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2023.08.26
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カテゴリ:音楽
フェンダーギターの始まりは、
1938年にレオ・フェンダー氏がカリフォルニアのフラートンで創業した、
フェンダー・ラジオ・サービスというラジオや音響機器の修理屋さんだった。

1945年にドク・カウフマン氏と一緒に、
K&Fマニュファクチャリングを立ち上げて、
スティールギターとアンプの製造を開始するも1年で解消。

1947年にはフェンダー・エレクトリック・インストゥルメンツ・カンパニーを設立。
当時、リッケンバッカーの膝や台に置くタイプではない、
一般的なギターと同様に抱えて演奏するソリッドボディーのギターを開発する。

1948年に試作品を完成させて1949年にはエスクワイヤーとして発表。
1950年にはブロードキャストとして完成させるも、
名前がグレッチのドラムと同じだったために1951年にテレキャスターと改名。

ブロードキャスター、テレキャスターのネーミングは、
新時代を代表するメディアだったTV放送にあやかったもので、
これが、今でも作られているフェンダーの原点となる。

 実際はカントリーシンガーのマール・トラビス氏が、
 ポール・ビグスビー氏に特注したギターを、
 レオ・フェンダー氏に貸し出されたために、
 それを元にエスクワイヤーを作ったというのが真相らしい。


その後、フェンダー社は1965年にCBSに売却され法人は消滅。
技術顧問だったレオ・フェンダー氏は数年で退社した以降、
楽器の需要減とコピー商品の氾濫で品質が低下して、
1980年代初めには看板商品の生産停止。

ここで日本のフジゲン、山野楽器、神田商会が出資してフェンダージャパンを設立。
1982年~1997年までフェンダー製品は、
主にフジゲンにより日本でも生産される事になった。

この間の1985年までのフェンダー製品は日本製しか存在せず、
主に輸出用の廉価版だったスクワイヤは、
地元の長野県茅野市のダイナ楽器が担当していた。

1985年にCBSが楽器から撤退すると、
ビル・シュルツ氏を迎えてフェンダーを再興。
フジゲンの技術支援でカリフォルニアのコロナに工場を作り、
1987年にはメキシコにも生産工場を設立。

この為、暫くはMade In Japanの、
フェンダー・ジャパンの方が品質が良かったとも言われている。

1997年にフジゲンが株式を譲渡してフェンダージャパンは解散。
神田商会が商標権を取得してフェンダージャパンを自社のブランドとして製造。
当初は外注で作ったパーツをダイナ楽器で組み立てていたもので、
この時代はCrafted In Japanの刻印が入っている。

暫くするとダイナ楽器での一貫生産が可能になり、
再びMade In Japanの刻印が復活。


2012年に新規株式公開を申請して負債の圧縮を図り、
2015年に山野楽器との代理店契約を解消し、
フェンダー・ミュージック・ジャパンが業務を引き継ぐ事になった。
この時にダイナ楽器のフェンダージャパンは、
ジャパン・エクスクルーシブ・シリーズとして再出発。

2020年になると、トヨタ系のハワイで自動車販売をしている、
サーブコ・パシフィックが株式の過半数を取得。
2023年6月には東京の原宿に世界初の旗艦店となる、
フェンダー・フラッグシップ・トウキョウが完成。


個人的にギターというと、
高校の授業で共通課題曲の”禁じられた遊び”とか、
自由課題曲はコードがシンプルなビートルズの”ゲットバック”なんかを、
友人からカッティングのやり方を教わって、
叔父が使っていた古いヤマハのクラッシックギターで練習していた程度。

音楽は大好きなのでロックスター達が使っているギターにも興味はあったけど、
当時は巷に溢れ返っていた有名無名のコピー商品はバカにしていて、
生意気にもフェンダーかギブソンしか頭になかったのだ。

所が地元の楽器店に並べられていたオリジナルと言えば、
一番憧れていたストラトキャスターは25万円位で、
レスポールなんか30万円以上もしていて話にもならない。


この時に初めてテレキャスターを知ったのだけど、
その分厚い板切れをくり抜いただけのような、
角にエッジが立ったシンプルで無骨なボディーが、
ただならぬ雰囲気を漂わせていて、
そこが何ともカッコ良かった。

良く見ればピックアップなんか2個しかないし、
そのうち一つにはクロームメッキのカバーがされていて、
ボディーの下にもクロームに輝いている金属のプレートがあって、
そこには何の刻印もないローレットが刻まれた2つのクロームノブ。

次に銀色の弦を裏側から表に引っ張り出している部分にも、
クロームに輝く印象的なプレス加工の板金部品がある。
その中にはシンプルな固定ブリッジと剥き出しのサドルが収まっていて、
そこから走る6本の弦の先にもペグのクロームが光っている。

