山への情熱　音楽への愛

吾妻山公園で花・山・海の絶景を堪能した後、急な坂道を一気に道路まで下り、更に歩くこと２0分ほどで川匂（かわわ）神社に到着した。ここで13日まで「雛の吊るし飾り展」をやっている。川匂神社は里山の離れにあり、相模の国二之宮として延喜式にみえる静かな佇まいの古社である。特に期待もしないで来たが、入ってみてびっくり。入口から奥の参集殿いっぱいに隙間なく吊るし雛が飾られていて、空間のほとんどがその艶やかな色合いで埋め尽くされていた。こんなにたくさんの吊るし雛を見るのは始めてだった。二・三十個の手縫いの雛様を糸で一色線につなぎ、それを上部で直径40センチ位の輪に何本も吊るした物を1個として、それが何十・何百と吊るされて空間が色で埋め尽くされている。


　
一口に雛と言っても様々なデザインがあり、赤ちゃん、鶴、亀、神様、花などその多様性・豊かさにも驚いた。各家庭で工夫を凝らし、一つ一つ縫い上げ吊るしてきた貴重な雛だ。チラシのタイトルに「母から娘に伝えたいもの・・・」というコピーがあったが、まさに家庭の宝で一軒一軒異なるデザインと色彩だ。
 
また吊るし雛だけでなく七段飾りのお雛様や五人囃子など通常のお雛様も赤い毛氈の上にディスプレーされていてとても可愛く雅やかだった。世界の中でもこんなに緻密で美しい人形があるだろうか。家庭の宝であり日本の宝だと思った。素敵な吊るし雛とお雛様を見て何とも言えない豊かな気持ちになった。