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2024.05.18
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カテゴリ:天文学


 日本とEUが2026年にもJAXA(宇宙航空研究開発機構)とESA(欧州宇宙機関)が宇宙開発で新たな共同事業を始める。
​ 共同事業の有力候補の1つに、2029年にも地球に約3万キロまで最接近する小惑星「アポフィス」の探査計画が挙がっている(想像図)。


​◎直径は310~340メートルでNEOとしては十分に巨大​
​ アポフィスは、20年前の2004年6月に発見されたばかりの地球近傍小惑星(NEO)だ。地球軌道のすぐ外側から地球軌道の内側に入り込み金星軌道付近まで近付く。公転周期323日、推定直径は310~340メートル、推定質量は1億2600万トン、とさほど大きくはない。しかしNEOに限れば、十分に巨大だ(写真=2021年3月に地球へ接近した際に観測されたアポフィス)。​



 6月の発見以来、世界の天文学者に追跡観測された結果、同12月のクリスマス・イブの日、NASAはこの小惑星が2029年4月13日(金曜日)に地球に衝突する確率を300分の1と発表し、「トリノスケール2」とした。このことは、日本のメディアでも取り上げられ、一時騒然となった。
 しかしその後さらに厳しく、衝突確率を1.6%(62分の1)と修正し、小惑星としては初めてトリノスケール4に引き上げた。ちなみにトリノスケールとは、地球近傍小惑星NEOが地球に衝突する確率、及び衝突した際の予測被害状況を表す尺度だ。

​◎一時は衝突確率が2.7%も​
 その後も各国で刻々と発表される観測報告101件を基に、同年12月25日、衝突確率を2.4%(42分の1)と修正した。2日後の27日には、衝突確率を2.7%(37分の1)と修正し、トリノスケールは4のままとした。
 ちなみに衝突確率2.7%とはかなり高い数字であり、衝突した際の予測される地球被害の甚大さから世界が騒然となったのはうなずける。
 ただ同日、新たに収集された観測報告に基づいて再計算が行われ、アポフィスは少なくとも2029年には地球に衝突しないことが判明した。将来的に衝突する可能性も、0.0038%(2万6000分の1)に修正された。これに伴い、トリノスケールは1に引き下げられた。
 ちなみにアポフィスと正式に命名されたのは2005年7月19日のことで、前記の観測報告は「2004MN4」と仮番号で呼ばれ、翌年、つまり05年6月24日に軌道が確定して小惑星番号99942が割り振られた。なおアポフィスとは、太陽を飲み込もうとするエジプト神話のヘビ神のギリシャ名に由来する。

​◎2029年最接近時は肉眼でも見える​
​ さて、問題の2029年である。不吉な金曜日の13日(4月)に、アポフィスは地球表面から約3万2500キロ離れたところを通過すると予測されている()。これは、約3万6000キロの衛星の静止軌道よりも内側になる。


 そうなると視等級は3.3となり、ヨーロッパ、アフリカ、西アジアでは肉眼でも観測できる。また、この接近でアポフィスの軌道が変えられ、本来属していた「アテン群」小惑星ではなくなり、「アポロ群」小惑星になると予想されている。
 なおアテン群小惑星とは、軌道長半径が1天文単位より小さく、遠日点距離が0.983天文単位より大きな軌道を持つ小惑星で、2021年4月現在、約2000個が発見されている。またアポロ群小惑星とは、地球より大きな、つまり1天文単位以上の軌道長半径を持つ地球横断小惑星のことだ。いずれも、NEOであり、潜在的危険性がある。

​◎今後80年間に18回も衝突懸念最接近​
 アポロ群になった後もアポフィスは地球につきまとう。7年後の2036年4月13日には地球に再接近する見込みで、それ以降も2042年から2105年の間にわずかながら衝突の可能性がある接近が17回ほど起きると推定されているが、2036年とそれ以後の軌道の正確な予測は困難だという。
 それでも、微小確率ながら地球に衝突する可能性は残るから、観測をゆるがせにできない。

​◎NASAの推測では衝突した場合は510メガトンの破壊力​
​​ NASAの評価によると、アポフィスが地球に衝突した場合のエネルギーは、TNT換算510メガトン相当とされている。510メガトンとは、途方もない衝撃破壊力であり、1908年6月30日のツングース大爆発や5月6日付日記(「4600年以上前、死海近くの古代都市に巨大隕石によるエアバーストが襲って壊滅か、『創世記』はその惨劇を伝えたのか」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202405060000/)の4600年前のタル・エル=ハマム襲来よりずっと大きいし、5万年前に衝突し、今もアリゾナ州フラッグスタッフ近くにバリンジャー・クレーター(写真は1万1000メートルの高空を飛ぶ旅客機から観たバリンジャー・クレーター)を残す隕石衝突をもはるかに上回る。
​​




 アメリカ東部に衝突すれば、東部の大都市群は壊滅するだろう。
 ただその頃には、地球防衛能力は完璧になっているはずだから、何とか衝突を未然に防げるはずだ。すでにDARTによる小天体の軌道を変える技術も手にしているのだ(22年10月19日付日記:「探査機DART、二重小惑星の衛星『ディモルフォス』に命中、周回軌道の変更に成功! 地球衝突の恐れの小惑星から回避へ」https://plaza.rakuten.co.jp/libpubli2/diary/202210190000/を参照)。

昨年の今日の日記:休載​






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Last updated  2024.05.18 06:10:29



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