第1次産業とオールドエコノミーの今
石油高騰を始め資源・エネルギーの話題が新聞紙上を賑わしている。石油高騰の次には、石炭・天然ガス・ウラン・鉄鉱石・レアメタル価格の高騰など資源価格関係の話題や、世界的な製鉄企業や鉱物資源採掘企業の巨大合併など、オールドエコノミー企業や第一次産業と呼ばれている資源利用企業の話題に事欠かない。さらには、石油ガソリン代替としてのバイオエタノール原料としてのトウモロコシやサトウキビといった食料と競合する農産物の高騰も広い意味で資源問題である。原因は、BRICs特に中国での需要急増や資源ナショナリズムが主要因だと言われているが、本当のところは良く分からない。確かなことは、資源供給者(国であったり企業であったりする)が「ぼろ儲け」しているということである。 ほんの数年前までは、鉱業や農業といった第一次産業に属する企業が表舞台に現れることはなかったかと思う。また、資源を利用する鉄鋼会社、資源を運搬する海運会社、運搬する船を作る造船会社といったオールドエコノミーに属する企業までもが過去最高の利益を計上するとは思われもしなかった。真の意味でグローバルに展開する企業は、海運業(日本郵船のように)を始めここぞとばかりに設備投資を行う選択肢もあろうし、かつて何度か大きなダメージを受けたことのある業界は造船業のように設備投資に慎重な場合もある(常石造船は別だが)であろう。正解は後になって判明することであるが、本当に今が企業戦略が問われていることは間違いない。日本企業はリスクを取らない場合が多いとか、業界内で同質の行動を取りがちだとか言われるが、資源を扱う第一次産業の各社にとって、このまま中国・インドなど新興国が順調に経済成長すると読むのか、二酸化炭素排出量削減の網が新興国に影響を及ぼすと読むのか十二分の見極めが必要である。この機会を逃すか勝負に負けるとすると、もう二度と世の中の表舞台には現れないだろう。