レパードタイガーのドラマ理論（上級）

　安子が妊娠したおかげで、牧野が綱吉のそばに返り咲いた。そのおかげで今までは柳沢の一声で決まっていたものが牧野の決裁がなければ動かなくなった。それで柳沢は安子の子を流産させるためにお伝に話しかけたりするなどの間接的な罠を仕掛ける。
　信子は育ちが悪いお伝が子供を産んだぐらいで祭り上げられたらおかしい。安子が子供を産むことに賛成している。安子自身は産みたくて産むのではないと言うが、信子が大奥の仕来たりを言う。人に笑われて泣き寝入りするか・勝って笑うかのどちらかだと。信子は勝つために常磐井の局（のちの右衛門佐）に大奥に入ってほしいとお願いする。右衛門佐は多額の報酬と高い身分を条件に受け入れる。高い身分は安子が綱吉に頼んだ。
　お伝は綱吉に跡継ぎを娘にしてほしいとお願いするが、綱吉に怒られ、生まれが生まれだなと侮辱される。お伝は呆然とした表情ののち悔しさを滲ませる。ここが印象に残ったシーンです。小池さんの呆然とした表情から徐々に悔しさを滲ませた表情に変わっていく姿は見事だ。
　そしてある宴から席を外した安子はお伝が細工した草履を履いて、階段から転げ落ちる。そのとき父の牧野が助けるが、牧野は怪我をする。安子の子は無事だった。その事件をきっかけに安子は言われた放題言われていたお伝にも言い返せるぐらいの逞しさが宿るのでした。
　安子も確実に強くなっている。そして信子には右衛門佐という味方がついた。これで役者が揃ったかなと。高岡さんがどう存在感を出せるか楽しみです。小池さん演じるお伝が今のところ目だっていますが、裏に操られ、利用される人に笑われて泣き寝入りする側に入りそうだ。内山さんはあいからずの存在感は薄く、物足りなさを感じる。しかし谷原さんを初めとする存在感のある役者に助けられて、主演の力量不足はあまり目立ってこない。