東大駒場の図書館長であった岸本英雄氏が、ショーペンハウエルの箴言「読書は他人にものを考えて貰うことである」を紹介していた記憶があります。
読書は他人にものを考えて貰うことである。本を読む我々は、他人の考えた過程を反復的に辿るに過ぎない。
更に読書にはもう一つ難しい条件が加わる。即ち、紙に書かれた思想は一般に、砂に残った歩行者の足跡以上のものではないのである。歩行者の辿った道は見える。だが歩行者がその途上で何を見たかを知るには、自分の目を用いなければならない。
そうは言いましても、知識を高めるには、やはり読書と言う習慣は欠かせないもので、諸人の論じた見識を取捨選択しながら、自分の辿るべき道筋を見極めることが出来るのだとも思えますが・・
しかし、この頃は知識力が減退して、それに応じて読書量が大幅に減って来てしまいましたので、読書力が低下して、なかなか読了出来なくなりました。
これは、私が読了した中島敦の短編集と交換した、知人の所蔵していた「ケルト神話の世界」、ヨーロッパ文明の根幹とも言われ、ローマ文明とも拮抗したケルト文明を論じたものですが、11月末から1月経ちますが、未だ上巻の半分しか読了していないのです。
多様な考えを受け入れなくなる、頑迷を旨としてしまう老齢化が加速しているのかも知れません!