カテゴリ:Paintings
昨日は、八王子市にある富士美術館に行って来ました。八王子は隣町ですが、もう高尾山近くの丘陵地帯にあって、混雑する国道16号線を経由しなければならず、到着するのに1時間を要しました。
1月~3月に期間中に催される企画展で「没後50年 藤田嗣治 本のしごと」が開催中、入場料はシニア割引で1000円でした。 藤田嗣治は画家として、乳白色の肌色の女性像を描くことで、フランス画壇に新風を吹き込むことで、日本画家の存在感を提起した自由人でした。 しかし、大戦中に軍部に依頼され戦争画を描いたことで、軍部協力者としての烙印を押されてしまったことで、1949年に渡米、そしてフランスに移住、パリで晩年を過ごすことになりました。 自由人ですから、軍部の依頼を軽い気持ちで引き受けたのでしょうが、それが災いとなり、軍部に協力して富士を描いた横山大観とは異なり、糾弾される不幸な歴史を背負わなければならなかった様です。 今回の企画展は、「本のしごと」がテーマで、良く集めたものだと感心させられました。 油彩は1点ものですが、挿絵や書籍の装丁は広くオリジナリティを世に示すもので、その力量は抜群の才能が感じられます。 晩年、フランスで書籍「Les petits métiers et gagne-petit(しがない職業と少ない稼ぎ)の挿絵ですが、ユーモアに溢れ、書籍の内容にマッチしている様でした。 ポスター等のイラストレーターとしても、抜群の才能を発揮した様で、現在の横尾忠則を超えているのではと思われてきます。 晩年になっても、スケッチ・デッサン力は大したもので、最後の展示室には、愛玩した猫のスケッチが並べられていました。 戦争協力者と烙印は解き放って、彼の芸術力を再評価するのが妥当と思いつつ、美術館を離れました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
[Paintings] カテゴリの最新記事
|
|