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2014年12月15日
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はぁ~、もうね。凄すぎます。なにがって、羽生選手のジャンプ。本当に。

解説の佐野稔氏も、「凄い」の連発。それ以外、言いようがないですよね。本当に。よくパンクしていたという不調のルッツに入るときは、「まっすぐ…まっすぐ!」と、解説を忘れて、身内視線炸裂。よ~く気持ちはわかります(笑)。

そのくらい、スリリングな高難度構成だった。そして、いちいち凄いジャンプだった。4回転なしで「無難に」プログラムをまとめた選手が金メダルという、ボイタノ時代に逆戻りしたかのような「フィギュアスケート男子暗黒時代」のバンクーバーから5年弱。これほどの高難度のジャンプを、これほどの完成度で跳ぶ選手が出るとは。そして、それが日本人だとは! この奇跡のような歓喜を、どう言葉にしていいかわからない。

羽生結弦の登場は、女子では伊藤みどりの登場によって、それまでのフィギュアスケート女子の概念が一変したのと同じようなインパクトがある。羽生選手は男子のジャンプのレベルを次の次元に引き上げた。皇帝・プルシェンコが君臨していた時代を振り返って田村氏が、「他の選手には、もしかしたら勝てちゃうかなと思うこともあったけど、プルシェンコだけには絶対勝てない気がした」と言っていたが、羽生選手のジャンプのレベルを見ると、ついにその皇帝に匹敵する能力を備えた選手が現れた、と、そう思う。

あの、高く上がり、シュッと目も留まらぬスピードで回り切ってしまう4サルコウ。いっそ「3回転が高くなっただけ」にさえ見えるほどの4回転トゥループ。4回転ジャンパーは過去数多く出たが、これほど易々と余裕をもって4トゥループを降りてこれる選手はちょっと記憶にないくらい。

さらに、トリプルアクセルの「絶対度」。

フリー演技前に、体を温めるために、まるでスピンがわりのようにトリプルアクセルを跳んでしまう。過酷なフリーの後半に、トリプルアクセルを、2つとも連続ジャンプにする。しかも、そのうちの1つが、

3A+1Lo+3S

って…。絶句。これだけだって、できる選手が世界中に何人いるのだろう?

フリーの最後の3ルッツは、もう体力も尽き果てたのか、高さが出ずにアンダーローテーション判定での転倒になってしまったが、ロシアの2選手のように、最後をダブルアクセルにすれば、転倒も防げてプログラムはまとまるだろうし、3ルッツの回転不足での転倒になるより、点は確実に取れる。

だが、羽生選手は、あくまでも調子の上がらない3ルッツで来た。「ここでやっておいてよかったと思う」という佐野氏の言いたいことはよくわかる。基本、挑戦しすぎのプログラムが嫌いなMizumizuも、ここは全面同意する。他の挑戦しすぎのプログラムで、何年もあちこちで失敗を繰り返す選手と違い、羽生選手の場合は、他の高難度ジャンプにほとんど問題がない。4サルコウこそ転倒が多かったが、そのほとんどで認定されている。

もともとルッツは跳べるし、乱れたルッツを修正して盤石にしていくためにも、体力面での限界値を上げていくためにも、フリーの最後の3ルッツはやっておいてよかったと思う。

3ルッツでアンダーローテーション判定での転倒になったので、ここの点数はたったの2.52点だったが、それでも技術点は103.30点。3ルッツを後半に跳んだ場合、基礎点は6.6点だから、3ルッツが入れば、単純計算で技術点は108点台が出ていたことになる。

はぁ~~。

もうね、後半に4回転、いらないんじゃないですか? それは来季以降ということで。現状でも、「人間ですか、神ですか」なワケで、次回は3ルッツを降りてください。

で、フリーはあれだけの高難度だから仕方ないとはいえ、ショートをね…コケないショートをお願いします。もう、それだけ。

で、プログラムは何でしたっけ? ロミオ? あ、ファントムか! まあね、もう何でもいいです。何をやっても羽生結弦は羽生結弦。

跳んで秀麗、ポーズを決めて美麗、強い視線を投げて不敵、笑ってかわいい。

ほっそりした上半身には、ブルーを基調に華麗な装飾を施した衣装がよく似合う。ドレープやレースも彼のきれいな体のラインを引き立て、指さえセクシーに演出する。ショートの衣装のように、もともと長い脚をさらに際立たせるよう、腰にサッシュ・ベルト風のディテールを使ったりと、ファッションセンスの光るコスチュームは、毎回見るのが楽しみだ。

フィギュアスケート興行は、今や羽生君頼み。どれだけの大人の生活がかかっていることやら?

演技構成点は、技術点が100点越えだということを勘案すると、むしろ低いぐらいの91.78点。2位のフェルナンデス選手が技術点87.50点に対して87.22点で、羽生選手との技術点の差を考えると、フェルナンデス選手にもいい演技構成点が出たと言えるのではないだろうか。

ミーシンに代表される、「演技構成点は技術点とのバランスを考えるべき」という指針に、わりあいに沿った採点で、これもソチ五輪基準だと言っていいと思う。トップ選手同士の争いで、技術点で圧倒的に勝っているのに、演技構成点で10点とか15点とか下につけられるという、暗黒バンクーバー五輪基準のころに比べるとずいぶんとマトモになった。

ただし、それは例によって金銀を争う選手に対してだけ。

他の選手に対する演技構成点は、相変わらずひどい。

http://www.isuresults.com/results/gpf1415/

ロシアの2選手に対しては、「あんたら、どっちが3位でもいいよ。技術点で決まりね。公平でしょ?」採点。
ボロノフ(技術点83.05点) 77点
コフトゥン(技術点76.35点) 78.90点

日本の2選手に対しては、「羽生君さえ点出しとけばいいでしょ? あんたら2人は、もうそれだけ失敗したらね、圏外、圏外!」採点。
無良(技術点80.76点) 76.26点
町田(技術点56.23点) 75.08点

