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新型コロナウイルスに依って、感染者爆発が発生、多数の死者が出ていて、収容出来ない情勢が起こっている状況は、アルベール・カミュの小説「ペスト」に酷似するとされて、読み返す人達が多くなっていると、報道されています。
時宜を得たTV番組「百年の名著」で、1時間半に総集して、小説「ペスト」が奉仕と連帯感に依って、パンデミック病理に立ち向かい克服するですが、遂には羅症してその立役者の一人が死亡すると言うストーリーを紹介、カミュが洞察した未来はどうであるべきだったのかを解説していて、「ペスト」を読みましたのは、50年以上も前のことで、すっかり記憶の抽斗から忘れていましたので、興味深いものがありました。 書棚を観てみますと、「異邦人」、「シジフォスの神話」の仏語版が死蔵されていました。 これらは、会社の行き帰りに、晴海通りにあったイエナ書店と言う洋書店で購入したもので、既に50年も経過しています。 これらは、カミュ20才代の著作、流石最年少でノーベル文学賞を受賞した逸材であったことが頷けます! カミュの著作は「不条理」という概念によって特徴付けられている。カミュの言う不条理とは、明晰な理性を保ったまま世界に対峙するときに現れる不合理性のことで、不条理な運命に目をそむけず見つめ続ける態度が「反抗」と呼び、人間性を脅かすものに対する反抗の態度が人々の間で連帯を生むとする。 カミュの文学は、病気、死、災禍、殺人、テロ、戦争、全体主義等、不条理な暴力との闘いだった。それに対して、彼は一貫してキリスト教や左翼革命思想のような価値観に依存せず、「父」としての「神」も、代理人としての「歴史」も拒否しつつ、生の意味を探し求めた。 彼は絶えずあらゆるイデオロギーと闘い、実存主義、マルクス主義と対立した。ソビエト全体主義に対する批判はコミュニストたちと対立させ、又実存主義の提唱者サルトルと絶交するに至った。彼の著作のヒューマニズムは、歴史の最悪時期における経験のなかで鍛えられたものであった。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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