「ヘルタースケルター」という言葉。
しっちゃかめっちゃか。
「滑り台」という意味もあって、ビートルズの曲のタイトルにもなってる、と。
原作を読みました。
ああああ、そうだったのか。 ・・・ がいろいろ。
検事さんとりりこの不思議なファンタジー。
モノクロで(当たり前か)、東京も灰色。
妹と再会するのも最後に流れ着くのも、砂漠的な風景。
サンタフェ?セドナ?
羊ちゃんの串刺しの尖塔が怖いコマ。
映画は、監督のもの。
蜷川カラーが満開で、りりこの空しくてぺらっぺらの感じを出す。
銃撃のようなフラッシュ。
「りりこ、スマイル!もっと、スマイル!」「ふぁびゅらす☆」
らしいよねー。
何人もの写真集を売っている監督の懺悔、自虐、共犯意識。
どうしてもこの作品を撮りたかった訳は、これだよね。
最後の記者会見の場面もすごかったなあ。
一人春琴抄w と、整然としたフラッシュ。
りりことエリカ様の同一性が話題になってますが、
私はここが一番のシンクロ感でした。
多田社長が事前に言うのよね。
「いい? この紙に書いてある通りに言うのよ。
弁護士の先生にも見てもらってるから。
あとは何にも言わなくていい。」
監督は「さくらん」でも金魚を良く使っていて。
もともと、金魚は鮒の奇形だそうで。
フリークスにフリークスを重ね珍重される金魚になる、と。
それで、品川水族館の場面。
悠々と泳ぐ魚に安らぎを感じ・・・と思ったけど。
ちがうちがう。
こっちも水槽。擬似ナチュラルの見世物だよ。
突き抜けたピカレスクロマンのようで、爽快でした。
音楽も良かったしね。
エリカ様、次は清らかな普通の女の子なんかで観たいわ。
これより過激な役なんてそうないでしょうし。