技術点とのバランスで言えば、実は一番演技構成点が良かったといえるのは、最下位の町田選手だった、というオチ。これが「ISU特別強化指定選手」なら、ジャンプを失敗してももっと出るだろうが、逆に、あまり実績のない「フィギュア小国」の選手だと、技術点が出ても演技構成点がまったく上がってこないから、町田選手の点はそうした選手に比べれば、まだ評価してもらっているとも言える。

結果だけを見れば羽生結弦は無敵に見えるかもしれない。だが、1つの高難度ジャンプを失敗すれば、それだけで10点から点が下がってくる、非常にリスキーなプログラムを組んでいるのも事実だ。にもかかわらず、難しいジャンプでの失敗が誰よりも少ない。

他の選手も体調を整えて、まずは自分で組んだジャンプ構成をミスなく演じて跳んでほしい。それも限界ギリギリの。

ボロノフ選手のように、ジャンプの助走をすーっと長く滑って、バーンと跳ぶだけではダメ。それはプルシェンコ時代のジャンプの入りかた。難しい入り方をしなければ。ことに羽生結弦を見たあとでは、見劣りがしてしょうがない。

ボロノフ選手のように、4Tは1つ入って、ルッツもトリプルになって、3トゥループ+3トゥループも入れた、ワーイ! でも実は、フリップ跳ばずに、最後はダブルアクセルで安全策…では、優勝候補がよほどの失敗をしてくれない限り、いくらきれいにプログラムをまとめても、獲れて銅メダル。

それが羽生結弦の時代だ。






最終更新日  2014年12月16日 16時26分35秒

2014年12月14日


ラジオノワ選手VSトゥクタミシェワ選手という、ロシア2強の優勝争いの様相を呈していたグランプリファイナルのフリー。制したのは、トゥクタミシェワ選手だった。

本当に圧巻の演技。安藤美姫がいなくなった今、あのように力強く、バランスのいい放物線を描くジャンプを見せてくれるのは女子ではトゥクタミシェワ選手だけかもしれない。加えて、ルッツ、フリップともエッジの踏み分けがきちんとできる。コストナー選手がいない今、女子トップ選手では一番正確に踏み分けができる選手と言っていいかもしれない。強いのも当然だろう。

11月18日のエントリーでも書いたが、もともと彼女はソチ五輪のために強化された選手で、本当なら浅田真央選手やソトニコワ選手と金メダルを争っているハズだったのだ。ソチ近くになって、体形変化にともなうジャンプの乱れと怪我に襲われたのは、4年に一度というオリンピックにピークを合わせるのが、フィギュアスケート競技ではいかに難しいかを物語っている。

ラジオノワ選手も非常によかった。フリーの技術点はなんと、トゥクタミシェワ選手とまったく同じ。演技・構成点の点差もわずかで、1つの失敗が1位、2位の明暗を分けた印象。こういうジャッジングは非常に公平で、おもしろく、また納得しやすい(ただし、ソチ同様、1位・2位を争う選手に対してだけだが)。

心配なのが、リプニツカヤ選手。ショートでの「トリプルフリップ」に対する「E」判定が、バズーカ砲のように彼女にショックを与えたようだ。フリーで2度組み入れたフリップジャンプは、1つはシングル、2つ目はダブル。

グランプリファイナルのショートでいきなり、フリップが不正エッジの選手にされてしまった彼女に対するフリーでの判定は、シングルフリップが「E」。ダブルフリップが「!」。解説の織田氏はルッツのほうを気にしていたが、ショート同様、こちらはエッジ違反なしの加点。

だが、リプニツカヤ選手のルッツは若干やはり疑わしく見える。このままだと、ルッツで違反を取られたり、フリップで違反を取られたりする不安定な選手になりかねない。日本選手だと中野選手、鈴木選手にその傾向があった。現行ルールでは、エッジ違反は非常に痛いから、リプニツカヤ選手の課題は、今後はいかに明確にエッジを踏み分けるかになるだろう。

リプニツカヤ選手は、若干体形が変わり始めているように見え、ここをどう乗り切るか難しい時期を迎えたようだ。去年の安定感とは打って変わったジャンプの不安定さ。ダブルアクセルは、「<<」を取られても文句を言えないような回転不足での転倒だった。非常に速い回転力で回る、彼女のもつジャンプの「タイプ」から見ても、成長すると跳べなくなるパターンの選手のように見える。

ラジオノワ選手も、今は手足が非常に細いが、長い四肢に女性らしい肉がついてくると、ジャンプが跳べなくなってくるかもしれない。あの若さで表現力も卓越したものがあるが、4年に一度というオリンピックを考えたとき、ソチは少し早すぎ、平昌は少し遅すぎた…と言うことにならないとも限らない。身体の成長と技術の停滞にどう折り合いをつけていくのか、心配はそれだけだ。

本郷選手も悪い出来ではなかったが、本人も言っていたように、セカンドに跳ぶトリプルトゥループが明らかに回転不足。ルッツは「E」判定で、トリプルを跳ぶ意味のない点。加えてダブルアクセルが抜けた。これでは技術点は伸びてこないし、技術点を伸ばさなければ、演技構成点は当然上げてはもらえない。いや、技術点を伸ばしたって、演技構成点が上がるとは限らないが、それでも、今は以前よりは技術点に応じて演技構成点も出るようになってきている。実績のない選手は最初は演技構成点は出ないが、それでもミスのない演技を続ければ、それなりにジャッジは演技構成点も出してくる…ことが以前よりは増えた(苦笑)。

本郷選手のフリーの演技構成点は55点にのっていない。これはハナっから、「メダル圏外仕分け」の点。表現力どうこうより、まずはジャンプだろう。そして、ほぼ「E」判定されることが明確になってきたルッツをどうするのか。

日本女子はつくづく、回転不足とエッジ違反に足を引っ張られている。こんなことは今さらなのだが、回転不足判定とエッジ違反の厳格化がなされたバンクーバー以前に、どうしてもっと本腰を入れた対策を若い選手に対して取らなかったのか…。

