142658 ランダム
 HOME | DIARY | PROFILE 【フォローする】 【ログイン】

ロンドン偏食生活・偏食通信

ロンドン偏食生活・偏食通信

【毎日開催】
15記事にいいね!で1ポイント
10秒滞在
いいね! --/--
おめでとうございます!
ミッションを達成しました。
※「ポイントを獲得する」ボタンを押すと広告が表示されます。
x

PR

Profile

偏食の嬢王様

偏食の嬢王様

Archives

2024/05
2024/04
2024/03
2024/02
2024/01
2009/08/14
XML
カテゴリ:偏食旅行記
この家は、ウィリアム・モリスが結婚して最初に住んだ家。

RH1

グリニッジの更に東にあり、いまは「ロンドン」市内で、
まわりは住宅地になっているが、

当時はもっと田舎で何もなかったに違いない。



ここに若いモリスと妻ジェイン、
そして4人の召使たちが住んでいた。

今は猫が住んでいる?!
RH4


モリスとその職人仲間の友人たちはいいところの
出身者ばかりだが、妻ジェインは下層階級の出身だった。


女主人のジェインの出自を誰も知るはずはないのだが、
ガイドさんの説明によると、

その「訛り(言葉遣いも含む)」から召使たちは
彼女の結婚前の階級が、自分たちよりも低かったことを理解し、
それなりの扱いをするようになったという。


また、娘二人を生み、幸せ一杯のはずだったが、
長女のてんかんやモリスの仲間たちとの創作活動の時間の長さに
ストレスを感じていたようだ。

それだけでなく、婦人科系の病気に罹り、ふさぎこむ日が続いたという。


それらの理由からジェインはこの小さくて愛らしい
Red Houseを嫌うようになった。

RH2

ガイドさんも言っていたが、夫婦の寝室は北側の
寒くて暗い部屋で、南側の明るい大きな部屋は、

モリスが仲間たちと創作活動を行う部屋だった。


意識的にか、無意識的にかはわからないが、
明らかにモリスは妻とのプライベートな生活よりも
仲間とのパブリックな活動に重きを置いていたのがわかる。


これが日本のように夫と妻は別、という考えもなく、
そういう社会背景もなく、また彼女自身も
工芸家としてモデルとして、創作活動に加わっていただけに、

だんだん家の中に自分の居場所がなくなっていくのを
ひしひしと実感していたのだろう。



人は大切にされてはじめて、自分に自信が持てる。


認められたい、という気持ちは生理的欲求の次に重要である。

だから彼女はどんなに倫理的に正しくないことだと
わかっていたとしても、優しくしてくれるロセッティに
走ってしまったのだろう。

庭には梨やリンゴの木も
RH3

私たちがRed Houseを訪れた日も、とても美しく晴れ渡った日だった。
目にもまぶしく窓から差し込む光は、私の中で、
誰にも見えなかったジェインの暗い心の内を際立たせた。


モリスはこの家を売って、ケルムスコット・マナーに移ったが、
後にも先にも、彼は家を買うことはなかった。


そこにウィリアムのジェインへの想いが垣間見れるような気がするが、
既に暗く閉ざされたジェインの心には届かなかったのだろう。

レッドハウスのシンボル、井戸
RH5

モリスからこの家を買った人は、やはり職人で、
パーティー好きで、多くの人々を家に招待した。

ちょっと変わった次の家主は1900年前後にこの家を訪れた人々の
サインを玄関ホールのはめ込み式ガラスに集めた。

日本人の書名もいくつかあるので、探してみては?



お手数をおかけしますが、コメント・感想は目次ブログにお願いします。





お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう

Last updated  2009/08/14 03:13:17 AM
[偏食旅行記] カテゴリの最新記事


Calendar

Favorite Blog

龍馬がゆく 神田龍馬さん
アスクル代理店つば… つばめやさん
ハマの内装業、せつ… せつこマ〜マさん
カントリー・パント… かおりけりーさん
aromafanヤ… aromafanヤスミンさん

Freepage List


© Rakuten Group, Inc.