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カテゴリ:ことばの処理
Reuters,新しいCalais Webサービス向けにAPIを公開 らしい。セマンティックウェブ時代へ向けてという感じか。まあ、炉板のようなコンテンツを持っているところがやり始めると俄然説得力が出てくる。自分だけでやっても、あんまり盛り上がらないだろうから、皆でやろうよぉという感じか。タグ付けはうちがやるからさぁ、という誘惑わくわく。
さて、こういうコンテンツの有力な企業がこういうことを始めるとどうなるか見物。
賞金がちょっと安いんじゃないかいというところが、あれだが。とりあえず、うまくいくかこっちの方向に踏み出してやってみませんかというお誘いと考えてみれば、まあ、そんなものなんじゃないかと。 Jumpstarting Calais Powered Applications を見ると、「"a" buying company "b" 」のようなブログの記事に対して、"Acquisition", "Company A", "Company B" のようなタグを提示するとか、ブログの記事からセマンティックタグクラウドを生成するとか、ユニークな識別子(GUID)をつけて RSS に組み込むだとかいった機能を持つ WordPress のプラグインが最初のコンテストでは求められているようだ。 こういうのを公開するということは、そのうちロイターのニュースはセマンティックウェブ化するのは確実な方向性としてあるのだろう。どれだけ直近でやるかというのをこのサービスがどれだけ受けるかというところで探ろうとしてるんじゃないだろうか。そして、ロイターのニュースとブログとを繋いでいく方向も考えられる。 The Calais Web Service Roadmapを見ると、R3 July 2008 で日本語とかも対応するらしい。ということで、日本のニュースメディアも負けずにやって欲しいなぁと。一般の人は 日本語係り受け解析器 Cabocha 0.60 pre2 ちょっと使う でちらと書いた Cabocha とか 日本語構文解析システム KNP 使えば、辞書の問題はあるけどある程度実験できるんじゃなかろうか。 サービスとしての真価が試されるのは、R4 あたりからか。スクレイピング的な要素が入ってきているか。セマンティックタグに対応していないサイトでもスクレイピングしてタグを付けて利用するなんていう方向になってくると、セマンティックウェブの流れも加速してくるかな。
最終的にどうなるんだか別として、ロイターは87億ポンドで、トムソンによる買収を受諾 - 英国 で
なわけで、金融情報・データ市場では優位になるとして、ロイターの野望としては、金融分野+αのところをもっと拡大したいとかあると思う。つまり、コンシューマーへの切り込みをさらに進める。これはすでにロイターのウェブサイトの存在感を考えてみれば、明白。以前は、ポータルサイトなどへのニュース配信(たとえば、Goo でも Yahoo! でもなんでも)がメインだったのに対して、この1年間で独自のサイトの存在感を上げる方向にある。ページビューはおそらんくこの1年でかなり上がっていると思う。 コンシューマーに強くなることで逆にプロユースの情報も爆撃力がさらに上がる。 ロイターはコンシューマー向けには経済のスポーツ新聞といった感じで刺激的なタイトルの記事を出してくる。日本経済は景気の下振れリスク高まった=大田担当相、 株式こうみる:日本株は業績というサポートを失いつつある=いちよし証券 高橋氏、インタビュー:世界経済安定に日本がとるべき政策は金融緩和など=自民元幹事長。 スピード感と刺激の点で良い線を行っている。この半年、売り煽りすごすぎんだけど方向としては間違っていない感じだった。でも、徐々に刺激は刺激、中立は中立という感じになってきた。たぶん、刺激でトラフィックを集めるところから、質に変化してきているところもあると思う。例えば、asahi.com の 「基本的には利上げの方向」日銀・西村審議委員 と ロイター すべての選択肢を排除しない=金融政策で西村日銀審議委員 と比べてみる。どっちが判断を誤らせないか。 利上げがないときに、基本的に利上げの方向なんていうのを書くのは大本営発表的だと思う。日本人なら「には」の意味をくみ取ってくれってところなんだろうが、水野審議委員が利上げの手を下ろしてるときに、利上げという言葉をわざわざ持ってくることもあるまいに。ロイターは市場の want に近いことを書いている。朝日新聞は日銀の want を書いている。日銀の want は市場と今隔たりがある。市場が比較的利上げに同意しているときに利上げできなかったのは痛い。ちなみに煽り好きのロイターでも「利下げの可能性」までは書くことができないので、排除しないという臭わせ方に止めたという感じがする。 やっぱり、日銀発表の 西村審議委員記者会見要旨 をちゃんと見てみるか。生の読んだ方がおもしろいね、これは。誘導質問うまいというかなんというか。
なんて言わせる方向に質問が持って行っている。誘導尋問。 リセッションライク、リセッションライトwの可能性は否定しないですか。 普通に読むと、現状、利上げはしない。利下げもしない。現状維持。中長期では利上げ路線はまだ崩れてはいないけど、足踏み状態は否めない。ちょっと弱気虫はいる。だから、意地でも利下げしないとまでは言わない。将来的に利下げの可能性が明確にないとは言わない。 長期的に見て弱いとか言えるような状態にはないって感じだけど、やっぱりこの閉塞感の打破のためには、中小企業の調子が良くならないとダメね。中小企業の悪化が進んじゃうと、経済指標よりもリセッション感が強くなる。日銀がリセッションとは言えない状況でも、実感としてはリセッションになる。日銀がリセッションライトという状況になれば、下々は完璧なリセッション状態だろう。 しかし、経済の記事でロイターと朝日新聞を比較するのは残酷か。それにしても朝日新聞は日本の新聞なんだから、ついでに熊本の話とかも少しは取り上げてあげればいいのに。地方経済を気にしているんだったらさぁ。格差が問題なら、まずこういうときに、ちゃんと利上げだ、利下げだって話だけでなくて、一言でも熊本の話を出してあげればいいのに。新聞と違ってウェブサイトではスペースにそれほどこだわる必要もないわけだし。利上げの可能性が低いときにそんな記事書くならさあ。 なんていうのはさておいて、ニュースメディアがセマンティックウェブの中心地となるように手を挙げたというところが、とっても興味深い動き。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
Last updated
2008.02.02 02:24:07
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