irankarapte!
(アイヌ語:こんにちは)
石狩振興局地域政策課のミーシャです。
先週札幌市福井野中学校で第3学年生徒130人を対象に実施された
「Doはぐ」講習(避難場所運営体験)の取材に行ってきました。
※ 「Doはぐ」とは・・・
避難者の年齢や性別、それぞれが抱える事情が書かれたカードを、避難所に見立てた平面図に適切に配置できるか、また避難所で起こる様々な出来事にどう対応していくかを模擬体験。
石狩振興局防災担当職員より説明を受け、
皆さん一斉に避難所運営ゲームを開始します。
1グループ約10人ほどで話し合い
細かなゲーム設定条件のもと避難者の配置場所等を決めます。
〈ゲーム設定条件〉
・停電
・水道断水
・固定電話ときどき通じる etc.
〈校内で避難できる場所〉
厳しい設定条件のもと、
じっくり考える時間も少なく次々と避難者が来るため、
最初は戸惑いながらも、集中力を高めて
テキパキと避難者の避難場所を割り振っていました。
校内をよく知る生徒の皆さんだからこそ
できることかもしれません。
例えば、
避難してきた人のなかで乳児がいる家族は
子供の夜泣きが想定されるため、周りに配慮して別室へ。
インフルエンザなど病気の疑いがある避難者も
別室へ移し、早く治すためにストーブも配置するなど。
以下のようなイベントもありました。
【避難場所から災害用ポータブルトイレが4台提供されました。
どこに置きましょうか。】
男女2つずつ設置するところが多かったようですが、
写真のように男性1、女性3の割合で設置したグループがありました。
生徒の方に理由を聞くと
「女性のほうが大変で時間がかかるから」とのこと。
もちろん避難所設営の方法に『正解』はありませんが、
トイレの設置数については「女性3:男性1」の割合が適当と言われています。
これは、一般的にトイレにかかる時間が、
女性は男性の3倍の時間が必要になるからだそうです。
【参考】
避難所におけるトイレの確保・管理ガイドライン
スフィア基準
他には、
【ポータブルトイレが汚くなっているぞ!どうにかしてくれ!!】
→「雪を溶かして水にし、それで洗う」
(ゲーム内では断水かつ積雪している設定でした)
【中国人ツアー旅行客がきた】
→「荷物が多いだろうから奥に場所を取ろう」
約1時間の時間のなかで
各グループが様々な課題に対し、
周りのことをよく考え、意見を出し合い、
しっかりと話し合っていました。
災害は起きないことが一番ですが、
近年、各地で災害に見舞われている日本では、
防災への意識向上がとても重要となっています。
今年9月の北海道胆振東部地震では、ライフラインが一時停止しました。
今もなお、避難されている方々もいます。
『まさかは必ずやってくる』
今回この「Doはぐ」に参加した生徒の皆さんの経験は
大人になってもきっと記憶に残っているはずです。
今後も、各地でこの「Doはぐ」の取り組みを続けることは
いつ起こるかわからない『まさか』の備えに繋がります。
避難所運営は避難者による「自主運営」が基本となるので、
このブログを読んでくださった皆さんも
まずは一度、『Doはぐ』を体験してみてください。
福井野中学校のみなさんありがとうございました!
※管内へのDoはぐの貸出は石狩振興局地域政策課で行っております。
また、Doはぐの講師も紹介していますのでお気軽にご相談ください。
北海道石狩振興局地域創生部地域政策課主査(防災)
TEL:011-204-5818
http://www.ishikari.pref.hokkaido.lg.jp/ts/tss/dohug.htm