そして表現力。日本女子選手も皆いいものをもっているが、ロシア女子は、年齢は若くてもそれぞれが卓越した、大人びた表現力をもっている。独特のしなやかな腕の動きをアラビックでエキゾチックな曲にのせて魅せるトゥクタミシェワ。長い手足をダイナミックに使い、しなやかなポーズ、溌剌とした表情で観客を魅了するラジオノワ。憂いを秘めた怜悧なルックスの美しさに加え、そこここでピタリとバレエ的な所作をちりばめて氷上で物語を作り上げるリプニツカヤ。

リプニツカヤ選手の練習風景で必ず出てくるのはバレエのレッスンのそれだが、ロシアの女子はバレエの基礎教育が徹底している。フィギュアでは、長くバレエを表現力の規範としてきたから、この基礎的な力は、表現力の評価で大きな武器になる。浅田真央が奇しくもテレビ「世界不思議発見!」で、なぜフィギュアで「バレエ的表現」が高く評価されるのか、そのルーツを紹介していたから、ご覧になった方も多いと思う。

女子を席巻するロシアとの差を見せつけられるにつけ、それはそのまま選手を強化する側の意識の差だと思わざるを得ない。








最終更新日  2014年12月15日 03時20分03秒

2014年12月13日


グランプリファイナル男子ショートが終わった。

改めて、競技会場の客席数(キャパシティ)の少なさに、ヨーロッパでのフィギュア不人気の現実を思い知らされる。ワールド銅メダリストのホーム開催だというのに、スポンサーも日本の企業(含む在日系資本)ばかり。

さて、男子ショートの感想を端的に言うなら、難度の高いジャンプを「降りる」かどうかではなく、「回り切れる」かどうかを競っていることが非常に鮮明だった、ということに尽きる。

これはもう選手のほうには徹底されていて、皆回り切ることに意識を集中させているから、その分、こらえたような着氷が多く、見た目の印象はよくないジャンプが多かった。だが、プロトコルを見ると、回転不足を取られた選手が一人もいない。

フィギュアスケート(シングル)は完全に変わってしまったのだ。かつては転倒こそ一番の、致命的なミスだったが、もうそれは違うのだ。技術審判の回転不足判定を見ても、いわゆる「グリ降り」には非常に厳しく目を光らせている。一方で、転倒ジャンプでは認定されるものが案外多い。その判断は、「グリ降り取り締まり」の厳しさに比べると甘く、しばしば解説者との齟齬を招くほどだ。

「回り切ること」にそれほど価値を置くことに賛成できないことは、すでに何度も書いているので、ここでは繰り返さないが、ソクラテスじゃないが、「悪法も法なのだ」。そういうルールのもとでジャッジングがなされている以上、それが適正に運用されていれば、とりあえずジャッジに対して文句を言うつもりはない。

「バンクーバー以降、フィギュア(シングル)のジャッジがどんどんおかしくなった。ソチではさらにおかしくなった」と感じている人がいるとすれば、このコペルニクス的な価値観の転換に気付いていないことが根本にあるだろう。多くの人にとっては、いまだに転倒が一番目立つミスで、「降りて」いれば、それがごまかしの着氷であっても、成功に見えるからだ(もちろん、それは自然なことだと思う)。

繰り返すが、ソチではバンクーバーより、はるかにフィギュア(シングル)はスポーツとして公平なジャッジングが行われたのだ。それはつまり、印象より客観性が重視され、「より難しいことを、より正確に行ったものが勝つ」という原則に従った判定がなされたという意味において。

今季のジャッジングも、方向性としては、それを踏襲している。

今回の男子ショートでは、グレーゾーンのジャンプの着氷はあったと思うが、グレーゾーンでアンダーローテーションを取られる選手と取られない選手がいるという不公平もないジャッジングだった。

Mizumizuとしては、コフトゥン選手が4回転の精度を上げてきたことに大きな拍手を送りたい。これがもう1年早かったらと、そこは悔やまれるが、ソチ五輪に向けて、高難度ジャンプを多く跳びながら、テレビ画面からもハッキリわかる回転不足ジャンプを連発していたころとは格段の差がある。

羽生選手については、何も言うことはない。あれだけのアクシデントから、これだけの短時間で、あそこまで秀麗な高難度ジャンプが跳べる選手だ。コンディションさえ普通なら、彼は、まさに「絶対氷帝」のジャンプを跳ぶ天才。とにかく、体のケアを周囲のプロフェッショナルに切にお願いするばかり。トリノシーズンの本田選手、ソチシーズンの高橋選手・小塚選手にならないように。それだけだ。

町田選手には、内心完璧なショートを期待していたのだが、あるいは、それは求めすぎだろうか? だが、彼にとって今年はチャンスなのだ。去年のワールドで初出場銀メダルという快挙を成し遂げ、こう言ってはなんだが、羽生選手は今年はコンディションが悪く、フェルナンデス選手も出来に波がある。ビジネスライクな言い方をあえてするなら、平昌を見据えていろいろな挑戦をしていられるほど、町田選手に時間が残っているとは思えないのだから、今年ワールドを獲らなければ! ワールドチャンピオンという称号を得るのと得ないのとでは、その後の人生がまったく変わってくる。幸い今季のプログラムも非常に上質で芸術性も高く、演技構成点も高く出ている。あとは、去年の調子のよいときのようなジャンプを跳んでほしい。

無良選手は…どうして、こうなってしまうのかな。もちろん選手は失敗するつもりで試合に出てるわけではないから、失敗を責めても、それは愚痴になってしまうかもしれない。だが、せっかく初戦であれほどの演技をしたのに、その後が続かないのは何故なのか。

このままでは、大きな大会でジャンプの跳びすぎだとか、大技の失敗だとかを繰り返していた織田選手のようになってしまう。そもそも、無良選手には「大事な試合に弱い」というイメージがつきまとっている。強い選手が揃っている日本男子で、彼のようなポジションの選手には、めぐってくるチャンスは少ない。スピンやステップのレベルの取りこぼしはあえて(テクニカルパネルの判定の公平性も含めて)言わないにしても、だからこそ、ジャンプは「全部」クリーンに決めなければ。いや、せめてショートでのジャンプでのミスは「1つ」にしなければ。そうしなければ、ことに抜群のスタイルと圧倒的スター性をもつ羽生選手とでは、勝負にならない。

