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鎌倉橋残日録  ~井本省吾のOB記者日誌~

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2015.04.25
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カテゴリ:外交・行政
西尾幹二氏は著書「歴史を裁く愚かさ」(PHP文庫)の中で、こう書いている。

<戦闘が終わってもなお、戦争は続くのです。そのことを、(第2次大戦の)敗戦国日本はあっという間に忘れましたけれども、戦勝国側は毫も忘れなかったのです>

戦争は言葉によって続けられる。「日本は悪かった」ということを、歴史教育やメディアによって日本人の頭に刷り込んでいく。その情報戦略を米国は徹底して断行した。西尾氏は、その巧妙な戦略は1945年9月2日のミズーリ艦上での降伏文書の調印式で行われた、次のトルーマン大統領の演説に表れていると指摘する。

「今次の勝利は武器による勝利以上のものであり、圧政に対する自由の勝利である。……我々は今や、個人の自由、および人間の威厳が全世界のうちで最も強力であり、最も耐久力のある力であることを知った」

自由や平和、民主主義、人権といった「良い言葉」をアメリカを始めとする戦勝国が独占し、敗戦国日本は圧政、虐殺、侵略、人権蹂躙という負の政策を断行してきた軍事独裁国家だったと決め付ける。

実際のアメリカは広島、長崎に原爆を投下し、東京ほか多くの都市を空襲して非戦闘員の老人、婦女子を何十万人も殺傷した。また、戦勝国は第2次大戦前に多くのアジア・アフリカ諸国を侵略して植民地にし、大戦終了後も植民地再興に動いたという厳然たる歴史を持つ。とても民主と自由を尊重してきたなどと言えない歴史を抱えている。

だが、それを巧妙に隠し、「自分たちは正しい道を歩いてきた。悪いのは(ドイツと)日本だ」という宣伝を繰り返してきた。

そういう「戦後の(外交)戦争」に日本は敗れてきた。中国や韓国はその風潮に乗って「日本は謝罪を続けるべきだ」と言い続けてきた。それに対して「謝罪」を続けていれば、「日本は世界で孤立せず、平和が保てる」とリベラル・左派系の政党はもとより保守系の自民党議員の多くも考え、大手メディアの多くもその路線で新聞やテレビ番組を作ってきた。

だが、いくら謝罪しても中国や韓国の攻勢は変わらず、むしろ強化され、謝罪を続けるほど日本の国益は阻害される状況が広がってきた。

中国海軍は尖閣諸島水域に侵入し、韓国は竹島占領を続け、慰安婦問題などで日本が今も道徳的に劣った国であるかのような情報宣伝を世界に発信し続けている。中国は日本のみならず東シナ界、南シナ海でも侵略行為を広げている。

謝罪を続ける日本が弱気だと見て、攻勢に出てくるのだ。日本は正確な歴史を世界に発信する一方、中国や韓国の主張の間違いを正す必要がある。

合わせて、戦後70年の日本の平和的発展の歴史を世界に情報発信し、かつ日本がアジアはじめ世界の発展に貢献してきたこと、これを今後も続けることを明確に伝える。これが日本の国益にとって重要だ。

バンドン会議など、安倍首相が第2次政権発足以来、内外で演説してきた内容を読むと、その意欲が感じられる。自らが唱える「戦後レジームからの脱却」を実践しているのである。言葉による戦後の(外交)戦争を戦っているとも言える。

これに対して、前回のブログで指摘した大手メディアの社説は、そうした観点がわからず、いつまでも米国が戦後日本統治のために築いた「言語空間」の中に居続けようとする。

戦後70年たっても変わらない。だから「ガラパゴス化」だと書いたのだ。

安倍首相はバンドン会議の演説をこう締めくくっている。

<直面する様々な課題を解決するために、私たち、アジア人、アフリカ人は、結束しなければなりません。(アジア、アフリカの)素晴らしい多様性を大切にしながら、私たちの子や孫のために、共に平和と繁栄を築き上げようではありませんか>

日本の国力とそれに基づく世界での責任を自覚した、前向きで、積極的な演説である。こういうリーダーの声に、日本の若者の士気と活力は高まる。

未だに70年も前のことにこだわり、「反省」だけでは足りない、「謝罪」や「おわび」をはっきり言わねばならない、などとうじうじしている各紙の社説に比べ、はるかに建設的な内容である。

安倍首相は、このままの路線で米国議会でも演説し、夏の戦後70年談話につなげてもらいたい。





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Last updated  2015.04.25 10:44:13
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