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Mizumizuのライフスタイル・ブログ

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2010.07.29
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カテゴリ:Figure Skating(2010-2011)
 トリノの世界選手権で非難の的となったキム・ヨナ選手の(主に)フリーの点数。この採点について、オリンピックでのジャッジ経験もあるソニア・ビアンケッティ氏は厳しく批判している(全文はこちら)。

女子の採点についてビアンケッティ氏は、「控えめに言っても、恥ずかしい採点」と一刀両断にしている。

キム選手の演技に対する所感を取り出すと、ショートから「キム・ヨナには心底落胆させられた」とし、ジャンプの失敗のあとミスを重ねたにもかかわらず、「演技構成点がかなり高かった」と指摘している。フリーに関しては、「公平な立場から言わせてもらえれば、本来の出来には遠く、1位を取るには値しない演技」だったと言っている。ビアンケッティ氏によればあの日、キム選手は非常に疲れているように見え、魂がどこにもない演技だったと。にもかかわらず、キム選手に対する「(演技構成点の)『パフォーマンス』と『音楽の解釈』は、それをまったく反映していなかった」。

念のために言っておくが、ビアンケッティ氏はキム・ヨナ嫌いではない。それどころか、昨シーズンのキム選手の「死の舞踏」は、カタリナ・ビットの「カルメン」やカート・ブラウニングの「カサブランカ」に匹敵する名プログラムだと絶賛している。「カルメン」や「カサブランカ」を挙げるということは、ビアンケッティ氏はかなり演技性の高いプログラムが好みなのだろうと思うし、カナダのチャン選手を高く評価しているところから見て、スケート技術におけるストロークの伸び、つまりひと漕ぎでトップスピードに乗せてくるテクニックに優れた選手を特に好むのだろう。キム選手やコストナー選手もこのタイプだ。

優れた選手なら、どんな専門家も一様に評価するというものでもない。必ずそこには嗜好が入る。嗜好と言って不適切なら、好みと言ってもいい。単に速いとか強いとかを競う競技ではないフィギュアスケートの場合、技術や表現力のどこを特に評価するかに、個人的な「好み」は必ず入るものなのだ。

ちなみにビアンケッティ氏は、ストイコやブラウニングといったトップ選手からスケート技術を高く評価されている小塚選手に対して何も言及していない。特に目が留まる選手ではないようだ。チェコのミハル・ブジェジナ(ブレジナ)選手のことは手放しで褒め、フリーは高橋選手に次いで「2番の出来」だったとしている。

トリノでブジェジナ(ブレジナ)選手のフリーの点数が出たときは、低すぎる点に会場からブーイングが起き、例によって選手自身が、「まあまあ、おさえて」と手振りする始末だった。日本ではキム選手の高得点ばかり槍玉にあがるが、大きな国際大会でMizumizuにとってもっとも腹立たしいのは、チェコの素晴らしい選手に対してしばしばなされる「あっと驚く低得点」だ。

ブジェジナ(ブレジナ)選手だけではない。トマシュ・ベルネル選手も彼のもっているスケート技術に対して、与えられる点が不可思議なほど低いと感じることがある。ヨーロッパ王者として君臨したランビエール選手に対抗するために、ベルネル選手は雰囲気のある表現にも心を砕き、数年かけて独特の世界を作り上げてきた。オリンピックシーズンに用意した「ゴッドファーザー」は、彼のもつ技術の高さ、成熟した男性のもつ甘美な雰囲気を存分に味わうことのできる、ベルネル選手の集大成・・・になるハズだった。あそこまでジャンプがガタガタにならなければ。ビアンケッティさんも「ゴッドファーザー」を非常に褒めていた。

ベルネル選手の超高難度ジャンプ構成にかなり無理があるということは、客観的には明らかだったと思う。4回転を入れることで、他のジャンプが乱れる。最悪の場合は4回転も自爆、他のジャンプも連鎖自爆。それでも彼は高難度ジャンプを手放さなかった。これは4回転が自分の持ち味という自負もあっただろうけれど、ジャンプのレベルを落としてしまうと、たとえそれで無難にまとめても、もっと金持ち国の選手が同様のことをやったら勝たせてもらえないという、ジャッジへの不信感があったためだとMizumizuは思っている。

だから、文句なく勝つためには、高難度のジャンプを決めるしかベルネルにはなかったのだ。少なくとも、ベルネル陣営はそう考えていたと思う。

事実ベルネルは、オリンピック前のインタビューで、プルシェンコが復帰することで、「採点がもっと公平になってくれれば」と言っていた。つまり、「トータルパッケージ」というご都合主義の印象点ではなく、ジャンプという客観的でごまかしのきかないエレメンツが採点の柱になれば、「より難しいことをした選手が勝つ」という、スポーツなら当たり前の採点手法に戻ってくれるのではないかとう期待があったのだろう。