ボロノフ選手は、27歳という、フィギュアスケーターとしては若くない年齢で、世界トップ6が競う大会に食い込んでくる能力は凄いと思うのだが… だが、やはり、この高難度ジャンプ時代の男子シングルで、ショートに「トリプルループ」は、どーよ? と思う。

オープニングにいくら4T+3Tを決めても、ラストがトリプルループでは、「はぁ?」と拍子抜け。あまりに竜頭蛇尾だ。「羽生結弦以前の時代」なら許されたかもしれないが、時代というのはあっという間に変わる。フリーでは、まさかまた、「フリップ抜き、ルッツはダブル」じゃないでしょうね? 今の男子シングルで、それはもう許されませんから。とにかく、フリップを跳ばないなら、せめてトリプルルッツを決めてください。

4回転ジャンプは誰にとってもリスキーなものだが、跳ばなければ勝てない。跳んで、回り切ることができれば、転倒でもチャンスは生まれる。そしてもうひとつ、他のジャンプの難度も大事だということ。基礎点の高いジャンプをいかに回り切る能力があるか。男子シングルは、今はそれを競うスポーツと言っても過言ではないだろう。

これは、プルシェンコが、ミーシンが、タラソワが言っていた、フィギュアスケートのあるべき姿だ。

競技としてはとても面白い。誰が勝つかわからない。フリーの演技を楽しみに待とう。











最終更新日  2014年12月13日 23時56分05秒

2014年12月12日


グランプリファイナルの女子シングル、ショートが終わった。本郷選手は素晴らしい演技。フリーもこの調子で頑張ってほしい。

1つ、リプニツカヤ選手に対する判定で非常に気になったことが。

織田氏の解説を聞いていた人は、リプニツカヤ選手の冒頭の連続ジャンプ、トリプルルッツ+トリプルトゥループのルッツの踏切エッジが「中立」で、減点対象となり、それで点がもうひとつ伸び悩んだのだと思ったのかもしれない。

点で出たときのリプニツカヤ選手の表情は、ソチ五輪で滑るたびに高得点が出て喜んでいたときのそれとは雲泥の差だった。演技終了後の満足そうな表情から一転、見ようによっては怒っていたようですらあった。彼女としては、間違いなくもう少し高い点が出ると期待していたはずだ。

Mizumizuも、プロトコルを見るまでは、ルッツで減点されたのかと思っていた。ところが、ところが。

なんと、技術審判は彼女のフリップに、「E」判定をしているではないか!

http://www.isuresults.com/results/gpf1415/gpf1415_Ladies_SP_Scores.pdf

えっ??

テレビ画面ではスロー再生もされたので、何度か見返してみたが、織田氏も「きれいにインサイドで踏み切って」と言っているように、どう見てもフリップだ。

強いて、本当に無理やり言うなら、踏み切るときに「しっかりとイン」にのらずに、一瞬アウトサイドのほうにぐらっとしたかもしれないが、踏み切るときはインサイドで踏み切っている。

逆に織田氏が「減点…」と言ったルッツ+トゥループの3+3のほうは、「!」さえついていないので、2点加点をつけたジャッジが多く、基礎点10.10に対して11.30という高得点になっている。テレビで見ると、ちょうどルッツを跳んだときに真後ろに近い場所から撮っているから、踏み切るときにエッジがスライドして、中立(Mizumizuの目には、むしろ若干インに入ってしまってから踏み切っているように見えた)になってきているのが写っていた。

リプニツカヤ選手は元来このように、アウトエッジで踏み切るのが苦手な選手だ。恐らくルッツのエッジは矯正しようとしているし、その影響でフリップの踏切が、少し乱れているのかもしれないが、それにしても、インサイド踏切に対する「E」というのは妥当なのか? 

この判定により、解説の、つい先シーズンまでトップ選手として活躍していた織田氏でさえ、「素晴らしいジャンプ」と疑わなかったトリプルフリップの点がたったの2.67点、加点をもらったダブルアクセルの4.34点よりはるかに低い、「トリプルジャンプを跳ぶ意味のない点」になってしまった。

今季のルールのキモが、wrong edgeに対する厳しい減点であることはすでに述べたが、減点が厳しい以上、正確な判定が不可欠だ。

ところが、先日エントリーにあげた町田選手のフリップに対する「E」判定もそうだったし、今季はフリップへの判定そのものに、かなり疑問がある。やたらと「!」が増えたのは、まあ、ある程度仕方ないかもしれない。だが、「E」は基礎点減点のうえにGOEでも減点という、「二重の減点」が待っているのだから、明らかに間違ったエッジの踏切に対してのみ、慎重かつ厳正に付けられるべきだ。

また、「技術審判が見ているカメラの位置」がどうとか言うのだろうか? だが、1台のカメラの位置で正確に判定できないような判定を、技術審判にさせるべきではなし、それによって大きな減点をするのは、さらに適切ではない。

多くの人は「バンクーバーから判定がおかしくなった」と思っているらしい。だが、それは違う。フィギュアの採点はバンクーバーの2年前のルール改正からおかしくなった。それが頂点に達したのがバンクーバー五輪で、多くの人はオリンピックでしかフィギュアに注目しないので、気付かなかっただけなのだ。その後ルールは改正され、ソチではむしろ、スポーツとしては公平になってきている。

だが、こういう判定を見ると、バンクーバーの負の遺産はまだまだ大きく影を落としていると思う。

解説の織田氏は、1年目とは思えない軽快で明るい声のトーン、ルールにそった明確で分かりやすい解説が出来ていて、舌を巻くばかりだ。「年収が現役時代より上がった」というのも頷ける。

