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台湾役者日記

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2005年03月05日
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カテゴリ:役者か?
朝5時半起床、6時半、お迎えのクルマに乗って台北北方の「淡水」へ。現場は某大学講堂。いろいろ支度あって午後に撮影開始。

本日の仕事は某保険会社のイメージCM。

放送開始を確認したんで、2005年3月17日01:20に加筆
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舞台中央にヒロインがチェロをもって登場。観客席最前列中央にむずかしい顔をして陣取る3人のヒゲ面のオヤジ。今日はオーケストラの採用試験なのだ。左右の試験官は黒づくめの服装。真ん中の俺は主任試験官の役で、純白のタキシードに純白の蝶ネクタイをしめている。3人ともいちおう音楽家兼大学教授。ヒロインが一礼してチェロ演奏を始める。すると俺はとつぜん身を乗り出して、試験とまったくなんの脈絡もなく、「1995年には、生命保険部門総合第一位!」つうような意味の中国語台詞を笑みをまじえず尊大な態度で言い放ち、机上のゲタ版を選考書類の上に「バンッッ!」と大げさに叩きつける。横のオヤジがさも面倒くさそうに横を向いて「次ィー」と叫ぶ。あまりの事態に呆然とする舞台上のヒロイン。

全11シーン各10秒を撮るらしい。俺の「1995年…」は最初のシーン。このあと「1996年…」「1997年…」と社史みたいな中身が面白おかしく逐年でつづられていく。ヒロインは町のあちこちでこの台詞を呪文のように聞いたり見たりする仕掛け。最後にオチが来る。しかし俺の出るのは初年度の10秒だけだ。
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なにしろ全部で10秒しかないから、与えられた中文台詞を超高速で、しかもはっきりと発話しなければならない。何度か取り直して最後はOKが出たが、果たして吹き替えなしですむかどうか。まあ、たぶん大丈夫だと思うんだが。クライアントが保険会社だからと言うわけじゃなかろうが、保険のために、俺が日本語で語り、横のオヤジが「通訳」の体で中国語バージョンを付け加える、っつうのも撮った。しかしこれだと10秒を越えるだろうから、まずは最初の基本バージョンでいくんじゃないかと思われる。

2005年3月17日01:20に加筆
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ところが実際に放送されたのは、俺が日本語で「1995年」云々を語り、ヒロインがビックリ、っつうとこまでで終わり、というバージョンだった。なんせ10秒だもんなあ。横のオヤジの通訳なし。日本語に中文字幕。俺の「中文台詞」、みごとに空振り。とほほほほほほほほほほほほほ。しかしまあ、これはこれで非常にインパクトのあるCMになっていた。10秒の「1995年」CM。この後よそのCMが入り、その次に「1996年」のCMが入った。かなりヤラシイ打ち方だ。この先どうなっていくのか楽しみ。俺は非常に目立っていた。これで中国語バージョンが採用されておればぁ~~~ッ……。
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この前の飲料CMで中文台詞をやっつけたら、それを見たキャスティングの人がこの案件でもこいつ使える、と見て、推してくれたらしい。ありがたいことだ。この上は、こういうCMがきっかけになって、中文台詞つきのドラマに呼んでいただけたら望外のシヤワセ。

CMっつうのはやるにしても限度があると思われる。CMタレントっつうのは、まあ要するに「特定の会社の回し者」なわけで、そう何でもかんでもやっつけるわけにはいかんと思うのである。早い話、飲料にしろ保険にしろ、これで視聴者に強く印象づけられちゃったらば(まあ道義的に考えたら、たとえ印象に残らなくても)少なくともしばらくは同業他社のCMには出られんわけで、そうでなくてもあんまり出ずっぱりになると飽きられるのではないかと思う。でもまあ、何かの「役」を演じるというのは、それだけでとても楽しい。

実はおととい夜あたりから風邪をひいたっぽくて、今朝なんかは頭は痛むし腹は下るし、「こんなんで中国語しゃべれるんかいな」と心配だったが、撮影始まったらシャキッとなり、終わった頃には気分爽快、けろりと直っていた。俺はどうもこの仕事が細胞レベルで好きなようだ。

ヒロインを演じるのは周幼[女亭](ヅオウ・イウテイン)で楽屋(っつうか現場が「講堂」なんでその裏の控え室)に入ると「あら、ミチオ、久しぶり」と声をかけられた。

なんでこういうスターの知り合いがいるんかというと、彼女は『風中緋櫻』で「花岡一郎」を演じた馬志翔(マア・ヅーシアン)のガールフレンドで、『風中』の現場にも二回ほど陣中見舞いに来たし、別に何人かで一緒に花蓮で鍋を囲んだこともあって、よく知っているのだった。(このパラグラフの事実については本ブログにそのように実名で書いてよい、との了承を周幼[女亭]から得た。二人がカップルであるということは台湾では周知の事実である。)

馬志翔は演技が抜群にうまいだけではなくて、自ら脚本も書いており、ゆくゆくは演出も手がけたいらしい。『風中』撮影中、途方もなく退屈な待ち時間、小馬(シアオマア)と俺とはお互いの「構想」を延々と語り合ってまったく飽きることがなかった。時にはふたりの会話から新しい物語が生み出されることもあった。

「ミチオさん、そのアイデア、あんたが書かないんだったら、俺が先に書いて撮っちゃうけどいいかい?」
「おうよ。ただし、俺の演じる役だけはそのまま残しといてくれよ」

などと応酬して、お互い、取らぬタヌキの皮算用をしてほくそえんでいたのだ。

「シアオマアは来年退役だっけ?」

実は彼は現在兵役に服しているところである。本来はもっと早く入営するはずだったのだが、公共電視の『赴宴』で1回延長し、『風中』でさらに延長した。さすが政府系のテレビ局だ。キャスティングのためとあらば人の兵役まで延長させてしまう。「ほんとは早く済ませてしまいたい。どうせ行かなきゃならないんだし」と、小馬はいつも言っていた。

「ううん。今年の暮れには退役になるわよ」と周幼[女亭]。
「ありゃりゃ。そうか。来年かと思ってた」
「脚本はできてるの?」
「いや、それがまだ」
「あらあ。シアオマアに言っとくわ。ミチオは全然マジメにやってない、って」
「やりますやります。これからやります」

そんなこんなで本日も楽しく終了。夕方には俺と「大学教授仲間のオヤジ(じつは某CM製作会社の社長)」だけ離脱して、市内へ戻った。どうも今日の監督は前回(上記飲料CM)に引き続き、すげえ大物だったらしい。MRTで市内まで一緒になった製作会社社長は、「俺は普段はこんな出る方の仕事なんかやりゃしないんだけども、彼から言われたら手伝わざるを得んのよ」と語っていた。

***

夜、『孤戀花』舒音のおごりで、市内某日本料理屋で食事。「紹介文を日本語に翻訳してくれたお礼」とのこと。「それなら日本料理じゃなくて……」と俺が口を挟むと、「あたしが食べたいのッ!」と叱られた。他に姚君その他のスタッフも来ていて、総勢8名でキャフェテリア形式の「食べ放題」を楽しんだ。25時ごろタクシーで帰宅。





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Last updated  2005年03月17日 02時27分26秒
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