テーマ:映画館で観た映画(8403)
カテゴリ:アメリカ映画
一本の腕だけが岩壁を捕まえている。
天才的ロック・クライマー、 ゲイブ・ウォーカーの姿に驚嘆する。 太い腕と筋肉が露出するシャツ姿。 残った方の手が腰の道具に手をやる。 岩壁を移動する彼から目が離せない。 「『クリフハンガー』のような映画」 後にこの映画は一つのジャンルとなる。 単純なストーリーではあるが 次から次へと訪れるピンチと 多角的な映像にアドレナリンが上がる。 主人公を応援するなどという 悠長な鑑賞は許されない。 手が滑れば真っ逆様だ。 死と隣り合わせの危険にゲイブはいる。 カメラはこれでもかというほどに、 ゲイブが今どんな場所にいるか わかるようなロングショットとなる。 映画だから落ちるはずはないのだと ツッコミながら観るのは野暮。 垂直状況のアクションシーンは イタリア・ドロミテ山脈で撮影されたらしい。 標高4.000メートル! 雪山のロッキー山脈。 現金1億ドルの入った3つのトラックが墜落。 ハイジャックした国際的犯罪組織のメンバーは 山岳レスキューにSOSを発した。 向かうのはゲイブとハル。 だが二人の間には辛い過去があった。 ゲイブは彼の恋人を 救えなかったのである。 しかもハルの目の前で。 一人の男の再生の物語であるのに、 ピンチの連続が全てを優先する。 国際的犯罪組織のメンバーは皆 仲間より自分史上主義で残忍である。 それがまたピンチを増幅させる。 アドレナリンが上昇する。 青い青い空を見上げるカメラ。 ロッキー山脈の頂上に空は囲まれている。 一本の黒い線が空を二つに分割している。 男がその黒い線にぶら下がっている。 渡りきるまで、目が離せない。 シルベスタ・スタローン 久々、復活と言われた映画である。 レニー・ハーリンの荒削りな演出が光る。 緻密な感情表現を愉しむのとは違う、 ハラハラドキドキの展開。 雪山でのスタローンのシャツ姿にも スタローンだからいいじゃないか、と 思わせられるくらいの大味加減。 『クリフハンガー』 『クリフハンガー』的映画の原点。 『クリフハンガー』のような映画と言われば どんな映画か相手に伝わる代名詞。 もちろん、ラジー賞ノミネート。 冒頭の山岳シーンはMTVムービー・アワード受賞。 1993年度作品。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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