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見栄子日記 from 熊谷

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山戸 見栄子

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2005年12月31日
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テーマ:たわごと(26790)
カテゴリ:銀座遊び
大晦日夜、ビジネス街お膝元の銀座は寂しい。
今日は一人だから、ここへ来た。一番落ち着く
場所。今年は例年以上に、銀座に通った。
自分を取り戻したい時は、銀座へ逃げてくる。
銀座の顔・和光の鐘が、澄んだ音で響き渡る。

本当は、この鐘の音には、悲しい思い出がある。
不幸に不幸が重なった時、ある「賭け」に出た。
翌日、ここで鐘の音を聴いた。ふと思った。
「今度この鐘の音を聴くとき、
      私はどうなっているだろう…?」
月2回は通っていた銀座にも来ず、
約2ヶ月じっとしていた。
そのことは、悲しい結果に終わった。
ときどき記憶も途切れた。
久しぶりに来た銀座で、この鐘の音が
ひときわ悲しかった。
裁きの鐘? 弔いの鐘…?
それでも私は、何度でも銀座へ帰ってくる。

子供の頃、うちはお金がなかった。揉めた。
芥川の自伝的小説に出てくるような、
「お金もないのに気位の高い家」だった。
いつもダサい服。中学1年までずっと
「肥満児」だったから、よけい馬鹿にされた。
スーパーで出会った同級生親子…当たり前にオレンジジュースを買ってるのが羨ましかった。
ジュースがひと晩で凍るような冷蔵庫も無かった。クリスマスにプレゼントを買ってもらった
事も無い。海水浴やスキーも知らない。限られたTVしか見せてもらえず、みんなが当たり前に
知っている歌を、私は知らなかった。

太宰の小説に出てくるような、重苦しい食卓だった。沈黙の食卓。食事はさっさとかき込んで、
自分の部屋へ逃げた。小さい頃から人と人の間に挟まれた。常に誰かと誰かが
対立してた。兄は反抗期の時、私にひどく八つ当たりした。言葉の暴力…
一緒にご飯を食べるのが本気で怖くて、テストで部活のない土曜日でも、嘘ついて
お弁当作ってもらって、どこかでこっそり食べた。今でも兄とは口をきけない。
よく「どこの家も同じ」と軽々しく言われるけれど、とてもそんな生やさしいものじゃなかった。
「“食”を楽しむ」という事など、およそ無縁。「周りのみんなが持ってるもの」も持てなかった
未成年時代…今は何でも買える。どこでも行ける。
抑圧のない環境で、小洒落た美味しいものをゆっくりと食べられる。
贅沢?無駄遣い? 無駄かどうかは、私が決める事…他人に勝手な事は言わせない。

堅く重い抑圧された環境で育った事を、忘れ去りたい。「真面目な大人しい人、堅い人」
と言われる事がイヤでイヤでイヤで、持ってるお金を使い尽くして、必要以上に
チャラチャラして見せても、周囲の目は簡単に変わってはくれない。
いつも虚しい年の瀬、今年は大丈夫だと思ったのに。最後の最後で、余計な一言。
前向きに生きようとしても、どこまでもレッテルがついて回る。
誰かに、「どうしようもない馬鹿女、遊び女」って、バカにされたい。

銀座に来れば、誰も私を知らない。ただの「群衆の1人」、豆つぶ以下。貼られた
レッテルに苦しむ事もない。逆に意地になって、レッテル通りの「私」をプレイする
こともない。仮面を被らなくていい。何一つ頑張らなくていい。人のために命を張る
必要もない。命を張った末に「真面目」呼ばわりされる事もない。
頭の黄色いお子様もここへは来ない、静かに過ごせる。
誰も干渉しない。どこでも好きな道を通って、お店に入れば「お客様」。何でもある。
許される範囲で何でも買える。なにも買えなかった、あの頃の分まで…
だから、銀座が好き。

クリスマス頃の銀座に必ず現れる宗教団体。「悔い改めなさい」…余計なお世話。
そんな事は自分が一番よく知っている。
手相を見せろ? うるさい。私はそんなもの信じない。
お店もほとんど6時でお終い。 和光の鐘が静かに、重く響いて、私の1年を裁く…





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最終更新日  2005年12月31日 21時48分06秒
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