句と首 ~その4~
句と首 ~その4~
~その1へ~
~その2へ~
~その3へ~
~その5へ~
*2008年 4月*
4月1日
朝毎の
深きカップに
溶かすもの
ため息ひとつ
角砂糖ふたつ
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4月4日
清明の朝です。
清明と
いう子もひとり
新学期
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4月5日
朝陽ふる
もしもの川の
花いかだ
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4月6日
髪を切る
それだけのこと
春さがす
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4月9日
見てみたや
奈良の都の
つきあかり
上野の森をば
いかに臨さん
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4月12日
嬉しい季節です。
さてもさて
待ちわびの旬
まず茹でん
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4月15日
上野へ行きました。
花見の宴は終わっていましたがいつ行っても上野周辺は賑やかです。
外国の
言葉行き交う
広き森
水辺の小道は
著莪の花咲く
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4月21日
初鳴きは
字余りほどの
装飾音
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4月27日
藤の香を
初めて知りし
頃のこと
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*2008年 5月*
5月4日
しなやかに
若葉の頃の
味ひとつ
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柿若葉
哀しきほどに
濃きみどり
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5月10日
七十二候では「蚯蚓出る」頃とありました。
丘を引く
力はどこに
糸の雨
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5月11日
ひしゃげたる
赤きガーナの
箱ひとつ
いつから私は
あなたの母(笑)
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5月12日
花壇の隅のつわぶきをむきました。
つわぶきの
二日目の味
祖母おもふ
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5月19日
とりどりに
包みしパワー
背中押す
明日からのこと
明日からのこと
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5月20日
ボサノヴァを
聞きつつむくは
そら豆で
白帯もをり
黒帯もをり
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今日は黒
そら豆の似合う
器なり
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*2008年 6月*
6月1日
踏み切り横の窪地はドクダミで被われています。
名前と容姿のギャップが大きい花の一つなのかもしれません。
ドクダミの
白き谷ごと
ゆれる朝
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6月10日
白花の
決意のほどを
知る日なり
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6月13日
電車の窓から栗畑が見えます。
あの細長い花がイガイガに変わるのですよね
その 変化
最たるものに
栗の花
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6月18日
「枯れたがる」
そう言われても
夏椿
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6月24日
おしなべて
こちら向き咲く
タチアオイ
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6月29日
6月も終わろうとしています。
梅雨らしい雨の日曜日でした。
静やかに
パ行の雨音
響きをり
普通に近づく
六月の日々
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6月30日
葉も蔓も
伸びたきように
伸びてみよ
込めたる力は
青き匂いぞ
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*2008年 7月*
7月15日
ほおずきを
奏でてみたし
ゆうまぐれ
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7月20日
あまりある
割り算のごとき
日々なれば
陶器も蝉も
潔く見ゆ
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7月23日
暑い日が続きます。
猛暑にて
嵩はかどらぬ
近き道
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~その5へ~
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