ゲーム雑記

タイトーメモリーズシリーズの個別レビュー、その第29弾は、
メモリーズ2・下巻の「ヴォルフィード」。



オリジナル登場は1989年。
1981年に登場した陣取りゲームの名作「クイックス」のリメイク作品である
（「クイックス」はメモリーズ1の下巻に収録）。

4方向レバーで自機「SCANNER」の移動。
通常は外周のシールドライン（緑色）上しか移動できないが、
レーザーカッターボタンを押すことにより、フィールド内に切り出すことができる。
切り出した後は赤いレーザーで軌跡が描かれ、再びシールドラインに達した時点で
それまで描いた軌跡によって「囲んだ」ことになり、自分のエリアとなる。

フィールド内には敵のボスキャラやザコキャラが存在しており、SCANNERの行く手を妨害する。
自機がシールドライン上にいる場合は敵に触れてもミスにならないが、切り出した後は
シールドが解けてしまうため、囲み終わる前に敵に触れるとミスとなってしまう。
また、囲んでいる途中の赤いレーザーラインに敵が触れると、そこから自機に向かって
スパークが走り、そのスパークに追いつかれるとミスとなる。
スパークは超高速なので、囲み終わる直前でもない限りまず確実に追いつかれてしまう。
なので、囲んでいる最中は、自機はもちろん、自機のラインにも注意が必要である。

フィールドを囲んだ際、自分のエリアとなるのは、その大きさにかかわらず
常に「ボスキャラのいないエリア側」となる。
ボスキャラは最初巨大だが、自分のエリアを拡げて移動範囲を狭めていくに連れ、
どんどん小さくなっていく。


（これがその様子。最初の写真と比べて、画面左端に
　　小さくなったボスがいるのがお分かりだろうか？）

囲んだエリアの合計が80%以上になった時点でクリアとなるが、
クリア時のエリアの割合がより100%に近いほどボーナス得点が高くなる。
80%ジャストでクリアするとクリアボーナスは1万点だが、
最高の99.9%でクリアするとなんと50万点ものクリアボーナスが与えられる。
ちなみに99.8%だとクリアボーナスは30万点となり、
わずか0.1%で20万点もの差が付けられていることから、
80%クリアが「とりあえずの目標」で、99.9%クリアが「究極の目標」と言っても良いだろう。

なので、このゲームは、80%を超えないように細く長くエリアを囲んで「仕切り」を作りながら
どんどん狭いエリアの方にボスを追い込んで行き、ボスを追い詰めたら一気に囲みクリアする、
というのが「セオリー」となる。

なお、ラウンド開始直後、一発で80%以上切り取ることに成功すると
100万点もの特別ボーナスが与えられるが、もちろんそう易々と達成できる類のものではないため、
こちらは「目標」というよりは、一部上級者向けの「隠しボーナス」的扱いとなっている。


このゲームは、オリジナルはもちろんPCエンジンへの移植版もかなりプレイしており、
個人的にはかなり好きな作品である。

シールドが残っている限り、シールドライン上にいればまずミスとなることはなく、
「クイックス」とはちがってシールドライン上を敵キャラが回ってくることもないため、
じっくりと切り出すタイミングを見計らうことができる。

シールドライン上でじっと待ち、いざ切り出したら、一気に多くを囲みに行くのか
少し囲んですぐ戻ってくるのかを判断しつつ、ミスしないよう的確でスピーディーな
操作をして戻ってくるという、「静と動」の繰り返しが、
ゲーム進行上で非常に良い「緩急」となっているのである。

そして、ボスキャラをジリジリと追い込んで、最後に「99.9%クリア」を達成したときは、
もう「快感」の一言につきる。

固定画面で地味なイメージのあるゲームだが、
じっくりと楽しむことができる「良作」である。



「タイトーメモリーズ２・下巻」
［メーカー］タイトー
［機種］プレイステーション２
［発売日］2007年3月29日


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