理系一筋夕子のブログ

「恐竜など可動式に作る話など」

村松「いきなり会議に入るの ? 」
私「あら、パワフルな送話の言葉ね」
村松「そういう意気込みじゃないけど・・・とにかくプテラノドンの設計図さがそうとして疲れた」
私「やっぱりなかった ? 」





村松「うん。捨てたような気がするな」
私「ああ、残念 ! 実物現存しないティラノサウルスの設計図が残ってるなんて皮肉ね」
村松「恐らく『恐竜境』のせいだ。去年いや、おととしかな、アトリエに紙切れが散乱してメモ用紙にしてもまだひどいから、燃えるゴミに出すことに決めて、相当数捨てた。その時チラと見た気がする。もういらないと判断したのが失敗だったな」

もちろんこの時私は既にメールに添付されたプテラノドンの画像を見ているので、このブログ会話はかなり順序が脚色というか、入れ替えされているのですが、不自然なところは読み流して下さい。



村松「俺の頭の悪さと不器用をさらしたようなもんだから、あんまり気が乗らない・・・って言ったら悪いかも知れないけど・・・」
私「ううん、あたしいつも味方してるばかりのワンパターンみたいに見えるかも知れないけど、これ頭部だけでもずいぶんいい動きしてると思うわよ」



村松「でも頭部から胴体、足全部、上下動しかしない。何しろハリーハウゼンの『恐竜百万年』の翼竜のバタバタッっていう豪快な羽ばたきをイメージしたからね、細かい動きは考えなかった」
私「言われてみると、プテラノドンっていうのは、頭部の左右の動きは目立たないような印象かしら。あ、じゃあ、翼は可動にしてあるの ? 」

村松「うん、左右の翼にそれぞれ二箇所、合計四箇所にネジを取り付けてある」
私「あなた、これ全くの自作にしては凄いわよ」
村松「そうかね。器用な人はボール・ジョイントって言って、あらゆる方向に接合部を動かせるのを作るからね。あ、例の二人の主役のフィギュアにその動きをするのがある。俺は直線的動きしか作れなかった」

私「いいえ、そんなことないわよ。フィギュア人形はプロの製品でしょ。あなたの、たとえ直線的でも、動きに柔軟性があるじゃない。まずクチバシが開閉出来るでしょ。それから、頭部全体が上下に動くわね」

私「あ、よく見るとこれ頭が上下に動くだけじゃないわね」
村松「え、そうなの ? 」
私「あなたが作ったんでしょ ? 」
村松「写真だけでよくわかるね」

私「ううん、間違ってるかも知れないわよ。でもね、この翼竜、頭の上下の動きが大きいように見えるのよ。下を向く時は、アゴが思い切って引けてる感じがするもの」
村松「お前さん、たいしたもんだなあ。作った俺が忘れてるのに」
私「でも、やっぱり若さと熱気を感じるわね。クチバシが大きく動くようになってるの見るだけでも、そう思うもん」



私「・・・。ねえ、イヤなら仕方ないけど、このプテラノドンの模型の首のところのスポンジをはがしてズームかマクロで撮影して送ってくれる ?
あのこれは特に画像掲載はしなくていいから。・・・どうしたの ? 」
村松「ん ? 今ね、スポンジはがしてんの。ちょっと可哀想な感じがするけどね。
♪　わらにまみれてヨー、育てた栗毛、と。あ、ヘタな歌、うるさい ? 」

私「いいわよ。でも器用ね、受話器持ちながら」
村松「ううん、受話器ね、造型のために買ってある特大の輪ゴムで顔に取り付けてんの。アハハ、『おれは鉄兵』の東台寺学園の入試みたい。ちょっと痛いけどね。二番いっていい ? 」
私「いいけど、受話器大丈夫 ? 二階の、子機じゃないでしょ」



村松「そう。子機ならもっと行動範囲が広くなるのに、二階が親機になっちまったから。ああぁ ! 」
ガラガラッ !
私「もしもし」
・・・やや空白・・・
村松「あ、失礼しました。今受話器の線が本体を引っ張り過ぎて、本体落っこちそうになってね、何んとか食い止めたとこ。本体、床(ゆか)に置いたから今度は大丈夫」

子供を相手にしてるようで、ちょっと疲れますが、受話器の向こうでは本人が懸命にスポンジをはがしながら歌を歌っているので、耐えるしかありません。

村松「♪ 俺が泣く時ゃヨー、お前も泣いて、ともに走ったヨー、丘の道、あーああああー、あ、こないだ言いそびれたけどね、ここね、『オーラ、オーラ達者でナ』って言葉がダブるんだよ。これ一人でやるとまず困難を極めるね。ちょっとチャレンジするね。あーあああ、オーラオーラ達者であーあああオーラオーラ風邪引くな、ああ風邪引くな、離す手綱が、ふるえふるえるぜ」

