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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2012.12.31
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カテゴリ:政治・経済
 大晦日の日本経済新聞の1面トップは「公的資金で製造業支援」という記事だった。政府が電機メーカーなどの競争力を強化するため、公的資金を活用する方針だという。

 税金による補助金で工場や設備の投資負担を和らげ、国内産業の空洞化を防いで雇用を維持。手元資金を厚くして次世代産業への投資拡大と競争力強化を図るという狙いだ。

 だが、これって農業やかつての繊維産業、食品産業、アルミ産業の保護行政と同じではないのか。そして保護されて再生した企業、産業は皆無に等しい。繊維や非鉄金属、食品の産業で今も残っているのは本業依存を脱し、自前の技術や販路をてこに自力で次世代事業の開拓に成功した企業だけである。

 安易な公的資金の投入はいずれも税金のムダ遣いであり、しかも衰退企業を温存し、日本産業の構造転換を遅らせるだけだ。そう、このブログで何度も書いてきた。

 リーマン・ショック以来、1990年代まで日本の経済成長の担い手といわれたエレクトロニクスや自動車メーカーまで政府の補助の手が広がったからだ。

 例えばエルピーダメモリは公的資金を投入しながら倒産した。にもかかわらずルネサンスエレクトロニクスに経済産業省傘下の産業改革機構が巨額の出資をした。自動車部品を製造するルネサスが海外企業に買収されると自分たちに厳しい取引条件が出されて困ると考えた自動車メーカーなどが政府に泣きついたのだ。だが、そんな甘い話で再建できると考えるのがおかしい。

 積極的な支援の手を差し伸べる企業が出なかった時点ですでに見通しは厳しいのだ。
 自動車業界やエレクトロニクスメーカーは家電エコポイントやエコカーの補助金でも多大の「販売奨励金」を政府から得ている。

 これらの事実は自動車、電機というかつての2大花形産業がもはや最盛期を過ぎ、衰退期を迎えたことを意味する。

 だが、ハイテク部品や半導体・液晶製造装置、各種工作機械、精密機械、計測装置など今も世界市場をリードしている製品はたくさんある。いずれも政府に頼らず、自力で開発し、販路を構築した企業が担っている。

 ハイテク分野では医療、バイオテクノロジーなどで新たな産業が育ちつつあり、医療・介護分野やアニメ・ゲームなど少子高齢化に対応した新サービス産業も育っている。

 政府のやるべきことはそうした産業の成長の妨げにならないように、ムダな規制をなくし、肥大化した行政を圧縮することである。

 官の肥大化は役人の天下り先と要らない政治家の活躍余地をふやす元だ。否、そもそも自分たちが「不要」と言われるのを恐れて、政治も行政も官の肥大化、規制強化を進めているのだろう。

 小泉政権時代、公的金融機関は大幅に縮小するはずだったのに、リーマンショックとともに息を吹き返し、民主党政権になって絵に描いたように復活、肥大化している。

 11月、千代田区大手町に「日本政策金融公庫」の超高層ビルが誕生した。私には日本経済のがん細胞が増殖しているようにしか見えない。 

 税金に頼る国民がそれだけふえている証拠である。かつて独立意識の強かったエレクトロニクスや自動車産業までが政府に依存し、規制業種がふえれば、日本経済の活力は確実に失われる。

 経営のモラルハザード(倫理の欠如)そのものだ(日経も記事の中で、モラルハザードの恐れを懸念しているが、批判の舌鋒が弱いように思われる。ここ1,2年の日経の論調は規制緩和・撤廃を訴えたかつての自由経済論が後退している感がある)

 国が繁栄するのは、独立自尊の精神のある民間企業が中心になって活動するからである。
 来年は「基本的に政治家も役人もいらない、最小限でいい。自分たちでやるから」という国民がふえるよう国にしたい。そう思っている国民は多いはずだ。





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Last updated  2012.12.31 17:25:51
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