テーマ:気になる技術動向(1282)
カテゴリ:Technology
宇宙航空研究開発機構(JAXA)が三菱重工業やIHIと開発を進める次世代国産ロケット「H3」の3月7日の打ち上げが失敗した。発射は上手く行ったが、2段目のエンジンの着火が確認されず、破壊信号を出した。
計画では、補助ロケットや1段目のエンジンなどを切り離しながら上昇を続け、打ち上げからおよそ17分後、高度およそ675㎞で、搭載した地球観測衛星「だいち3号」を軌道に投入する予定でした。 ロケット開発に詳しい専門家は「エンジンの問題ではなく、着火信号が行っていない、ということだろう。過去に第2段エンジンが燃焼しなかった例は聞いたことがない」などと話しています。 国内のロケット打ち上げ失敗は、去年10月の「イプシロン」6号機以来。H3ロケット打ち上げは当初、2020年度の予定でしたが、新型のメインエンジンの開発が難航する等、延期が続いていました。 先月17日には、発射直前にロケットの1段目補助ブースターが点火しない異常を検知したため打ち上げが中止され、その後、JAXAなどが原因の究明を進め対策を講じて来ました。「H3」は日本の主力ロケットとして日本の今後の宇宙開発の“切り札”と位置づけられていただけに、初号機の打ち上げ失敗による影響は避けられない見通しとなりました。 地球観測衛星「だいち3号」を失ったのは残念ですが、失敗は成功の下、不具合箇所を修正して万全な打ち上げとなることを期待しています。 前回は補助ロケットの点火失敗、今回は2段ロケットの点火失敗と、どうも計装シーケンスに問題がありそうに思われ、コストダウン対策で冗長系を単一系にしたのではないかと懸念していますので、再度確認して欲しいものです。 先月の失敗の時にも述べましたが、次回打ち上げに際して、打ち上げ責任者はJAXAと言う研究機関ではなく、メーカーの三菱重工とすることで、設計審査と品質管理がより緻密になって行くと判断しています。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2023.03.08 08:11:01
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