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カテゴリ:合作映画
ウンザ・ウンザ・ミュージック。
バルカン諸島を発祥とする2/4拍子のリズム。 演奏は「ノー・スモーキング・オーケストラ」、 2003年2月5日、国名の消滅した ユーゴスラビアを祖国に持つ11人編成のバンド。 ロックにジャズ、ジプシー音楽、クラシック、etc 語りきれない程のボーダレスジャンルの音の洪水、 メンバーでもある映画監督エミール・クストリッツァの撮る EUツアーを追ったロード・ムービー。 いつのまにか、熱くなる。 ニュースで伝わる激動の国々をツアーバスは巡る。 戦争で廃墟になった街の光景。 ストーリーのない作品への戸惑いは、 音が身体に染みてくればいつのまにか消えていた。 メンバーの生い立ちや日常が紹介される。 愉快なモノクロのプロモフィルムの撮影風景。 バスの中、数人が「私が○○○です」本物は誰でしょう、と メンバーの自己紹介を邪魔するおふざけぶり。 楽器でゴチャゴチャのバスの中、 決してルックスの良くないオジサンたちは、 ずっと喋りっぱなしである。 音楽を言葉で語るのは勿論、愚行。 あえて語るなら、音はオマツリ騒ぎのハイテンション。 緩急自在のボーカルに、交わるはごった煮の音楽。 それぞれが主張し、それぞれのリズムになり、 熱い空気となって会場を包んでいる。 素人が見ても、十分わかる、スーパーテクは、 澱むことのない音からも十分伝わる。 ウンザ・ウンザ・ミュージック。 ウソかマコトか、体内のタンパク質を増加させる働きが。 いつのまにか熱くなる、音楽の高揚。 アップテンポのリズム。 ツアーの間にも出会いがある。 知り合ったミュージシャンと音を交わすメンバー。 良き音を学び、貪欲に取り入れてゆく。 それは、彼らの第一次欲求。 食べることや寝ることと同じことにみえる。 ミュージシャンになること、 もがく必要があるのはどんな夢でも同じだが 戦争ない土地に住めば手の届く範囲。 だが、彼らは違っていた。 人生観、政治的思想、激動の祖国の歴史、 皆違うそれぞれの考え方、それぞれの音のように。 だが、音は熱い空気のうねりとなる。 音楽なら愉快になれるというのに。 バラバラになり争う人の歴史、 だがバラバラの音楽でも、熱い空気のうねりとなる。 ゴッタ煮の音楽、バラバラの音楽、 それでも音楽になれば、争いは必要ない。 ウンザ・ウンザ・ミュージック。 いつのまにか、熱くなる。 8mmカメラで撮られたノンフィクションムービー。 イタリア・ドイツの合作、2001年度作品。 メンバーの監督に撮られて皆、息抜きっぱなし。 個性的な衣装の個性的なステージング。 音楽の至福に充たされて観客は揺れている。 観客の一人になれたら、と 思わずにいられなくなっていた。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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