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まったり感想日記

まったり感想日記

☆mamさんより

アニメ・本などの素敵感想でいつも「はぅ~ヽ(∇⌒ヽ)(ノ⌒∇)ノ」な溜息のよろず屋の猫さま。
☆mamさんより頂戴しました♪

30万ヒット御礼のSSでございま~~。
テレ東系列で絶賛放映中のアニメ『銀魂』で有名(だと信じてる)なノマカプ・沖神のお話デス。

☆.。.:*・°☆300000ヒットおめでとうございまっす~☆.。.:*・°☆



『おいらはあの娘に恋してる』


空気が冷たく澄んできた早朝
おいらは竹刀を振る

一、二、三・・・

もうすぐあの娘の誕生日
おいらはあの娘に何をあげよう

十、十一、十二、十三・・・

あの娘の髪のお団子に刺す飾り
日差しに輝き
ユラユラと揺れて、あの娘の綺麗な顔の上で、影が遊ぶ

二十、二十一、二十二、二十三・・・

初めて口紅。
白い肌にはえる紅色
いいや、あの娘にはまだ早すぎる
淡い桃色
歳相応に微笑んだ唇にきっと良く似合う

三十、三十一、三十二、三十三・・・

傘が良い
雨の日も、定春の散歩に行けるように
大ぶりの傘
あの娘の肩が少しも濡れぬよう

四十、四十一、四十二、四十三・・・

女の子らしい物をあげたい
繊細な刺繍のスワトウのハンカチ

五十、五十一、五十二、五十三・・・
六十、六十一、六十二、六十三・・・

強くなる
もっと、もっと、もっと・・・

あの娘を叩きのめして
泣かせて
「ごめんなさい。」と言わせる

悔しさにかみ締めた唇
震える肩

愛しい、愛しい、愛しい

百一、百二、百三・・・

おいらはあの娘を抱きしめる
そして耳元に落とす言葉
「お前が好きなんだ。」

びっくりして見開かれた目
わずかに開いた唇からは言葉が失われてる

あどけない、あどけない、あどけない

その時、おいらはやっと認められる
おいらはあの娘に恋してる

2008年4月 おめでとーぅございまっす~♪




20万ヒット御礼~ということで、頂戴して参りました♪
折りしも、うちに頂戴したタイトルと同じ、土方さんとミツバさんのお話!!
同じタイトルでも素敵なお話がころっと違うものに変わるなんて、さすがmamさんだなぁと感服でございます。


『真昼の走馬灯』

「あら、こんなにおいしいのに。」とあいつが口を押さえて不思議そうに言う。
「こんなの辛すぎて食べられませんって、みつば殿。」と近藤さんは目に涙を浮かべている。
「こんな野郎どものことはどうでも良いですから、姉上は休んでいてくだせぇ。」
総悟の言葉を、「あら、総ちゃん、言葉遣いが変よ。」とクスリと笑って聞き流し、あいつは男たちの間をくるりくるりと動き回る。
「あなたにはこれですね。」とマヨネーズを渡そうとするから、俺は無視して懐からマイ・マヨネーズを出して、飯にかける。

「お前は国に帰れ。居たって邪魔なだけなんだよ。」
「土方さん、姉上にその言い様、許せませんぜ。」と言う総悟を、俺は睨みつける。

「いいえ、帰りません。私が居なかったら、あなた達、どうやって生活できると言うんです?。」
お掃除だって、洗濯だって、食事だって・・・、とお前は数え上げる。
「そんなもんは、やろうと思えば野郎だって出来るんだよ!!。」
「あら、じゃあやって見せて下さいな。」
「そうですぜ、土方さん。じゃぁこれから真選組の家事は全部土方さんがやって下さるってことで。」
「お前は黙ってろ。」

こんな所で野郎共の世話なんて焼いてることはねぇんだよ。
たった一人の男、どこかの普通に暮らしてる人の良い男と所帯をもって、そいつの世話を焼けば良い。
お前に似た子供をたくさん産んで、そいつらの面倒を見てやれば良い。
普通の男、普通の子供、普通の家庭、その中で笑っていて欲しいんだよ。

