カテゴリ:Paintings
新宿の東郷青児記念損保ジャパン日本興亜美術館にてターナー展が開催されていますので、行ってみることにしました。
昨日は晴れていて、美術館のある42階からの眺望は新宿駅周辺が広がり、新宿御苑も見えて絶景となっていました。 展覧会ではターナーの水彩、油彩、版画作品約120点を、「地誌的風景画」「海景‐海洋国家に生きて」「イタリア‐古代への憧れ」「山岳‐あらたな景観美をさがして」という4つの章でご紹介し、その核心と魅力に迫るとのことでした。 私の知るターナー作品は朦朧とした画面に大気と光の効果を追求することで、ロンドン議事堂火災の連作、蒸気機関車や蒸気船はぼんやりとした塊にして、巨大な波、水しぶき、吹雪といった自然の巨大なエネルギーを描き出している画風なのですが、若い時代には綿密な風景画、それも不透明水彩を駆使した技量で知られていて、それらを銅版画職人に再生させて、挿絵等に使用することで活躍の場があった様で、まるで日本の浮世絵師と版画彫師を彷彿とさせることが、同時代のイギリスで起きていたことが分かりました。 29才で描いた「サン・ゴダール峠から眺め」、綿密で見事な色彩感覚です。 しかも、これが水彩画と言うのが驚きでしたし、透明水彩と全く世界を異にする不透明水彩の分野があるのだと初めて知らされました。 油彩でも、27才の「時化模様の海にいる猟師達」の荒立つ波は、クールベ以上の迫力に満ちていました。 多分、クールベがターナーに触発されたのだろうと想像出来ました! 晩年66才の油彩「キリスト エジプトへの逃避」では、従来から知る朦朧体で、面目躍如とした、ターナー作品です。 手前の水面に泳ぐ蛇は、その存在が何かの寓意があるのだろうと、将来の受難を暗示したものと合点することにしました。 上記の絵画画像は、購入した絵葉書をスキャナーで読み込んだものです! お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[Paintings] カテゴリの最新記事
|
|