現在では日本人ハーピストの吉野直子女史が世界的にも認められていますが、1960年代には、ハープ奏者と言えばリリー・ラスキーヌ(Lilly Laskine)女史だったのでした。
彼女はロシア人両親と共にパリに移民し、ピアニストであった母親の影響で音楽に薫陶を受けて才能を発揮しました。
1906年13才の時にパリ音楽院で最高賞を受賞、1909年にパリオペラオーケストラに入団して1926年まで在籍、その後は自由な演奏活動をする様になり、レジオンドヌール勲章を受けた1958年までは母校パリ音楽院ハープ科の教授も務め、パイヤール楽団との共演やフルート奏者ランパル氏との共演で、演奏会活動や録音活動はよく知られています。
そんな栄光に包まれたまま、1988年に鬼籍に入りました。さまざまな声楽家と共演してレコードや映像も遺した。コメディ・フランセーズのハープ奏者も30年以上にわたって務め上げている様です。
録音が古く音質が良く無いのですが、1964年のパイヤール楽団との共演でのハープ演奏をお聴きください!
Handel Concerto for Harp and Orchestra in B flat, HWV 294 Laskine
Lilly Laskine, harp
Orchestre de Chambre Jean-François Paillard
Jean-François Paillard, cond.
Recorded: 22.I.1964 Eglise Notre Dame du Liban, Paris