道具としては既に完成しているストラトに比べると、
何というかまだ未完でプリミティブなデザインだけど、
テレキャスに散見されるクロームの煌めきは、
頭の中だけにある色んなアメリカを思い起こさせた。

ハーレー、往年のアメ車、ジッポー、カミラスのナイフ、ドッグタグ…、
ネオンに彩られた夜の街と音楽を演奏しているジュークボックスとJBL。
それから何と言ってもロックンロールだ。

テレキャスこそアメリカの黄金期を通り抜けてきた、
ホンモノのギターではないのか。

こうなると、そこら中でコピーが溢れ返っていた、
ストラトやレスポールは何とも軟派に見えてしまって仕方がなくなる。

お蔭で、へそ曲がりの推しギターは、
断然テレキャスとなったのだけど、
それでさえ15万円。

これで貧乏学生は楽器はアッサリと諦めがついて以降は聴く方に専念。
当時、出始めのFMステレオ放送が聴けるラジカセを何とか入手して、
そこから安く上げる為にアンプやスピーカーの自作オーディオに走る事になった。


あれから幾年月。
最近、長く続けられて奥も深い何か面白い事は無いかと考えて、
ハタと思いついたのが高校の頃のギターだった。

普段、余りやった事のない面倒な事は脳にも良い刺激だ。
何せギターは面倒で難しいという事は高校の授業で知っているし、
とにかく大好きな音楽に直接関われるのが良い。

最初は、アンプとかエフェクター類が必要なエレキは眼中になく、
基本はアコギだなと思い生意気にもマーチンを思い浮かべる。

流石にドレッドノート/Dなんか中古でも手が出ないし勿体ないので、
ボロでも良いから出来れば#000が良いなと思いつつ、
取り合えずバックパッカーというコンパクトな奴にしようかと、
中古を探し始めて気が付いた。

下手糞なアコギなんか近所にもハタ迷惑な雑音でしかない。

一日が終わって食事も済んで手が空いた夜のリラックスタイムに、
音が出るアコースティック楽器の練習なんか一般家庭では犯罪レベルだ。


そもそも人に聴かせるつもりなんて全く無い上に、
色んな曲を全部暗譜して一通り演奏しようという欲も気力もない。

あくまでも高校以来の個人的なお楽しみなので、
静かにチョロチョロと爪弾ければ良い。
そうなればアンプラグドで静かなエレキの方が良い。

という訳で、あの頃は遥か彼方の眩しい存在だった、
フェンダーのテレキャスターが急に欲しくなった。


高価で希少なビンテージや真新しい新品など勿体ないし手も出ないけど、
出来れば昔は憧れだけで夢だったアメリカンクロームパーツの奴がいい。
そうなると狙い目は中途半端な位置付けで比較的価格が落ち着いている、
コロナ工場で作られた割と最近の中古だ。

やがて当初の予算をオーバーして手元にやってきたのは、
メイプルのネックにブロンドのボディーというド定番カラーで、
今では廃番になったシリーズの2017年物アメリカン・スペシャルだった。

付属品はフェンダーのソフトケースとギャランティーカードだけとはいえ、
ずっと仕舞い込まれていたらしく使うのが惜しいようなピカピカの個体。


2010年に登場して2019年に生産中止された、
アメリカン・スペシャルはカリフォルニアのコロナ工場で作られた入門機種で、
アメリカンの味わいを比較的入手容易の価格に押さえて、
初心者から上級者まで扱いやすさを目指したシリーズらしい。

実はアメスペのテレキャスターは電装系が特別で、
ピックアップがテキサス・スペシャルで、
トーンコントロールはグレースバッカーという、
上位機に使われるような電気系を搭載している。


上位機のプロフェッショナルが新しいものを提案しているのに対し、
2万円程安い価格差のお蔭で無駄を省いて、
加飾を捨てオーソドックスでシンプルになり、
却って昔のテレキャスターに寄った仕様になっているのが良い。

オマケにヘッドのロゴマークはモダンロゴと呼ばれるものらしく、
益々、’70年代の雰囲気が満開だ。

アルダーのボディーにメイプルのネックをボルトオンの4点留めにして、
ジョイント部分も四角で飾り気がなく、ブリッジもクラシカルな3連サドルで、
ボディーのエッジもしっかり立った学生時代には雲の上のテレキャスがついに降臨。

カスタムショップのテキサス・スペシャルというピックアップを調べると、
音量と各音域における音質に特徴があるフェンダー・ピックアップの名作で、
グレースバッカー・トーン・サーキットは、
トーンを絞っても音が丸くならないのが特徴らしい。


放置ギターは最初にチューニングをしなくてはならないけど、
昔は音叉さえ持っていなかったので、
NHKの時報の音を思い出しながら5弦5フレットをベースに、
他は5弦と解放弦でチューニングしていたけど、
今時はもっと簡単なチューナーがある。