お前がそうやって幸せなんだと思っていたいんだ。

なのに今、お前は隊員たちのいっぱいの洗濯物を、鼻歌まじりに庭に干す。

春を感じさせる風の中で、洗いたての洗濯物がゆるゆると揺れる。
あいつのほつれた髪が金色に輝いている。
俺に気がついて、その顔にゆっくりと微笑が広がる。
溢れる光の中に溶けそうに、けれどしっかりと存在している女。

風に吹かれて、あついの手から洗濯物が一枚、こぼれ落ちる。
俺はそれを拾い上げて、あいつに渡す。

触れる手。
包み込んで、口元に寄せる。
身体ごと引き寄せて、抱きしめる。
唇を重ねる。

お前が欲しい。
全部欲しい。
一つ残らず俺のものにして、誰にも渡さない。


・・・・・


まぶたを侵しはじめる白いスクリーン。
陽の明るさ。
どうやらうたた寝をしているらしい。

あぁ、そうだ、分かっている。
また、見ているんだ。
夢と分かっていながら、見る夢。
もうこの世のどこにも居ない女。

分かっているから、もう少し、この夢の中で生きさせてくれ。

「惚れた女には幸せになって欲しい」だって?。
くだらねぇ!!。

繰り返し、繰り返し。
細波のように寄せては返す思い。
くるくる、くるくると。
そんな真昼の走馬灯。

2008年1月




2007年10月、我が”まったり感想日記”が10万ヒットを迎えました。
何もないよ~、ゴメンね~と言っているところに、ぬわぁんと!!mamさんが私だけに!!!!!お話を書いてくださいました。
ありがとうございます!!ついでに、おめでとう私♪

銀魂の銀さん視点のお妙さん話...ってか?
ムッフ~~~~素敵です。


『真昼の走馬灯』

「大丈夫ですか、今タオルを取り替えますから。」とあの女の声がする。
これも夢だろうか。
新八→神楽、そして俺と回ってきた風邪、高熱で天井がくるくる回っている。
「鬼のかく乱ですね。」なんて新八は言いやがった。

熱にうなされた浅い眠り、短い夢。
幾つもこの女の顔を見た。
笑ってる顔。
すましてる顔。
泣いてる顔。
怒ってる顔。

「万事屋の事は心配いりませんよ、新ちゃんと神楽ちゃんで、ちゃんとお留守番してますからね。」

水で冷やされたタオルが額に乗る。
のぞき込む心配そうな顔。
違う、俺が見たい顔はそんなんじゃない。

タオルと変わらない冷たい手が頬に触れる。
俺が欲しいのはそんなものじゃない。

「ゆっくり眠って下さい。」
俺が欲しいのはそんな声じゃない。

引き寄せて、抱きしめて、その肌に触れて口づける。
俺だけが知る顔、声。

くるくると回る欲望。

熱が下がって正気に戻れば、きっと自分で自分を笑い飛ばす。
そんな真昼の走馬灯。




ジャンプ連載中であり、テレ東で放送中のアニメ、マイラブ『銀魂』よりお妙さん話。
10万ヒット記念に配布されていたお話を頂戴して参りました。
個人的には銀妙なんですけどねぇぇぇぇぇぇぇ(≧∇≦*)(*≧∇≦)ヒャッホー♪


『一緒』

あら、お客様、イヤですわ、そんな「綺麗。」だなんて。
でも嬉しいですわ、ありがとうございます。
お客様の方が素敵ですわよ、えぇ、男の魅力に溢れてますもの。
やっぱり男の方は貫禄がなくっちゃ、お客様からはそれをとっても感じるんですよ。
え、ドンペリ?。
まぁ、ありがとうございますー。