何度か試合を経て、彼は、「どういうジャンプが女子で回転不足を取られているか」を学んだようだ。

グランプリファイナルの女子ショートの解説で織田氏は、回転不足に対して明らかにこれまでより慎重に話すようになった。ラジオノワ選手の転倒した3ループに関しては、「もしかしたら回転が足りなかったかも…」と指摘していた(実際には、「回りきっての転倒」ということで認定されて基礎点は入っている)が、こういうことはこれまでにはあまりなかった。これまではむしろ、自分が素晴らしいジャンプだと思ったら、素直にそう口にしていた。

ところが、「素晴らしいジャンプ」のはずが、プロトコルを見るとアンダーローテーション判定され、減点されている。

たとえば村上選手の連続ジャンプで、アンダーローテーションを取られるパターンの降り方を見ても、織田氏が疑いをもたずに褒めているのを聞いて、Mizumizuはむしろ驚いたのだ。ついこないだまで現役選手だった、しかも日本の男子選手でさえ、女子で行われている回転不足判定の傾向をあまり意識していなかったのか、ということに。

これも「いつか来た道」だと思う。八木沼氏や本田氏も、最初は思ったとおりのことを言っていたが、だんだん自分の見た目での印象とプロトコルに記載されたスペシャリストたちの判断が違っていることに気付いて、はっきりしたことは言わなくなった。録画の場合は、解説者はプロトコルを見たうえでジャンプの評価を述べるから、ライブのときとは違って、変にプロトコルと符合するのが逆に不自然なくらい。

Mizumizuとしては、解説者・織田氏には思ったとおりの意見を言ってほしい。もちろん、本田氏のように、「足りないかも…あとはスペシャリストの判断ですね」「回ってる…と思うんですが、あとはスペシャリストの判断ですね」と、自分の見た目と技術審判の判断が違うかもしれないという意味のコメントを付け加えるのもいいだろうし、杉田秀男氏や八木沼氏のように、「これはギリギリ…どうでしょうか、取ってほしい」というような話し方をしてもいいとは思うが。

スペシャリストは神でも仏でもないし、判定に使われるカメラは一台で、判定の精度には疑問がある。一流選手でも一流ジャッジでも、その試合の技術審判とは違った判断をしていることもある。それが公けになってきただけでも、むしろ喜ばしいことなのだ。盲目的にジャッジを信じては不正の温床になるし、あるいは不正がまったくなく、ジャッジがあくまで公明正大だとしても(プッ…失礼)、不適切な判定は起こってくる。それを議論して、より公平なルール運用がされるよう監視するのが、大会を運営する組織の使命だろう。

今回のリプニツカヤ選手のフリップに対する「E」判定も、議論すべきだとMizumizuは思う。














最終更新日  2014年12月13日 00時19分39秒

2014年12月03日



NHK杯女子シングルの村上佳菜子選手の演技は、非常によかった。フリーでダブルループの跳びすぎによって、3連続ジャンプが0点になってしまったミスはあったが、中国杯からジャンプ構成を変えたにもかかわらず、よく対応していたと思うし、ダブルジャンプの跳びすぎのミスは、1度やれば恐らく次からは気を付けるだろう。要は最初の3ループの予定のジャンプがダブルになった場合に、2ループを1回だけ跳ぶようにするだけなので、慣れればそれほど難しいことではないはずだ。

演技として非常に魅力的だったのは、ショートとエキシビション。ショートは最初から世界に入って演じていた完成度の高いものだった。また、エキシナンバーのフラメンコは、大きなモーションで情熱的に踊れる村上選手にピッタリで、滑りの緩急の付け方にテクニックの進歩が感じられ、「少女」が席巻する女子シングルの世界で、「フレッシュな成熟」という独自のポジション――つまり、まだ溢れる若さがありながら、もう少女ではないという意味――を誇示できる最高の選曲だった。

来季はフラメンコを競技用のプログラムにしてはいかがでしょうか?

さて、気になっていた村上選手の回転不足問題。トリプルルッツのない村上選手にとっては、他の3回転ジャンプを回転不足判定されないことは至上命題だと思うのだが、これがなかなかうまく行かない。

シニアに上がりたてのころは、跳べば高い加点のついた3T+3Tも、気が付くと回転不足判定が増えてきた。NHK杯ではショートのセカンドで取られたが、逆に(過去には)ファーストで取られることもあり、しかも、遠目には織田氏じゃないが、「高さといい、流れといい完璧」に見えているのに、スロー&アップにすると微妙に「ん?」という回転のジャンプで「<」判定されることが、今回のNHK杯に限らず散見される。

だが、たとえアンダーローテーションを取られても、村上選手の3T+3Tに対しては、プラス1を付ける演技審判もいて、今回のNHK杯ではショートでの点が7点、認定されたフリーになると加点3もちらほらついて9.7点。やはり、彼女の3T+3Tは大きな武器だと言える得点だ。

中国杯では2A+3Tを跳ぼうとしてシングルになってしまったが、3T+3Tにはそういった、ジャンプそのものの失敗も少ないことではあるし、ショートもフリーもやはり、オープニングジャンプは3T+3Tで固定したほうがよいように思う。村上選手は3T+3Tに向かっていくときのスピード感も素晴らしく、これが例えばオープニングに「単独3ループ」となると、見ているほうも「へっ?」と肩すかしをくらったような気分になってしまう。

成功したかに見える3T+3Tに対するアンダーローテーション判定に関しては、今のところ取れる対策はあまりないのかなと思う。本当に微妙な差、もしかしたらカメラの位置で変わってくるような判定だから。強いて言えば、少しウエイトを落としてみてどうなるか…というところだろうか。もちろん、ウエイトオーバーということはないし、痩せてしまってパワーがなくなってしまったら元も子もないが、微妙な体重の増減でジャンプのキレが違ってくるのなら、村上選手も20歳を超えて女性としてはウエイトコントロールがしやすい年齢になってきたし、やってみる価値はあるかもしれない。

実は深刻だと思うのが、3連続ジャンプのアンダーローテーション判定。

中国大会では、3Lo(<)+2T+2Lo(<)という判定だった。ループからの連続ジャンプに「リスク」があると指摘したところ、コーチも同様に考えたらしく、ループからの連続ジャンプを外し、サルコウからの連続ジャンプにしてきた。

