テーマ:気になる技術動向(1283)
カテゴリ:Technology
地球温暖化対策として、世界各国で従来のガソリン車やディーゼル車はもとより、プラグインハイブリッド車(PHEV)を規制する動きが広がっています。脱ガソリン車・ディーゼル車の中心となっているのはEUで、ドイツやイギリス、フランスでは、2030年や2040年までに新車販売が禁止される予定となっていて、今後、電気自動車の市場拡大が見込まれているのですが、果たしてEUの邪まとも言える指針が主流となるのでしょうか?
脱炭素の旗振り役を自認するEUですが、自動車需要の大半を占める大衆車では、日米に後れを取っていますので、ルール改正で勢力挽回を図るのが主要な意図と思えるのです。 例えば、スポーツの世界でもヨーロッパ勢が劣勢となりますとEU勢が有利となる様に改定して、優劣を争う様にして来たのです。 しかし、EV車では化石燃料車に比べて技術的困難は無さそうですので、自動車産業に後れを取って来た中国も参入して来るのは必至で、EUは競争出来るのでしょうか? 甚だ疑問で、墓穴を掘るのではと懸念せざるを得ません。 自動車の「脱ガソリン」が広がる背景にあるのは、地球温暖化の主原因である二酸化炭素(CO2)の排出量を抑制する、脱炭素社会を目指す動きです。 ガソリン車と比較して、エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッド車(HV)は、走行中のガソリンの燃焼によるCO2の排出量を抑えることができます。そして、さらに先へ進む電気自動車(EV)は走行中にCO2を排出しません。こうした特性から、電気自動車へのシフトを進める動きが活発化しているのです。 世界の電動車(EV)の新車販売台数に占めるシェアは2030年にはガソリン車を上回る51%まで伸びることが予想されています。完全に電動化された電気自動車(BEV)の他、ハイブリッド車(HEV)やプラグインハイブリッド車(PHEV)なども含まれます。 日本市場においても、電動車の新車販売台数のシェアは、2030年に55%を占めることが見込まれています。ただし、日本では2019年の時点で、既にハイブリッド車のシェアが22%を占めていました。2030年の世界のハイブリッド車のシェアは7%と推計されていますが、日本市場では23%と現状を維持することが見込まれています。 IEA(国際エネルギー機関)が発表しているレポートによると、世界のEV台数は右肩上がりで上昇。EV市場は急成長していて、2021年時点で、中国におけるBEVとPHEVの合算台数は約780万台、前年対比170パーセント以上の伸びとなりました。 EUの伸びも堅調で、合算台数は約550万台に到達。2021年にはPHEVの台数も大きく伸びています。 世界の大手自動車メーカーが電気自動車(EV)にシフトする中、日本の自動車メーカー各社も次世代⾃動⾞戦略として電気自動車やプラグインハイブリッド車(PHV)の強化を着々と図っています。 国内メーカーの電気自動車(EV)は、三菱自動車が2009年に「i-MiEV」を、日産自動車が2010年に「リーフ」の発売を開始して以降、10年以上が経過しています。しかし、日本では電気自動車の普及が進んでいるとは言い難いのが実情です。 走行中にCO2を排出しない電気自動車(EV)は本当にエコなのでしょうか。 電気自動車(EV) ハイブリッド車(HV) EV車は走行時にはCO2を排出しないため、ゼロ・エミッション車と呼ばれていますが、モーターを駆動させるバッテリーに蓄える電力は、日本では80%以上が火力発電によって作られたものです。火力発電所からはCO2が排出されています。 EV車の走行距離あたりのCO2排出量を、バッテリー充電時に消費する電力量と走行距離から算出すると、CO2排出量が少ないのはハイブリッド車と結論づけられています。 また、製品生産から廃棄・リサイクルまでに至るライフサイクルアセスメントの観点からは、電気自動車の方が生産時に排出するCO2が多いため、やはりエコではないのではという疑問が生じています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.03.02 08:42:15
コメント(0) | コメントを書く
[Technology] カテゴリの最新記事
|
|