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ことりんのスマイル

ことりんのスマイル

ICU

「ICU」


ICUの面会時間は午前10時~午後4時と午後6時~午後10時までの間に、30分ずつ、一日合計3回まで面会が出来る、という風になっています。
私は大体、朝イチに1回、午後1時~2時頃に1回、それから夜時間ぎりぎりまで1回という形で入室していました。
待合室のインターホンを押しても、すぐに入室できるとは限りませんでしたが、(処置中だったりもするので。)その間は、他のご家族と話したりしていました。

苦しそうにはしていたし、熱も高かったりして唇が腫れてがさがさにただれていたりともちろん辛い事には変わり無かったのでしょうが、日・一日とだんだんつながれている物が減ってきて、少しずつ琴音も反応したりするようになってきました。

一番笑ってしまったのは、OPE後、酸素マスクをしながら琴音が喋った最初の言葉が、「ちゅちゅ(おしゃぶりちょうだい、の意)・・・。」だったことです。
もともと琴音はおしゃぶりが必須アイテムで、辛い時や不安な時におしゃぶりをしているといくらか紛れる子でした。
それにしても、この状態で「ちゅちゅ」とはかなり大物かも。看護婦さんに話したら酸素マスクをしたままおしゃぶりをさせてくれました。(こんな子今までいたかなあ?)それは可笑しくもあり、切なくもありましたが・・・。

週明けに撮ったCTの結果が出た後、主治医からICUでムンテラを受けました。
腫瘍を摘出した場所はぽっかりと穴があいて、水頭症は改善されましたが、術後間もないので出血した部位が画像に映ったりして、画像はいまいち分かりづらい状態でした。
先生によると、「手術も踏まえて、所見ではほぼ間違いなく髄芽腫だか、CTでの見え方が髄芽腫の典型的なものとは少し異なる。」との事でした。
髄芽腫でなかった場合、何が考えられるのかと聞くと、「上衣腫」か「神経膠腫」のどちらかだが、上衣腫はCTで見ると石灰状の粒が点在するのが典型だが、琴音には見られないので可能性は低い、とおっしゃいました。

最初の告知の時、髄芽腫についての事はいくらか説明を受けましたが、それ以外の種類の物の事は全く分からなかったので、何が違うのか聞いたところ、「髄芽腫は化学療法に有効性が期待できるが、残り2つは劣る」との答えでした。

その後、帰宅してから先生の示唆した3つの腫瘍について調べてみましたが、髄芽腫というのは悪性度が高いが治療に有効性があり、上衣腫は悪性度は若干低めだが、治療の効果はあまり無く、そして神経膠腫は「脳幹グリオーマ」という、脳腫瘍の中で最も予後不良の悪性腫瘍であるということが分かりました。
ほぼ間違いなく髄芽腫といわれているし、脳腫瘍と診断された以上、どうもこうもないのですが、せめて神経膠腫ではない事を祈るばかりでした。
(ここでいう「神経膠腫(グリオーマ)」というのは「脳幹グリオーマ(脳幹部神経膠腫)」の事を指していますが、大別すると「神経膠腫」というのは大まかな分別で「上衣腫」、「星細胞腫」なども「神経膠腫」に含まれます。)

ICUに入って4日目頃から、琴音はもぞもぞと動くようになってきました。端や咳が喉にからむのが気持ち悪くて動いているようでしたが、やっと力が出てきたのが、嬉しくもありました。この日から眠剤がSTOPになりました。

そしてICU5日目の10月11日、琴音はICUを出て、脳外科の病棟に戻る事になりました。


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