が…

今回も3S(<)+2Lo+2Loという判定。キックアウトされて0点になったが、点数が入ったとしても、最初の3回転でアンダーローテーションを取られたのが痛い。村上選手の3連続は、ポンポーンと間をおかずに跳ぶので、見ていて小気味いいのだが、どうもどこかで回転が足りなくなることが多い。今季に限らず、村上選手の3連続はときどきこういう判定になる。取られないこともあったが、それでもやはり「疑わしく」見えることが多々。

ここをなんとかしなければ、と思う。判定のブレを自分たちに都合のいいほうに解釈していては、肝心の大きな大会で取られて順位を伸ばせないということになりかねない。Mizumizuの印象では、何度も3連続ジャンプで回転不足を取られながら、ここ数年あまり改善がされていないというふうに見える。同じように跳び、同じように取られる。

3連続はとりあえず封印、という手もあるかもしれない。まずは2連続に留めて、確実に回り切って降りる。そこから始めてはどうか。

そして、ルッツをどうするのかという問題。たとえばゴールド選手は、E判定を取られた3フリップをNHK杯ではダブルにしていた。ダブルでも「!」は取られたが、トリプルフリップに比べたらエッジの問題は明らかに軽度で、Mizumizuにはわずかではあるがインサイドにのった踏切に見えた。少なくとも、「明らかなwrong edge」でないことは確かだ。

だが、GOEはマイナスが多く、結局2点にもならない得点(基礎点が後半なので2.09点。GOE後の得点は1.96点)。アメリカ大会のE判定3フリップの得点が3.37点なので、ダブルよりはwrong edgeでトリプルを跳んだほうがややマシな点といったところだろうか。

村上選手がE判定を承知でルッツを跳んでも、現状では成功したダブルアクセル(3点台後半が目安)のほうが点がいい。とすれば、やはりルッツは抜いて、NHK杯のジャンプ構成を基本にするのが今は一番いいだろう。

ただ、日本女子はジュニア・ノービスに素晴らしい選手が控えている。彼女たちは最初から回転不足やエッジ違反が大きな減点になるルールのもとで指導を受けてきているから、すでにルール対応ができているか、あるいは矯正・改善をしていくにしても、まだ間に合う年齢だ。村上選手が今後、次のオリンピック出場をこうした年下の選手たちと競うことになった場合、ルッツがないのが「アキレス腱」になってくるかもしれない。

といって、ルッツのエッジ矯正は今からではあまりに危険だ。村上選手はフリップも盤石ではなく、思わぬすっぽ抜けや転倒が多い。ルッツを今から本格的に矯正したら、フリップジャンプまで乱れに乱れてしまうかもしれない。

安藤選手はフリップの矯正で、1年間ルッツでも転倒を繰り返した。今季、リプニツカヤ選手はフリップの調子が非常に悪いが、あれもルッツを直そうとしていることと関係しているかもしれない。リプニツカヤ選手はまだ若いから、平昌に向けてルッツを完璧にするという意義はあるかもしれない。

エッジの矯正は、ことにある程度の年齢に達したら、できたとしても完璧とはかない場合が多い。中立気味だったり、跳べるようになっても元より失敗が多くなったり。もともと選手生命が短い女子にあっては、「ハイリスク・ローリターン」だと言える。

やはり、村上選手は今跳べるジャンプを確実にしてミスを減らすこと。そして、下から上がってくるライバルにはない大人の魅力と洗練で勝負していくというのが、一番現実的な戦略かもしれない。

村上選手の、特にエキシビションを見て、まだ非常に細く、少女体形のままの恐ロシア女子にはない魅力を、確かに感じた。もともと「点はもっと出てほしかった」と率直に言ったり、演技の出来がいいときと悪いときの表情がハッキリしていたりと、型にはまった優等生になりがちな日本人にはない個性を感じる。こういう態度を嫌う人もいるかもしれないが、「自分の世界」を多くの人たちの前で見せていくには必要だし、有利にもなる性格だ。悪く言う人もいるかもしれないが、好きだという人はきっともっと多くいる。それを自分で信じてほしい。

ジャンプのウエイトが大きい現行の採点傾向では、基礎点の高いジャンプを跳べる若い選手が完璧な演技をしたら、勝ち目はなくなるかもしれないが、「相手のミス待ち」の構成であっても、自分のミスをなくせばチャンスは出てくる。そのためにも、アンダーローテーション判定を受けやすいジャンプ(それはもう決まっているのだから)の対策が急がれる。









最終更新日  2014年12月03日 23時08分02秒

2014年12月01日



NHK杯が終わった。この結果、ファイナル出場は、男子はロシア勢2人、日本勢3人。女子は、ロシア勢4人、アメリカ勢2人、つまり日本勢はゼロ。

女子シングルは、ひところの日本勢とロシア勢の勢力図が入れ替わったようだ。恐ロシア女子がなぜ強く、今の日本女子がなぜ弱いか。そのもっとも大きな原因を1つ挙げるとするなら、やはりジャンプを「回り切る」力の差だと思う。

回転不足のルール策定(アンダーローテーション、ダウングレードにおける基礎点設定とGOEの減点幅)と実際の技術審判による判定手法・精度の問題点は、すでに何年も前から書いているし、少なくともバンクーバー前よりはルールもマトモになり、技術審判の判定の一貫性も取れてきていると思っている。なので、今回はそれについてではなく、選手個々の問題としての「回転不足」問題のみ取り上げたいと思う。

実際の演技を見ても、スコア表を見ても思うのは、ロシア選手とフランク・キャロルの指導するアメリカ選手(グレーシー・ゴールドもその1人)には「回転があやしいジャンプ」がほとんどなく、日本人女子選手には非常にそれが多いということだ。

今回優勝したゴールド選手は回転不足判定が1つもない。レオノワ選手(ロシア)には、フリーの3連続での最後の2ループに1つアンダーローテーション判定があるだけ。ダブルジャンプに対する「<」なので、得点の高い3回転ジャンプに対するそれよりは、影響は小さくおさまっている。

