史上最もテンポの良いRPG
僕は以前、Kindleで出している電子書籍の中で、「ゲームで 一番大事なのは テンポである。」といったことを書きました。▼エクセルで作ったゲームを解説してみた。: 〜プログラミングのしくみとゲーム作り〜 (にかとま、2019)そしてついに、ネット上で、史上最もテンポが良いと思われるRPGを見つけてしまいました。それは、プロジェクトEGGが配信する、30年前のゲーム。『ドラゴンスレイヤー 英雄伝説』です。▼プロジェクトEGG PC98版【中古】MSX2/MSX2+ 3.5インチソフト ドラゴンスレイヤー 英雄伝説[2DD版]プロジェクトEGGはレトロゲームを現代のパソコン上で動くようにしたもので、30年前のゲームが多数配信されています。(有料。だいたいのゲームは500円。)僕は高校の頃に電子研究部というところでパソコンのゲームをやったり、ゲームを作ったりしていました。その頃のゲームです。「英雄伝説」は、PC88やPC98,MSXで発売されていました。なつかしい!僕はこのゲーム自体はやったことはありませんでした。ただ、大学時代、サントラを中古CDで手に入れて聴いた際に、印象深い曲が多かったので、ずっと気になっていたのです。ゲームというと教育の目の敵にされることも多いのですが、ゲームの持っている魅力から学ぶことは、教育にも応用できることが多いです。今回は、テンポの良いゲームの持つ工夫を具体的に紹介しますので、子どもたちが熱中するしくみ作りに生かしてもらえればと思います。このゲーム、テンポ重視の今のスマホゲームに移植しても、十分通用すると思うなあ。★『ドラゴンスレイヤー 英雄伝説』のここがスゴイ!・全体的にテンポが良く、次々にストーリーが進む。・基本は勧善懲悪の王道的RPG。・主人公たちの基本情報は、ゲーム中常に、画面右側に表示され続ける。とにかく分かりやすいシステム。やはり、「分かりやすい」って大事です。・重要なイベントでもメッセージ量がさほど多くなく、読むのがつらくない。・オート戦闘で、呪文を使う・使わないなどの設定が簡単にできる。・戦闘に負けた時のペナルティが全くない。街に戻ることもできるし、何度でも戦闘をやり直すこともできる。・レベルアップの時に上がる能力値の振り分けを自動にすることもできるし、手動にすることもできる。ユーザーが自分で決められる自由度を確保しつつ、面倒な作業はオートで勝手にサクサク進行。 ゲームに限らず、日常生活でもそんなふうになれば、夢のようなくらしになりそうです。・レベルがサクサク上がる。・レベルが上がると、HPとMPが自動で回復。・冒険のルートは、ほぼ一本道で、さほど迷わない。・アイテムを使えば、街や城、ダンジョンなどのマップが表示されるので、攻略本がいらない。エラーレスラーニングかと思えるほど、失敗しにくく、失敗からの復活がしやすくなっているシステム。失敗を気にせずに突き進むことができます。・武器や防具は、新しいものを入手して装備すると、一気に能力値が上がる。・敵が落とすドロップアイテムには莫大なお金や経験値に匹敵するものがあり、当たるとかなりうれしい。・通常攻撃よりも遙かにダメージ量の多い「会心の一撃」が頻発する。(「運の良さ」を上げると出やすくなる。敵が眠っていると全て会心の一撃になる。)通常の値に比べてドーンと高いボーナス値が出ると、気分は一気に高まります。その「気前の良さ」たるや、おそらくほとんどのRPGを軽くしのぐと思われます。 こんなに気前のいいRPGは、やっていて、楽しくならないわけがない!・サークルの雑談かと思うような笑いのある会話が随所に見られる。・エンディングの後は軽快な音楽に乗って登場人物たちの寸劇が見られる。開発メンバーが楽しんで作っていたことが伝わってくる。最後ですが、やはりゲームを提供している側が楽しんでつくっているのが伝わってくる、というのが、何より大きなポイントです。 ゲーム以外でもそうですが、何かを提供するなら、提供する側が、まず楽しまないといけませんね! 楽しさは、伝染する!!久しぶりに面白いゲームにめぐりあいました。プロジェクトEGGだと、どこでもセーブ機能があるので、もとからめちゃめちゃテンポのいいゲームですが、さらにテンポ良く遊べます。操作はキーボードでおこないますが、コントローラーを使った方が、格段に操作しやすいです。僕は、ドラゴンクエストXをやっていたときに買ったコントローラーを久しぶりに使いました。たまには、シンプルなレトロゲームをして、昔を懐かしみながら、時代が変わっても普遍的な「楽しさ」について考えるのも、いいものです。