ドンペリ・ロゼ一本、入りましたー!!。

恋人?。
いないんですよ。
だって毎日こうしてお店でお客様みたいに素敵な男性とご一緒してるでしょ?。
その辺の男がつまらなくなっちゃって・・・。

え、銀さん?。
イヤですよ、あんな死んだ魚みたいな目をした男。
若いのにもう総白髪なんですよ。
甘いものばっかり食べて、糖尿病すれすれですし。
毎日毎日、何やってるんだか分からないグウタラ者ですよ。
何よりいつもお金に困ってるんですよ。
やっぱり男は財力ですわ。

そうですね、確かに弟の新ちゃんはお世話になってますけど。
神楽ちゃ・・・いえね、銀さんのところに可愛い女の子がいるんですが、その神楽ちゃんと二人して、すっかり頼りにしちゃってて・・・。
私もですって?。
まぁ、確かに助けてもらったこともありますけど。

でも私が好きなタイプはお客様みたいに、こうして女を良い気持ちにしてくれる方ですわ。
まぁ、「綺麗。」だなんて、本当にお客様ったらお口が上手で。
でもそんなところに引かれる女の方、多いんでしょうね。
あら、よろしいんですか。

ドンペリ・ロゼ、もう一本入りましたー!!。


ちっ。
「綺麗」「綺麗」ってうるさいったら。
知ってるわよ、そんなこと。
「綺麗」って言ってれば女が喜ぶとでも思ってるのかしら。

そう言えば銀さんは「綺麗」だなんて言った事がないわねぇ。
まったくどこに目をつけてるのかしら、あ、死んだ目だったけ。

たぶん言わないんでしょうね、あの男は。
あ、でもある日突然ボソッと言ったりして。

夏の終わりの暮れ六つ時、縁側に二人で座ってる。
「綺麗だなぁ。」って。
でも見ているのは夕日じゃない。
そんな銀さんはおじいさん。
私はおばあさん。
だから銀さんは次の日には忘れた振りをする。

あら、何だか言わせてみたくなっちゃったわ。
今の事が全て遠い思い出になったその時に。
それまでずっと一緒にいてあげるって言うのも、悪くないかもしれないわ。




2007年9月。どうもありがとうございました~(〃⌒ー⌒〃)




2007年4月期アニメ『DARKER THAN BLACK』より、20000ヒット御礼で配布して下さったものを頂いてきました♪


『Prayer』

どこかで打楽器を派手に打つ音、そうかと思えばトランペットの金切り声。
あちらでジャグリング、こちらではアクロバット一輪車、それらを囲む人々の群れ。
通路に並ぶ各国料理の屋台からは食欲をそそられる匂いが漂ってくる。
性善説のような空はそれら全てを鷹揚に抱えこんで青い。
年に一度の大道芸フェスティバルで公園は文字通りお祭り騒ぎだ。
臨時に設置されたスピーカーから流れる、噴水前の広場でピエロのパントマイムが始まるという知らせ。
本日のスペシャルショーの一つだ。
屋台で買った点心の一つ一つに「これは四川風。」だの、「こっちは上海。」だのと解説つけていたあなたが、「行ってみよう。」と指差す。
隣りの屋台のタイ料理に気を取られていた私は、右往左往する人たちにぶつかってよろけてしまう。
その私の肩を抱いて支えるあなたの笑顔は頭上の空のよう。

広場には既に結構な人が集まっている。
メークと衣装でバッチリ決めたピエロは、そろそろ頃合と、スピーカーのスイッチを入れる。流れ出した音楽は妙にセンチメンタルで、初夏の光溢れる昼間には何ともちぐはぐだ。

スピーカーと木の椅子、そしてスピーカーの近くの木の枝に縛り付けられたたくさんの風船。屋外のショーはとてもシンプル。
ピエロは黄色の風船を取ると、輪を描いて見ている人々の前をゆっくり歩く。そして椅子に結びつけると、少し離れた。
深呼吸して一拍、キョロキョロと辺りを見回す仕草は子供のものだった。

