「赤緑黒白」より
「もちろん、そうだ。社会のルールとして許してはいけない。そんな自由を許容すれば社会的な危機に陥ることになる。そう、絶対に許せない、あってはならないことだと思うよ。でもね、あってはならないことは、あるはずがないことではないんだ。存在してはいけないものも、現実には存在する。いくら大勢が認めない、といっても、それはどの時代にも、どの社会にも、必ず存在するものなんだ。みんなで目を逸らしていれば、消えてなくなるものではない。わかるね?」「じゃあ、どうすればいいの?目を背ける以外に、どんな防衛手段があるん?そんな異常な考え方を理解しろっていうんですか?」「理解する必要はないと思う。そうではなくて、それらの存在を認め、それらの実体を正確に把握することだ、重要なのは。それ以外に防御のしようはないよ」 「赤緑黒白」より