宮原選手は、ショートに1つ、フリーに1つ。しかも、それが両方、基礎点が高いルッツで取られているのが痛い。村上選手はショートに1つ、フリーに1つ。これもまた、得点源の3T+3T(ショート)の、今回はセカンドジャンプと、3連続の最初の3回転(今回はサルコウ)。

宮原選手はルッツ単独では、高さもそれなりにでるし、きれいに跳ぶことができると思うのだ。ところが連続ジャンプにすると、最初のルッツジャンプが「低空飛行の幅跳び」になってしまう。NHKのレポートでは、この連続ジャンプにコーチと一生懸命取り組むさまが放送された。その様子を見ると、特にセカンドの3回転をきちんと回り切るように意識しながら練習していたようで、その成果はある程度出ているのかもしれないが、セカンドを回り切ると、今後はファーストのほうが「省エネ」になり回転不足。このパターンから抜けきれないように見える。

このパターンは浅田選手の3F+3Loにも見られた。セカンドの3Loは、まず認定が難しいし、ソチでは放送席で見ていた某国の元名選手が「回っている」と疑わなかったくらいの完成度だったが、やはりアンダーローテーション判定。続くワールドでは、セカンドは完璧だったがファーストがアンダーローテーション。

http://www.isuresults.com/results/wc2014/wc2014_Ladies_FS_Scores.pdf

浅田選手はしばらくこの3回転3回転を跳ばなかったのだが、跳んでいたトリノ~バンクーバー中間期も、回転不足が厳密化されてからは同じようなパターンの判定だった。ちなみに、判定はそれほど変わらなかったが、3F+3Loのジャンプそのものの完成度としては、以前より段違いに上がっていたと思う。何度も言うが、五輪女王になったソトニコワ選手でさえ、なかなか入れることさえできない難しい連続ジャンプだ。キム・ヨナ選手に至っては、単独ループさえ試合に入れることができなかった。連続ジャンプそのものの完成度は上がってはいたが、結局判定はどちらかが回転不足判定されるという意味で、「変わらなかった」という話だ。

もっと前だと中野選手にもこのパターンが見られた。ちょうど(当時の)ダウングレード判定が猛威をふるい始めたころで、本人はどこで取られたか直後にわかっていない様子だったが、プロトコルを見ると3回転からの連続ジャンプのファーストが(当時の)ダウングレード判定。アップ&スローにしないとわからないような軽微なものだった(が、アップ&スローにすれば、テレビからでもだいたいわかる)。それが何分の1回転足りないのかといった「判定の精度」に関する問題は、横に置いておいて。

宮原選手はルッツにエッジ違反がなく、単独ならばきれいに跳ぶことができる。ところが、ショート、フリーともルッツを全部連続ジャンプにしている。ここが問題かな、と思う。

フリップの違反は、ついても「!」で、つかないこともあるから、本当に軽度だと見ていい。つまりエッジの踏み分けはかなり正確にできる選手で、また、フリー後半にもってくる2A+3Tの認定率もいい。カナダ大会でも日本大会(NHK杯)でも後半に跳んで、どちらも認定、素晴らしいじゃないですか。こうした、現行ルールでは強みになるはずの武器をもちながら、ルッツを全部連続にすることで、強みとなるはずのものが逆に「不安定要素」になってしまっている。

もちろんこのまま、ルッツからの連続ジャンプの精度を上げていくという戦略もあると思う。だが、過去の名選手のパターンから見ても、それは危険な賭けに見える。まずはルッツを1つ単独にする。連続ジャンプは別のものにする。そうして出来と点の出方を見てはどうだろうか。

「3連続」にこだわる必要はないと思う。

今季はダブルジャンプに対しても、ジャッジはキッチリ回転不足を取ってくる。「ソチ基準」が続いているということだ。3連続で後ろに2つダブルジャンプをつけても、積み上げられる基礎点はわずか。そこで1つでもアンダーローテーション判定されれば、たちまち減点で、意味がなくなってしまう。その点、フランク・キャロルはさすがに戦略家だ。グレーシー・ゴールド選手は、NHK杯では3連続ジャンプを跳んでいない。

今回村上選手がダブルループの跳びすぎ(3回転ループの予定が2回転ループになってしまったため)で、3連続ジャンプをキックアウトされるというミスをしたが、ゴールド選手もアメリカ大会でダブルトゥループの跳びすぎで同じく3連続ジャンプの点をまるまる失った。

両方とも3連続にせず、2連続にしておけば問題はなかった。ジャンプの跳びすぎはダブルだけではなく、トリプルでも気を付けなければいけないから、選手のほうは対応するのが大変だ。ダブルジャンプの回数制限も、3連続ジャンプの「リスク」を間接的に上げている。加えて、回転不足判定。こうなると、3連続をやって、ダブルジャンプのわずかな基礎点を積み上げる意味は、さほどないように思われる。

次は村上選手の回転不足問題について。






最終更新日  2014年12月01日 15時42分05秒

2014年11月28日



仕事に忙殺されてグランプリシリーズ フランス大会のエントリーをあげる時間がないうちに、NHK杯が始まってしまった(汗)。

個人的に注目しているメイテ選手についても書きたかったが、点数があまり伸びず、ファイナルには来ないので、フランス国内選手権、ヨーロッパ(ユーロ)選手権、世界選手権での演技を楽しみに待つことにしよう。

フランス大会で非常に気になった判定があるので、それについて。

今シーズンのルールのキモは、エッジ違反の判定の細密化と「E」判定されたときの減点幅のアップであることはすでに述べたが、「!」マークが復活して、以前「!」マークがあったときのルール運用に見られた問題がまた復活しているように思う。

とにかくフリップに対する「!」判定が非常に多い。「明確でない」とジャッジが判断すれば付けるのがルールなのだから、判定そのものにはほとんど「誤審」と言えるものは起こらない。フリップジャンプをたとえ(正しいエッジである)インサイドで踏み切っていたとしても、技術審判の目に「明確でない」ように見えたら、「!」を付けていいわけだから。

