動物の冬眠については以前から不思議に思っていた。
まず、冬眠時の体温などは次のようになっている。とっても不思議なことだ。
(以下、「人工冬眠」への挑戦:市瀬史;ブルーバックス による)
リスの場合
(通常) (冬眠時)
体温 37~39℃ 2~10℃
心拍数 200~300回/分 3~5回/分
呼吸数 100~200回/分 4~6回/分
代謝率 100% 2~4%
熊の場合
(通常) (冬眠時)
体温 37℃ 30~34℃
心拍数 50~60回/分 5~8回/分
代謝率 100% 25~50%
熊は、飲まず食わずで100日間にわたる冬眠をする。その間、排尿も排便もしない。
このことの秘密は、熊の体に備わった特別なリサイクル機能にある。熊は、エネルギーやタンパク質、カルシウムをリサイクルすることができる唯一の哺乳類だと考えられている。
また、冬眠する哺乳類の超能力として次のことが挙げられている。実に不思議だ。
1)長時間の低体温に耐えられる
冬眠する動物では、まず0℃前後の体温になっても死なないことが驚異だ。普通の動物なら、そこまで体温が下がる前に完全に死んでしまい、蘇ることはありえない。
2)虚血再灌流障害を起こさない
虚血再灌流障害とは、「血液が不足していた臓器や細胞に。急に血流が再開することによって、臓器や細胞が傷害されること」です。これは、心筋梗塞などの治療後などに再び血液を再灌流させる場合に問題になるのですが、冬眠から覚めるリスなどでは、短時間の間に劇的に血流が増えるのに、組織の障害を全く起こさない
3)筋肉が萎縮しない
私たち人間が病気で寝たきりになっているとその間に使わない足などの筋肉は急速に衰えて萎縮してしまう。これを廃用萎縮と呼び、長時間の無重力状態で生活する宇宙飛行士でも問題になること。ところが、冬眠中の熊では、筋肉の廃用萎縮がほとんど起こらない。
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Last updated
2009.05.17 10:00:18
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