ピエロは風船に始めて気が付いたかのように目を止める。風船に近付き、しゃがみこむ。
何もない空間に伸ばされる右腕、その手首がひねられる。そして左手に持っていく。
子供が花を摘んでいる、ではあれは菜の花?。

子供は花束になった菜の花に顔を寄せ、その香りを確かめる。
ふいに自分を呼ぶ声に気付く、相手は立ち上がった子供が見上げる背の高さ。
デフォルメされた手足の動きが、子供の純粋な喜びを表現する。
子供のお父さんとお母さん、子供は二人に花束を渡す。

そんな風に色にまつわるエピソードが語られていく。
青い風船は夏の日の海で遊ぶ子供。
緑は山の中での虫取り。
白はかじかんだ手で作る雪だるま。

噴水の音も、人々のざわめきも、全ての雑音が消えうせ、私は子供に引き込まれる。

ピエロが最後に選んだのは赤。けれど椅子には結び付けない。
とても大事そうに胸に抱き、行きつ戻りつを繰り返す。先ほどまでとは所作が違う、明らかに大人の男性のピエロがそこにいる。
意を決してあげた顔、歩み寄った視線の先に、ピエロには女性が見えている。立ったまま、両腕と頭、そして細やかな指先の動きだけで語られるピエロの想い。
ピエロは右手の風船を女性に捧げる。そして風船ごと女性を抱きしめる。
心にほんのりと暖かさが灯る告白と抱擁。

ピエロは椅子に結ばれている風船のひもを切る。ほぼ無風なので、風船は真っ直ぐに空に上って、たちまち青い台紙に落とされた絵の具になる。
ピエロはゆったりと一礼すると赤い風船も手放した。

名前を呼ばれ、私の耳に雑踏の音が戻ってくる。既に私には赤い風船だけがやっと目で捉えられ、それすらも消えてなくなりそうで、必死に目を凝らす。
「面白かった?。」と訊ねるあなたも空を見上げている。
「あなたは?。」と私は聞き返す。
「面白かったよ。」
あなたの横顔の向こうの噴水、その水滴が陽の光にきらめいて、あなたの目元に重なる。
けれど私は知っている。
あなたは泣かない。そんな感情は手放してしまったから。

ピエロが子供達にバルーンアートを売っている。子供のリクエストに応えて出来上がる花や動物達。
私はピエロの元に行き、木に結ばれた風船を指差して「赤を下さい。」と頼む。未だピエロに成りきっている彼は、無言のまま首を傾げる。
「だからつまり、愛の告白が欲しいのよ。」
私は目線であなたを示しておどけて見せる。ピエロは“分かった、分かった”と頷いて、私に赤のひもを握らせる。「お幾らですか。」と聞けば、人差し指をゆっくり振って“いらない”の意思表示。
あげく風船を持った私の手を、両手で包み込んで“うんうん”と何度も頷くから、私は笑ってしまう。

あなたの元に戻ると、もう新しい屋台料理にパクついている.。今度はブラジル料理のシュラスコ 。
プラスチックトレーと箸で両手がふさがっているのを良い事に、私は風船のひもをあなたの腕に結び付けてしまう。
まわりの人たちがクスクスと笑うので、あなたは照れて困った顔。
その表情さえも偽物かと言う疑念を、私は深層に押し込める。

「やるね、おじょうさん。」と屋台のブラジリアンが言う。
皆がジロジロ見てるから、あなたはいたたまれなくなって、私の腕をつかんでその場から逃げ出す。
私とあなたの、二人の間に浮かぶ赤い風船。

いいえ、あなたは知っている。
これはあなたの気持ち、手放してしまった多くの物の一つ。

けれどもし、あなたの中に小さな欠片でも、かつて私を好きだと言ってくれた心が残っているのなら、どうかそれをほどかないで。
しがみついて、つなぎとめていて。

私は強引に立止まってあなたの歩みを止める。振り返ったあなたの表情が逆光で見えない。

この願いを人は“祈り”というのだろうか。
そう思いながら、私は影の中のあなたにくちづける。










どうもありがとうございまっした~~!!


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