何んか、一番と二番がごちゃ混ぜになってる気がしますが、本人も集中するものが別なので聴き流しました。

私「ね、出来た ? 」
村松「ちょっと一度に電話と作業と歌とで疲れちゃった。あ、ようやくアルミ板が出て来た。今から撮影するね。さてと、三脚どこへ置くかな」
私「あ、あのさ、あんまりきちんと写さないでいいから、鮮明にだけ写れば。でね、プテラノドンをあなたの回転椅子に置けばいいわ。それで三脚にカメラ固定して撮れば」
村松「あいよ」

・・・・・撮影、送信中・・・・・

私「ありがとう ! ねえ、悪いけど首の付け根のとこ触ってみて」
村松「あいよ。触ったよ。アカがついてるようで、俺きたないね」
私「ああやっぱり。あのね、プテラノドンの付け根のとこよ。ね、あなた眠くない ? 」
村松「大丈夫だよ。触ってみたよ」

私「どうなってる ? 」
村松「胴体と首の付け根のところにネジを取り付けている」
私「どっちが上 ? じゃなくてどっちが外側になってる ? 」
村松「胴体だね」
私「なるほど。じゃあ首と頭のところは ? 」
村松「頭のところが外側。でも、上あごと下あご、別々に作っていっぺんにネジでつないでるね」

私「だいたいわかったわ。さっきのティラノサウルスの骨組も参考になったみたい」
村松「何が ? 」
私「あなたのそのプテラノドンね、首は曲がらないのよ。首は胴体と頭と、それぞれネジでとめてるだけ」
村松「やっぱりヘタクソだね、だから画像アップやだったんだ」

私「違うの、首は頭と胴をつなぐただの板ってこと。それがよかったのよ。これで頭の上下動が大きいわけがわかったわ。ね ! 」
村松「え ! 俺は余りわからない」
私「いいわ。でね、あなた、機関誌作ってるころ、ブラキオサウルス造ったでしょ、今度の恐竜境にも使ったの。あれ、最近の学説か何んかに合わせて、首を胴体に平行に曲げたことあったでしょ」



村松「うん」
私「模型の芯に使った針金、折れてないでしょ」
村松「多分」
私「それとね、プテラノドンの首の部分も針金で作っても、無茶なことしなければ大丈夫ってこと。もっと言うとね、首は動かさなくていいみたいよ。そのぶん、・・・これ、あたしの個人的考えだから参考にするってことでいいわよ」








七色仮面フィギュアも針金の酷使はありませんでしたが、元は身体各部たった一本の針金から、そこそこ形の整った完成品になりました。

村松「うん」
私「あなた、首を可動式にする筒を作って、そのままでしょ、あ、もしかして壊しちゃった ? 」
村松「ううん、むなしく放置してあるよ」

私「それ、どっちかというと、胴体の心棒みたいにするの。で、針金に包帯や何んかを巻いてある程度太くした首の部分をその筒に取り付けるの。この時出来たら、・・・そうね、今度はあなたが買ったって言ったゴムなんかを巻きつけて、筒の中で回転可能にするのよ」
村松「首が回るってヤツだ。アハハ、借金なし」

(無視)私「いい ? それでね、首と頭の接合部にネジを使うようにするのよ。完成画面のアクションとしてはね、たとえば胴体の付け根が回転するから、首が回転するでしょ。それに加えて頭部が上下動するから、この二つだけでも、プテラノドンがこちらを向く動きを作れるの。居眠りしてるな。・・・聞いてる ? もしもし ! 」
村松「あぁ聞いてるよ。結局首が回るから借金なくて安心、あ、俺何言ってんだ。要するに俺のはいつまで経ってもヘタってことかな」
私「今回は画像アップも出来るだけしたいから、あとで簡単な設計図送るわね。あ、でもあたしの書いたのアップしちゃダメよ ! いい ? 」

村松「あい、了解」
私「じゃお休み」
村松「はいお休みなさい」
私「電話切らないな。どうしよう・・・。空襲警報発令、空襲・・・ダメか。・・・あなた、電気ストーブが燃えてるよ(当たり前ですが)。起きなさい ! 教室が火事よ ! 」

村松「うわあ熱い・・・くないか。あ、俺寝てたかな、ちょっと。ああ、何んか大切なこと教えてくれてたみたいけど」
私「いいのよ。またあしたの朝、お母さん通所でしょ。ね、あなた、もうこの電話終わったら寝なさいね。いい ? 返事 ! 」
村松「はい、寝るであります」