふかば にほひ起こせよ梅の花 主なしとて春な忘れそ」 語源については、次のような出典もある様です。 東よりふく風をこちと名付く、如何。これを推するに、虎うそぶいて、風を成といへる事ある歟。虎は、木神なれば木也。こと言いつべし。ふき返りて、ひ也。こひとなる。こひをこちとばしいひなせる歟。 (『名五記』巻五) 要するに、「こ」は「虎」で、「ひ」が「風」で「こひ」となり、訛って「こち」になったとの説明です。信憑性については判断し兼ねますが・・ あい(え、ゆ)(東風) 中部地方、富山、福井県を中心に用いられ、東風のこと。 大伴家持が任地越中で、越中ではコチ(東風)の語がないことも珍しく思ったらしく 「東の風越の俗の語に東の風をあゆのかぜと謂ふ」と言い、次のような和歌が残されています。 「東風(あゆのかぜ)いたく吹くらし奈呉(なご)の海人(あま)の釣する小舟(おぶね)漕ぎ隠る見ゆ」 はえ(や)(南風) 山陰、西九州地方でよく用いられ、南風のこと。 南風(はえ)が吹くと雨が降り海が荒れ出航不能となり、南風の時化が治まる迄風待ちして待機するとのことです。 北原白秋が「思ひ出」の中のTONKA JHONの悲哀として 「南風(ハエ)が吹けば菜の花畑のあかるい空に」 と歌っていますし、 俳句にも、「川がりは先凉みとれはへの風」(毛吹草-五・夏) とあるそうです。 ならひ(い)(北風) 太平洋岸東日本で用いられ、冬の季節風のこと。 「江戸にては東北の風をならいと言う。つくばならいというあり」(物類称呼)とあって、東北の風としています。 たま(ば)(北風) 冬に北日本の日本海側で吹く北寄りの風。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
|
|