だが、もともとのwrong edge(不正エッジ)の概念、および現行の判定条件の不備(つまり、判定に使うカメラ一台、一方向からのものだけであり、佐野稔氏がテレビで認めたように、盲点になる場所でジャンプを跳んだらよく見えないということは起こりうるということ)からすると、wrong edgeの厳密化という本来の狙いから、判定が離れていく危険性があると思う。

これについては、議論の余地があるだろう。ジャッジする立場からすると、「明確でない」踏切に「!」を付けよ、と言われたら、おのずとこっちもあっちも、そう見えたものはすべからく「!」を付けておくほうが公平だと考えるかもしれない。

そして、こうした「!」判定の不備は(起こったとしても)、GOEである程度補えるシステムになっている。つまり、「!」自体はGOEマイナス要因ではあるが、その他の要素を加味して演技審判の付ける最終的なGOEは、マイナスにしなくてもいい。ということは、つまりプラスを付けてもよく、実際、「!」がついてもGOEでプラスを付けてくる演技審判もいる。だが、そうはいっても、GOEは付きにくくなるから、選手の側からすると痛いのだが。

「!」のルール規定(つまりは定義の問題)と判定(つまりはルールの運用方法)については議論・検討の余地があるが、これはまぁ、毎度のことで、批判されたらコロコロとルールを変えるISUではあるし、「E」判定ほど深刻なものではない。

問題は、基礎点が減ぜられ、GOEもマイナスにしなければならない「E」判定。

「E」は、間違った踏切エッジに対して付けられるものなので、逆に「誤審」があり得る判定だ。しかも、誤審が起こった場合、基礎点減、GOEマイナスという大きな減点があるから、その影響は非常に大きい。

町田選手は、去年は、フリップで違反を取られたことはなかった。今年第一戦で「!」がついているのをみて、おやっと思ったのだが、フランス大会のフリーではフリップが「E」判定されていた。

http://www.isuresults.com/results/gpfra2014/gpfra2014_Men_FS_Scores.pdf

普段踏み分けができる選手でも、突発的にエッジが変わってしまってwrong edgeになることは起こりうる。だが、テレビで見る限り、町田選手のフリップはどう見てもアウトエッジで踏み切っているようには見えない。ルッツは非常に明確なアウトエッジにのってきれいに跳ぶ選手で、フリップよりルッツのほうが得意なのかもしれないが、スローで再生された場面を見ても、どう見てもフリップはwrong edgeではない。

第一戦で(おそらく本人は)思ってもいなかった「!」マークがついたので、第二戦では気を付けて跳ぼうとして、跳び急いだ感があり、回転不足のまま降りてしまった。回転不足は確かだが、エッジがwrongという判定は妥当なのか?

こうした正確性に疑問符のつく判定をチェックし、検討していく努力が必要ではないか。そうしてこそ、技術審判の判定の正確性や信頼性は増していくものだ。これは、コーチや選手といった現場の人間の力だけではどうにもならない。オーサーのように「非公式ルート」で抗議できるコネをもっている人は別かもしれないが。

オリンピックだけに注目し、オリンピックの後だけ、「採点がおかしい」と叫んでも後の祭りなのだ。ストイコがいみじくも指摘したように、「ロシアは勝つ準備を何年もかけてやってきた」のだから。今年ロシアの選手は非常に強いが、それは何年もかけてロシアが勝てる方向に選手を強化してきたことの結果でもある(それについては、また後日書くつもりでいる)。決して偶然ではない。

オリンピックしかフィギュアスケートを見ない人たちがどういう印象をもっているのかはよくわからないが、Mizumizu個人としては、フィギュアの採点は、バンクーバーのときよりソチのときのほうが、はるかに公平になったと思っている。それはすでに書いたとおりだ。

回転不足判定も、「厳密化」されてからすでにもう6年以上たった。減点幅の変更や、「<」か「<<」かという判定の細密化という変更はあったにしろ、さすがにもう何年も判定をやっているので、以前よりはるかに技術審判もこなれて、一貫性のあるジャッジングが(これでも)できてきていると見ている。

それでも、疑問符のつく判定は起こる。スーパーのレジ係並みに公明正大なジャッジの皆さんも、人間だから間違いも起こすだろう。そうした判定をいかにして減らすか、その努力をすべきだし、そうした働きかけをするのは、公平なジャッジングを実現するうえで、何も障害にならない。声をあげることができるような仕組みを作るか、あるいは現行のままで、「誤審ではないか」と現場が感じたら、それを上にあげて検討課題とすることができるなら、そうすべきだろう。

バンクーバー五輪のころに比べて、日本の専門家もジャッジングに必ずしも一貫性がないこと、誤審の可能性があることを公けに認め始めた。先に紹介した太田氏のコラムでも触れられていたし、佐野氏は、2013年のNHK杯での織田(当時)選手の回転不足判定に関して、以下のように述べている。

http://no-border.co.jp/archives/16451/
プロの立場で観ていた人たちの間から「あれは可哀相じゃないか」といった声が挙がっていました。
(中略)
織田の4回転トゥループと、成功と判定された高橋の4回転トゥループを比較しても、回転そのものに大きな違いがあったようには思えません。ですけど、ふたりがジャンプしたリンク内の地点は、まったく別のところでした。もしかすると、判定に使用するカメラの位置からだと、織田のジャンプが回転不足に見えたとしても仕方ないような角度だったのかもしれません。
あくまで私の推測ではありますが、こうなってくると「運」「不運」の範疇になってしまいます。ですが、それもまたスポーツを構成する要素の一部だと言うしかありません。


だが、それを「運」「不運」の問題だとして、「可哀想だった」で片づけていいのだろうか?

競技結果を大きく左右する判定を、技術審判の(事実上)3人に任せるのが、そもそも問題だが、それを続けるなら正確性を担保できるよう、判定の妥当性をもっと追究すべきだろう。そうした仕組みをつくるために、フィギュア競技の選手強化に投入されている税金が使われるなら、誰にとっても無駄にはならない。

 








最終更新日  2014年11月29日 01時34分05秒

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