漸く、美術館や博物館が開いて來ましたので、町田市の芹が谷公園にある国際版画美術館に行くことにしました。
楽しそうに水遊びをしている子供達は、冷たさにもめげず、はしゃぎ廻っていました。
実は昨日は、棟方志功の初期の傑作「二菩薩釈迦十大弟子」を観に行ったのですが、入場料は案に相違して常設展示なので無料とのことでした。
昭和14年(2菩薩は版木が失われ、昭和23年改刻)、世界の棟方志功の代表作、文殊・普賢の2菩薩と、釈迦の10人の高弟の姿を彫った。上野の東京国立博物館に展示されていた、興福寺の須菩提(しゅぼだい)を見て触発されて制作したと言われています。
昭和30年サンパウロビエンナーレ国際美術展で版画部門最高賞、翌31年のヴェネツィア・ビエンナーレ国際美術展にてグランプリの国際版画大賞を受賞。
二菩薩釈迦十大弟子 富樓那 木版 924 x 300 mm
「富樓那」(ふるな)は弁舌に優れていたとされる高弟のひとりで、説法しているらしき姿が力強く表されています。
文殊菩薩と普賢菩薩は柔らかい線で描かれていますが、10大弟子は極太の黒線で力強く表現されていて、弟子各々の性格も伺い知れる様に思われる傑作です。
フランスの画家ルオーも、油彩に加え版画もよく製作し、太い黒線で描くのが特徴ですが、やはり強烈な印象を与えてくれます。