あるさんぱつやさんの教育観
家の近所のさんぱつ屋さんに1年ぶりくらいで行きました。そこで散髪してもらった後、教育というか子どもの話を1時間半くらいしてました。そこ(イシオカさん)は、障害のある子の散髪も積極的に受け入れていて、そういった話から、ご自身の姉妹の子に関する話まで、たくさんのエピソードを語っていただきました。・障害のある子や小さい子はいろいろさわりたがるし、 興味を持って動き回るが、危ないもの以外は「さわっていいよ」と保護者にも言うてる。 他のさんぱつ屋では動き回ってたら「迷惑や」と首根っこつかんだりということもあるようだが、子どもは安心したらそれからはおちつく。・はさみやかみそりは危ないモンやけど、自分の子の場合には自由にさわらせている。 子どもは一度危ない目にあったら、それからはさわらへん。 「これは痛いモンや」と学習する。・あらかじめ禁止するんやなくて、学習させたったら、 してあかんことは次からはせえへんもんや。 「熱い」いうのんもさわってはじめて「熱い」てわかる。 「痛い」いうのも経験したらわかる。・子どもは時間かかるし、 動き回ったらその動きにこっちが合わせなあかんし、 料金も安いし、 商売的に言ったら、リスクが高くて、もうけは少ない。 でも、「ここは安心できる」と本人がわかったら、おとなしくするようになる。 最初のうちは子どもはどういうとこかわからへんから、 落ち着かなくて半分しか刈られへんかったり、 全然刈られへんかったりすることもある。 でも、そういうときは料金はもらわずに、「夕方おちついたらまたおいで」とか 「明日またおいで」とか言うてる。 「ややこしいからうちではおことわり」と邪険にするさんぱつ屋がようさんあるようやけど、 うちはそうやって言われた子を受け入れて、 時間かけてなじんでもらって、だんだん 「さんぱつ屋いうのはこわいもんやないなあ」 ってわかってもらったらいいと思ってる。・偏見で見たり差別するようなことだけはないように、 自分の子にも勉強なんかよりそういうことを教えてきた。 ドラマで「タイヨウのうた」※ (※太陽の光(紫外線)を浴びることが死へとつながる病気を持つ人が出てくる。 http://www.tbs.co.jp/taiyounouta/) 「1リットルの涙」※ (※元気に普通に過ごしていた高校生が難病を発病し、弱っていく姿を克明に描く。 http://www.fujitv.co.jp/b_hp/tears/index.html) などを子どもが幼稚園の時期であっても見せたりしている。 障害のある人にやさしくするとか、 そういうことは当たり前にできるような子に育っている。 学校の読書感想文で「1リットルの涙」を見た感想を書いた子もいた。 その子は本は読むのがきらいな子やったから、それでいいと思ってた。 ただ、ドラマに興味をもってから、その小説を目に見えるところに置いておいた。 そしたら、興味はあるから、1回はその本をひらく。 すると、字ばっかりや。 そこで、おかんが読んでやったりとか、「わからへん漢字は聞きに来い」とか、 そういうことを言っておいたら、よう人に聞く子になった。・万引きしたり、けんかしたりして子どもが帰ってくると、 祖父がまず「どうやった?」と聞いていた。 万引きの場合、「ばれへんやったんか」と聞く。 「ばれへんやった」と子どもが言うと、 「ばれへんやったらいい。」といったん言った後で、 「もしばれてたらどうなったか。親や先生に連絡が行く。 お前の母さんがあちこちにあやまりにいかなあかん。 なんで自分がしてへんことであやまらなあかんかいうたら、 お前が「我が子」やからや」 と、淡々とていねいに話す。 すると子どもは「今からとったもん返してくる」と自分から言うた。 「ほならついてったろ」と祖父はついていった。 この後その子はもう万引きはせんようになった。 けんかの場合は、負けたときは 「もう一回行ってこい」と言うた。 勝った時は、 「負けたモンの気持ち考えてみい。 お前も負けたことあるやろう。 今頃くやしくてないとんちゃうか。 明日会った時どうする? お互い気まずいんちゃうか」 と淡々と話す。 子どもはそれを聞いて「今のうちあやまっとくわ」と自分から言う。・やくざ映画とか子どもに見せへんいう家が多いけど、 うちは子どもが見たがったら別に見せる。 「こういうのがかっこええ思うんやったら、なったらええ」と言う。 やくざでも教師でもさんぱつ屋でも、 どんな職業でも大なり小なり苦労があるもんや。 また、ひとりひとり見たら、どこかにその人なりのやさしさをもってる。 そういうのを見んと、ある強烈な一面だけを見て 「この人はこわい」とか判断するもんやないと言うてる。 ただ、人に迷惑かけたらどうなるか、警察につかまった後どうなるか、 人生どうなるかといったそういう話はめっちゃよう聞かせる。 そのうえで、子どもが「なりたい」いうような自分になったらええと思う。こういうような話を聞いて、大事なんは、あらかじめ子どもを守ることやない、「こういうことしたらこうなんで」「そういう人の事情は、こういうようなこともあるねんで」と情報をしっかり与え、そのうえで、「でも決めるんはお前や」と決定権は子どもに与えることやと思いました。う~ん、今回は関西弁ばっかりになってしもた。。。(^^;)でも、こういう話が聞けたんは貴重やとおもいます。こうやって身近なところでしっかりとした考え方をもってやってはる人の話を聞くのもとっても勉強になるモンです。