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日本史上最強の柔道家で“鬼の木村”と称された木村政彦の評伝を読んだ。 彼の生い立ちから学生時代の師・牛島辰熊との猛稽古で造り上げた岩のような肉体&研鑽された技術 それは他の選手を圧倒し、冒頭のように無敵だった戦前。 全日本選手権三連覇 天覧試合優勝 「木村の前に木村なく、木村の後に木村なし」 そう称えられた。 しかし、戦後GHQの介入でプロ転向を余儀無くされ、講道館から排斥される。 しかし、ブラジル遠征でグレイシー柔術の開祖・エリオを圧倒し、決め技となった必殺の腕緘。 (腕が骨折した状態でもエリオはギブアップしなかったという) 後に“キムラロック”として語り継がれた。 同じ頃プロレスラーとして売り出し中だった力道山のパートナーとして、シャープ兄弟と戦うも“所謂負け役”扱い。 さぞ悔しかっただろう。 そして力道山との一騎討ちが組まれたが、猛烈な打撃でKO負け。 様々な書籍で検証されたが“力道山のブック破り”が有力。 当初“引き分け”として念書があったが力道山側は出さずに、よりによって試合後に暴露した為、 木村の権威は完全に失墜した この時リングサイドに居た後の極真会館総裁・大山倍達が激怒して、力道山へ対戦を迫るが完全無視 大山は「崔 永宣=チェ・ヨンイ」なる在日朝鮮人。 「同胞同士の対戦はさせるべきではない」 周囲の関係者が必死に止めたという。 後日談によると力道山側からの謝罪で"和解”したのだが、結核に苦しむ妻の治療費を捻出する為だった。しかし、違約金は殆ど支払われず・・・ 柔道経験者の筆者は木村側の視点で様々な格闘家に取材を試みているが・・・ 「木村先生は騙された事を悔やんでる。"真剣勝負”なら絶対負けてないです」と力説するも、 「そんなに悔やむなら、下らないリングに上がらなければ良かった」と一蹴。 この筆者の取材力は凄いと思うけど、プロレスを露骨に軽視してるのが腹立たしい。 「プロレスだから、勝敗は問わない」そう書いてるが、プロレス側の証言者は暴露本を出した元新日本のミスター高橋のみ。 「あれだけゴツい身体で殴る蹴る、投げ飛ばして頭を強打するお約束」ってある 三沢光晴はリングの事故で亡くなってるし、ハヤブサ&高山善廣は頸の大怪我で半身不随の障害者になった・・・ この本の冒頭で木村の愛弟子・岩釣兼生の全日本プロレス入団交渉の様子が書かれている。 条件はほぼ内定し「覚書」も出来て、後は契約書にサインするだけだったが・・・ 岩釣側は「デビュー戦はジャイアント馬場で、岩釣に勝たせる事」を要求。 木村が極秘に岩釣を鍛え上げ"力道山の弟子である馬場さんをセメントで潰す復讐”を考えていたのだ。 当然馬場さんは激怒し、入団は白紙撤回 その過程で、温厚で知られる馬場さんがすごく尊大&イヤ~な人物に描かれてる。 この結果、全日本は同時に検討していた大相撲の西前頭筆頭・天龍源一郎を獲得。 後に天龍は「馬場&猪木からフォール勝ちした唯一の日本人レスラー」 全日本の「三冠ヘビー」、新日本の「IWGPヘビー」を戴冠した初の日本人。 数々の偉業を成し遂げたプロレス史に残る大スターになっていく。 筆者の木村に対する想いは判るが、そんなに格闘技は崇高か 日本古来の武道が素晴らしい事は認める。 だが柔道・空手・ボクシング・相撲も“不正&八百長”が横行してるらしいし、 PRIDE&RIZINの総合格闘技も所謂“格闘ショー”である。 その証拠がヒクソン・グレイシーに子供扱いされながら、UFC王者マーク・コールマンに"一本勝ち”した高田延彦 高田も事ある毎に自分のベースであるプロレスを否定し、総合格闘技至上を唱えるが、 彼の白々しいマイク&塩パフォーマンス見てると、寒気がしてくる。 因みにアントニオ猪木に負けたウィリアム・ルスカ、コールマンの妻も木村同様の理由らしい・・・ 46年後、柔道出身の小川直也が同じようなブック破りで橋本真也をボコボコにした件を、この筆者はどう思うのか おそらく"プロレス上のアングル”と吐き捨てるかと。 さて、力道山に話題を移す。 「日本プロレスの父」として国民的英雄扱いで、本名:百田光浩が一般的なデータだが、 実際は「金 信洛=キム・シラルク」なる在日朝鮮人。 大山倍達が在日である事を比較的早く公表したのに対し、力道山は徹底的に秘匿し、周囲も気付かなかった。 当時の映像を観ると、日本語はかなり流暢である。 相撲廃業後に支援したヤクザ・新田新作&興行面をサポートした大物プロモーター・永田貞雄も、あっさり見限る図々しさ 新弟子時代のアントニオ猪木、同胞の大木金太郎への異常なまでの体罰。 そして件の木村を騙し撃ちするなど、謀略家でもある。 その最後はナイトクラブで"足を踏んだ、踏まない”で揉めたヤクザが懐中に手を入れた途端、 刃物を出すと思い、急に謝り和解を申し出たが「俺にもメンツがある」と拒否。 そこでボコボコに殴る(未だに後遺症があるらしい)も、腹部をに刺され緊急入院 傷はほぼ完治していたが、腹膜炎の食事制限中、寿司&酒を飲食したのが患部に触って容体が急変し、数日後に死亡。 だが、その死にも諸説あるのだ・・・
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Last updated
2019.10.28 11:05:24
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