ネットでフェンダーのピックが4枚オマケに付いた、
表示が液晶アナログメーターという、
中古のコルグのGA-1を購入したものの、
ケーブル入力だとなぜかメーターが全然振れず弦を一本切断。
マイク入力なら使える事に後で気が付いた。

そのまま、地元の楽器屋さんに持ち込み、
弦を張り替えてチューニングして貰い、
フェンダーのストラップと弦の錆止めスプレーを購入に加えて、
結局、新しいコルグのクリップ式チューナーを買い直した。


夜になってリビングでTVを見始めて暫くすると、
CMの合間にテレキャスターを連れて来て、
リットーやヤマハの教則本とか譜面を置く。

TVを観ながらピックも使わずシャリーンシャリーンと爪弾く。
コードを覚えたりTABを確認してコード進行の一部をやってみる。

高校の授業の課題曲であった”禁じられた遊び”を復習したりしていると、
最初の頃は指先の痛みとか疲れが何とも懐かしくて、
コードを少し覚えた後のコードチェンジの難しさも思い出した。

とにかく高校の頃と違い中々頭と体に入っていかないけど、
何かを爪弾いているのが楽しくて、
昨日は出来なかった事が上手くいくと何とも嬉しい。


取り合えずエレキギターなんだからアンプも探してみる。
中古で充分なので大きさとデザインと値段だけで選んだのが、
殆ど未使用品でフロントにクロームのグリルが輝いている、
VOX/mini5 RHYTHMという、
電池駆動も可能な最大5W出力の小型アンプ。

これが流石のデジタル時代のアンプで、
昔のアンプからは想像も出来ない多機能に驚く。

バッキングのパーカッションのリズムパターンなんか幾つあるか分からないし、
往年のギターアンプと思しき名前が刻まれたノブがあって何種類もの音質切替と、
内蔵しているエフェクターの種類だって素人には十分すぎる。

マイク入力もあってエコーはもちろん、
ライン入力もあるのでカラオケとか拡声器にも使えそうだし、
練習用の最大出力0.1Wモードなら電池駆動でも相当持つだろう。


普段はTVを観ながらのお気楽アンプラグドだけど、
アンプを通すとエレキギターの魅力は倍増する。

内蔵のエフェクターや音質切替だけで、
ギターが上手くなったかのように錯覚してしまう位だ。
簡単なコードを弾くだけでテレキャスが発している、
クリスタルガラスの様な音に思わず聞きいってしまう。

洋楽なら初期のジェフ・ベック氏に始まり、
それを譲り受けて使っていた初期のレッド・ツェッペリン/ジミー・ペイジ氏とか、
6弦を外したローリングストーンズ/キース・リチャーズ氏。

日本ならチャットモンチー/橋本さん、YUIさん、
元BOØWY/布袋さん、ハイローズ/真島さんはもちろん、
ミスチルの桜井さんも忘れてはならないし、
サザンの桑田さんも使っていたな…。
手練れの錚々たるテレキャス使いの顔が浮かぶ。


意外な事に、その筋のテレキャス使いは、
国産のテレキャスタイプやフェンダージャパンが大好きで、
大物が普及版のスクワイヤを使っているのにも驚いた。
ミュージシャンからすればテレキャスは単なる道具でしかないのだ。

こうなると、クルマで10分程の所にある、
地元のダイナ楽器製が気になってしまうし、
フジゲン製だって相当良いだろうなと思いつつも、
今はネットで眺めているだけ。

なにせ、昔は遥か彼方の憧れでしかなかった
フェンダーのテレキャスが例のクロームを輝かせて、
自宅の隅のギタースタンドへ寄り掛かっているだけで酒の肴。


楽器は実際に弾くだけがお楽しみにあらず。

テレキャスの本をめくっている時間や、
ネットで情報を集めたりショップに潜り込んだりして、
色んな奴をモニターで眺めているだけでも楽しい。


実は長野県にはギターの工房が沢山あって生産量が日本一。
松本では国産ギターの発表会みたいなものが年に一回行われていて、
今年も島村楽器の主催で”信州ギター祭り”が開催される。

今年は9/30~10/1に、もう直ぐ閉店の松本パルコ6階に集結する。


*信州ギター祭り2023ホームページ
https://shinsyuguitar.wixsite.com/website

事前予約のチケットが必要で90分毎に入れ替えという盛況らしいけど、
個人的に興味はあっても時間に縛られるのも人混みも苦手なので、
今時ならネットのリモートで何とかならんかなと思う。

何と言っても職人が拘って丹精を込めて作ったギターを、
実際に工房の人と話しながら選ぶなんていう行為は、
楽器道楽の一つの極みではないか。

そうやって見付けた地元産のテレキャスタイプ…。
それに近所にあるダイナ楽器製の
ジャパン・エクスクルーシブだって良いよなぁ…。

いやいやジョーダンじゃねぇ、アブねぇアブねぇ。





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最終更新日  2023.08.26 19:30:10
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