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海外旅行紀行・戯言日記

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2005.06.06
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カテゴリ:Technology
テクノスーパーライナー(TSL)は1000トンの荷物を積んで、50ノット(時速約93km)のスピードで500海里(約930km)の距離を航行するという構想で、平成元年度(1989年)にスタートした国家プロジェクトとして推進された研究開発で、トラック100台分の貨物を海上輸送することで、安価な輸送費と道路渋滞を解決出来ると言うのがプロジェクトの売りでした。

テクノスーパーライナー(TSL)紹介のWebサイトです

平成6年度から駿河湾で防災船兼カーフェリー「飛翔」の総合実験が実施され、開発目標がほぼ達成されたとし、現在は小笠原TSLが建造中で、今年11月に実船就航されるとして注目を集めていたのです。

しかし近頃の石油価格高騰で、当初予想された経済性が得られず、補助金無しには実船就航が難しい状況となり、事態は暗転してしまった様です。推進主機が軽量小型ガスタービンですのでディーゼルと違って燃料として重油が使用できず、高価な軽油だけしか使えないと言うのが主原因の様です。
プロジェクトを始めた時点では石油価格は20ドル/bbl程度、推進中は14~15ドル/bbl迄低下していたのですが、中国経済の躍進で石油需要が一挙に高まり、最近では50ドル/bblを越えてしまい、リスクヘッジの限界を超えてしまった様で、残念な方向となりました。

小笠原航路の様な観光主体航路でなく、高価な貨物が多くてトラック輸送代替が考えられる北海道、佐渡航路位でないと商業的には難しいかも知れません。

読売インターネットニュースでは以下の様に報じています。

国家プロジェクトとして開発され、今年度小笠原航路に就航する世界最高速の大型旅客船「テクノスーパーライナー(TSL)」について、海運会社が年約20億円の赤字が出ると試算し、国や都に早くも経営支援を求めていることが分かった。
TSLは一般船舶の約5倍の燃料代を費やすため、最近の原油高騰の波をもろにかぶる恐れが強まっているためだ。

TSLは、ホーバークラフトのように船体を空気圧で浮上させるという、大型船では世界初の推進構造を持つ。最高速度約40ノット(時速約70km/h)で、一般旅客船の約2倍。同じ大きさの最高速フェリー(約30ノット)を大きくしのぐ。

第1号船は岡山県内のドックで今夏完成を迎え、今年11月小笠原航路(東京―父島)に就航する予定。現在の片道約26時間はTSL導入後、17時間に短縮される。

国土交通省が同航路を新型船の“初任地”に選んだのは、年約4万人が利用する「黒字路線」であることに加え、島の空港建設中止を唱えた「石原都政」が強力に誘致を推進したため。小笠原海運はこうした流れの中、政府系企業と18年のリース契約を結び、毎年8億円を支払うことで合意した。

ところが、昨年夏以降の原油高騰で、運航コストに重大な懸念が出てきた。一般の船が重油を燃料とするのに対し、TSLはそれより高い軽油を使うため、採算を大きく割り込むことは必至の情勢だ。

同社が今春の市場価格で試算したところ、燃料費は往復約2000万円と判明。当初見込みの2倍に上り、満員でも採算が取れないという。
さらに、契約当初、就航と同時に現在稼働中の「おがさわら丸」を売却する方針だったが、未知のハイテク船への全面転換はリスクが高いと判断、1年間は代用船として保有することを決めた。この維持費も数億円に上り、同社は出航約70回、旅客約5万人を見込んで収支を試算したところ、年約20億円の赤字は避けられないとの経営見通しを出した。

個室使用料などの値上げも検討しているが、島唯一の生活路線のため、基本運賃(往復約4万5千円)の大きな値上げは難しいと見られる。
離島航路には国交省と自治体が共同で、赤字を埋める補助金制度がある。事前の届け出が必要で、同社は5月末、同省と都に収支見通しを提出した。
しかし、国の予算は年38億円、都は9億円ほど。いずれも全額を他の赤字航路に費やしており、TSL次第で大幅な負担を迫られかねない。国交省は「20億円とは……」と困惑。都も「支援はしたいが、補てん額が多すぎる」としている。


この経済計算が正しいか否かを検証してみると、以下の様に5億円程度の赤字となりますが20億円の大幅赤字にはならず、小笠原海運の試算は誤りではないかと推測されます。
高騰燃料費補填7億円だけで代用船維持費を考慮しても黒字運行が可能で、経営判断に問題があるのではと思われます。

収入                28.1億円
乗船客収入 5万人x4.5万円= 22.5億円
その他貨物収入 上記の1/4= 5.6億円
支出                33.0億円
TSLリース料           8.0億円
燃料費    2千万円x70回 =14.0億円
代用船維持費          4.0億円
その他諸経費 燃料費の半分=7.0億円





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Last updated  2005.06.06 17:17:17
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