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カテゴリ:政治・行政
厚生労働省が5日、2012年の合計特殊出生率(1人の女性が生涯に産むとされる子供の数)が1.41だったと発表した。1.4台の回復は1996年以来16年ぶり。30歳代の出生率が伸びたため底打ちしたのだが、人口維持に必要な2.07には程遠い。出生数は過去最少の103.7万人で、前年より1万4000人も少なく、人口減少が続いている。
私は人口密度の大きさや資源の乏しさを考えると、日本の人口が今より減ってもいいと思っている。今は1億28000万人弱だが、8000万―1億人ぐらいでもいいのではないか、と漠然と考えている。 ただ、急激に減るのは良くない。高齢化が進みすぎて、働く年齢層より、面倒をみなければならない層がふえると、働く層の負担が重くなり、社会の安定と生活の豊かさが損なわれて行く。 出生率は2.07とまでは行かなくとも、せめて1.8ぐらいまで回復させ、人口減少のカーブを緩くする必要がある。 その解決策は20代の出産をふやすことだ。昨年の平均初婚年齢は男性が30.8歳、女性が29.2歳。過去20年間で2~3歳上昇した。「晩婚化」の結果、第1子出産時の母親の平均年齢は30.3歳で「晩産化」が進んでいる。 晩産化では2人目、3人目の子供を生む女性の数は限られる。妊娠、出産のしやすさという生物的な要因を考えれば、子供を生む適齢期は若い20代だろう。 だが、20代前半は学生生活の終盤を迎え、働き始める時期であり、後半は仕事を覚え、技能や経験を積む時期だ。精神的にも経済的にも、社会的な地位と足場作りといった点からも、出産する余裕は乏しい。 30歳になって結婚、出産がふえるのはそうした余裕ができるからだろう。だが、出産適齢期は短く、第2子、第3子まで生む女性は20代に比べ少ない。産休、育休の制限時間に加え、会社内で築いてきた自身の社会的基盤を失わないためにも出産は1子まで、せいぜい2子までという人が多いだろう。 これでは出生率1.8は覚束ない。だから、20代の出産を増やすのが望ましい。では、どうするか。先述したように、最大の障害の1つとして、精神的な余裕の無さがあるが、それを政府が取り除くのは簡単ではない。だが、もう1つの経済的要因の場合、政府の支出をふやすことで突破できる。 具体的には、出産した場合、1人月10万円を支給する。だから2人産むと合計20万円、3人で同30万円。ここまで来ると、子供を産んで働かず、支給金だけで暮らす夫婦が出てくる危険性が高まるので、4子以降の支給はゼロとする。 「20万円あれば2人目をつくろう」、「いや30万円もらえるなら、3人目もいける」よ思う若い夫婦がふえることがこの制度の狙いだ。こうした経済的余裕はもう1つの障害だった精神的な余裕を高めることにも有効だろう。 20代だけに支給するというアイデアもあるが、そうすると「不公平だ」という声が出てこの政策の実現は難しくなる。3子目が30代になる人も多く、「使いづらい制度だ」という批判も出よう。どの世代でも同じ条件にするが、最も経済的余裕がない20代で出産する人は今よりも増えることは確実だろう。 支給は小学校に入学する直前の6歳になるまで続ける。「学校に入ってからが最も生活費がかかる。小学校入学で打ち切るなら、出産しないということにならないか」という反論があろう。 でも、学校に入学してまで支給すると財政負担は大きい。2子、3子が小学校に入学する頃になれば、共働きする余裕も生まれ、二人で稼げば大学までの学資を得ることもできるだろう。 給与の少ない20代での子育て期の方が生活費の圧迫は大きい。目前の生活の不安をなくし、出産を促すのが、10万円支給の眼目なのである。 離婚した場合は子育てを担う親権者に支給する。3人の子連れ同士が再婚して子供が6人になったという場合は、60万円になるが、この場合は6人分の支給を続けることとする。 この制度では、一人の子供への支給額は年間120万円。5歳末までの1人当り支給額は720万円だ。出産が促され、年間出生数が130万人(現在の年間100万人の3割増し)になるとして年1兆5600億円の財政支出となる。0~5歳までの合計では年間9兆3600億円の支出だ。消費税でまかなうとすれば、約4%分に当たる。 これを低いと見るか、高いと見るかーー。高齢者への手厚い年金を考えれば、日本の将来のために子供世代にこれくらいの負担をするのは当然ではないか。ムダな公共投資を削り、高齢者の医療負担などをふやすことも財源の手当てとなろう。 なお、この子供手当ては在日の外国人には支給しない。日本の将来のための財政支出なのだから、帰化して日本人になった人だけに支給することとする。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2013.06.06 16:53:25
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