憲法9条が求めた人間とは
*対抗言論のページ*より高橋亨です。 in [noforce.5419], D.Mさんwrote: > 日本国憲法の「平和主義」は、自衛のための組織的な武力行使さ >え捨てているものと私は考えています(異論もあるでしょうが)。 >それだけの丸腰を宣言しなければ、これまでとは違う価値観の問題 >解決はできない、という決意のあらわれであり、だからこそ、これ >に賛同する国を増やしていくことが求められるのだと思うのです。 いつも辛淑玉さんの引用ばかりで申し訳ないんですが、日本国憲法の「平和主義」に関して、彼女はこんなことを言っています。(2001年8月22日、長崎市での講演) ご参考まで。 -------------------------------------------------------------------- 憲法9条が求めた人間とはどういう人なのか。サンプルがひとつあると思 います。それは「ペルー日本大使公邸人質事件」の時に人質を助けた人です。 フジモリさんが大統領だった時、日本は橋本首相でした。ペルーで日本大 使公邸が占拠され,多くの人が人質になりました。あのとき橋本さんは木村 屋のあんパンを持って行きました。何の役にも立たない。そしてフジモリさ んはゲリラを全部殺戮した後に、防弾チョッキを着てピースサインをしまし た。多くの人が,フジモリさんが人質の命を守ったと言います。 嘘です。本当に人質の命を守ったのは,国際赤十字のミニングさんです。 彼は,最初人質の中にいました。自ら手を挙げて『私が交渉します』と言 いました。そして彼は,赤十字のゼッケン1枚つけて,権力側の銃口と,ゲ リラ側の銃口の間にあって,臆することなく,いつも下をむいてバギーをが らがらがらと。威張ってないわけですよ。威張らなくて,そして,何回も何 回も往復し、人質を励まし,食料を運び,宗教者を連れて行き,そして夢を 語り希望を語り,自分は素手でずっと何回も何回も行き来していました。 国際社会が望んだ日本の姿は,そこにあると思います。日本人は、一度と して憲法9条というゼッケンをつけて国際紛争の中に入ったことはありませ ん。いつも腐った男のなれの果ての結果である暴力,武力,軍隊、こういっ たものを背中にしてきました。 一国平和主義ではいけない。確かにその通りです。かつて,自民党は社会 党にそう言って,お前たちは一国平和主義だとなじりました。確かに憲法は 一国平和主義ではありません。日本国憲法は,武力を放棄し,そして憲法9条のゼッケン1枚つけて国際紛争の中に入り,そしてこの精神を広めなさい 、と言っているのです。 -------------------------------------------------------------------- イラクに行っている自衛隊は何も武器を持たずに行くべきだったのだ。軍隊を使って国際貢献なんて出来るわけがないのだから。軍事に使われているお金を建設的なことの方に使うべきなのだ。それに日本の借金がとうとう1000兆円に膨らんだ。国の借金が今年3月末で781兆円に達し、これに地方の借金200兆円強、さらに隠れ借金を加えると、大台を突破したというのだ。 1000兆円といっても天文学的数字すぎて、庶民にはまったくピンとこないが、国民1人あたりざっと1000万円、4人家族なら4000万円の借金を背負い込んだのと同じだ。 この国の年間の税収は50兆円足らず。仮に支出をゼロに抑えても返し終わるには20年もかかる。要するに、この国は借金地獄で破産しているということだ。最低限、軍事に金を出して欲しくない。