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カテゴリ:試写会
17日、昼に東銀座のUIP試写室で「トランスフォーマー」(レビューは近日中アップ予定)を見てから大急ぎで雨の中、有楽町のよみうりホールに向かう。
私は普段、同じ作品の試写会が重複して当選場合は家族や知人に譲ってしまうのだが、「クゥ」はもう一度見たかったので今回は自ら試写会に行く事にした。 開場時間は18:00、私が会場に到着したのが18:15頃、1100人の客席の一階席は満席で、二階席に向かう。 まだ二階席は6割ほどの客入りで中央の後ろ付近の席を確保。最終的に客入りは天候の不順も影響したのか8割ほどで多数の子供たちが来場している。 主権はJR東日本。 映画の話は前回書いたので割愛して映画の感想。ややネタバレあり。 先ほど見たガチャガチャうるさい「トランスフォーマー」とは打って変わり静かなオープニング。 真っ暗闇の川原、蛍の光の中、親子の河童が座っている、江戸時代の日本。その後の展開が判っているので早くもウルウル来てしまう。2回見て判ったのだけど初めにクゥの父が、その後の展開を予見する事をクゥに話している。侍の会話は正に現在に通じる役人の談合話そのもので、自分たちの利権の為に環境破壊をする事をほろ酔い加減で話している。それにしても何度見てもショッキングなオープニングで、映画が始まったばかりでざわついていた会場も一気に静かになる。 話は現在に移り、現代の若者言葉で喋る小学生達の中に主人公の康一と同級生の菊池の姿があり、子供たちの行動や少ない会話の中で菊池がいじめられているのが判る。 少し重ための展開の中、クゥが蘇ってゆく過程が丁寧に描かれ、会場からも笑いがあがり見ていて心地がいい。この映画が旨い所はクゥの蘇生を観客が一緒に見て楽しみ、段々クゥに対して愛情が沸いてくるように出来ていて感情移入しやすい所が良い。初めは康一の手のひら位のクゥが水にふやけてドンドン大きくなり、水の中で浮いていたのが江戸っ子口調で喋りだし、くぅたーっと寝そべっていたのが歩けるようになり、人間と一緒に暮らす事は出来ないので旅立つと言うとても律儀なクゥが可愛い。 とにかくこの映画がいいのは、日常のなんでもない風景を丁寧に切り取り、家族の一人一人が活き活きと描かれていて、特に主人公の妹の瞳が飛びっきりにイイ。クゥを初めは怖がり、家族に可愛がられるクゥにライバル心を燃やし、親に甘えたり媚びたりで今時の子供の代表みたいで監督は良く子供を観察している。 ふてくされた表情や体をクネクネさせるところは「クレヨンしんちゃん」を継承しているようだ。 クゥの仲間を探しにゆく遠野への旅は、実際の遠野の美しい風景を再現されているようだ。旅館のシーンで夜中にクゥが真っ暗な旅館の中を歩き回るシーンでは、映画を見ている子供が「こわいよぉー」と言うリアクション、子供はとにかく暗いシーンが怖いようだ。 そして映画はクゥの存在を知った人々とマスコミの愚かな行動がリアルに描かれクライマックスに突入する。テレビに担ぎ出されたクゥがある物がキッカケに感情が爆発して東京タワーに向かうシークェンスは涙なくしては見れないシーンの連続で前回は涙が溢れたが、今回は涙に加えて鼻水までズルズル出てきて困った。クゥを必至に探す上原家とは対照的に、好奇な目でクゥに接する人々や、騒動を醒めた視線で見つめる人々が怖い。 映画は、菊池との淡い恋から別れ、クゥとの別れなど登場人物が様々な道を歩み始めて終着点に向かう。 いい映画は何度見てもイイ、多分「クゥ」は今年見た作品の中でもベストにくい込む作品である事は確かだ。ただ今回残念だったのは上映中に一階席から前半3回カメラのフラッシュが焚かれた事だ。多分画面を撮影したかったのだろがフラッシュを焚いたら画面は真っ白になるだけで何も写っていない筈だ、不届き者のせいで映画に集中出来ないのが残念だった。 映画が終わり外に出ると雨は降り続いていた。「クゥ」を見る日は前回も雨だった、何かクゥが雨を降らせているようで不思議な感覚。 家に帰り、テレビでBSを見ると原監督が出演していて「クゥ」の制作秘話を話していて、製作前の絵コンテでは3時間あったのものを、2時間50分版が出来上がり、それを更にに短く編集して現在の2時間18分版が出来たそうだ、是非DVD発売時には2時間50分版を見てみたいものだ。 映画「河童のクゥと夏休み」の関連商品はコチラをクリック。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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