ベルネルはプルシェンコについて、「ぼくは自分が彼に勝てると思ったことは1度もない」と言っている。世界王者でもあったジュベールやランビエールを破ってヨーロッパ王者になったほどの選手が、何年もかけてトライしても、プルシェンコ並みのジャンプ構成のプログラムをミスなく滑ることはできなかった。「4回転を入れる」というのはそれほど過酷なことなのだ。

ISUに金銭的貢献をしている国の選手には点が出て、貢献をしてない国の選手には点がでにくい。バンクーバーオリンピックの会場にキム選手のスポンサー企業の広告が溢れていたことと、キム選手に対する信じがたい高得点の間に何も関係がないと思える人は、大昔のアマチュアリズムの純粋主義にまどろんでいる間に、完全に時代に取り残されたタイプだ。

トリノのキム選手のフリーは出来が悪かったから、点の高さが「明らかに異常」に一般の人にも見えた。だが、バンクーバーでのキム選手のフリーの点は150点だったのだ。こんな点が出るなど、そもそも誰も想像していなかった。それに対してトリノでは20点「も」下がったのだ。サルコウの転倒とダブルアクセルのスッポ抜けが目立ったミスなのだから、150点がキム選手に「用意された点」だと考えれば、そこから引き算して130点になるのは別におかしくはない。だが、それはほとんどの世界中の女子選手のパーフェクトな演技に与えられる自己ベストを上回ってしまう点だ。もっとも配点の大きいジャンプを2つ跳ばなくても、こんな点が出る。つまりキム選手だけ、「なぜか」基準が別なのだ。

キム選手の得点についてバンクーバーの点は批判せず、トリノの点だけ批判するというのは、片落ちだとMizumizuは思う。バンクーバーがあの点だったから、トリノでああなった。もっと言えば、ロスの世界選手権で、ああも発狂インフレ点が出て、それが「キム選手の基準」になってしまったから、バンクーバーでああなった。では、なぜビアンケッティ氏は、「バンクーバーの高得点が非常識だった」ことには言及しないのだろう?

この裏には、「フィギュアの採点は実際には順位点。順位が正しければよしとする」という風潮があると思う。旧採点時代の意識だが、同様の意識から、トリノのキム選手のフリーに対して、「転んだ人を1位にしてはいけない」と言った識者がいる。ジャッジが1位にした、という言い方だ。

ビアンケッティ氏も「1位に値しない演技」と言っている。だが、よくよく考えれば、現行の採点システムは順位をつけるのではない。エレメンツやコンポーネンツのもつ「絶対的価値」を数字で評価するのだ。ジャッジがキム選手のフリーの総合順位を1位としたわけではない。今の採点システムは分業だから、技術審判はエレメンツのレベル認定をし、演技審判はGOEと演技構成点をつける。キム選手に対して審判たちのつけた点がもっとも高くなったというだけであって、ジャッジは順位そのものを出したわけではないのだ。

だが、これは多分にタテマエなのだ。実際にはフィギュアの、特に演技構成点は主観点だから、順位点にならざるをえない。フィギュア関係者は十分にそれを知っている。そして、点数が何点ということより、順位が妥当だったかどうかを見ている。だから、順位が明らかにおかしいときは今回のビアンケッティさんのように批判する人もいるが、「異常に高い点」が出たことに対しては、一般のファンほどには反応しない。

現行システムでの「点数」や「点差」がさほどの意味をもたないことを知っているからだ。基礎点もGOEのつけかたもクルクル変わるシステムだから、「歴代最高点」も「自己ベスト」も枕詞みたいなものだし、こんなに試合によってジャッジが勝手に点を出すのでは、「シーズンベスト」さえ意味がない。実際、浅田選手のフリーの出来はどう見てもトリノワールドのほうがよかったのに、点数はバンクーバーオリンピックのほうが高かった。

特に「バンクーバー特製フランケンシュタインルール」では、点差が極端に出てくるようになったから、まったく実力差を反映しなくなった。オリンピックで金メダルを獲ったのはライザチェック選手だったが、その前の全米でアボット選手は圧倒的な大差でライザチェックを破っている。この点差が2人の実力差なら、オリンピックでライザチェックがアボットに勝てるわけがない。

「点にはあまり意味がない。順位を見よう」――こんな言い方がネット上で飛び交うようになったのも、ここ最近のことだ。

だが、これもまた矛盾しているのだ。細かい点の積み重ねで順位を出すのが今のルール。だからその点がおかしければ順位が正しくなるわけがない。これまでは単に、「キム選手は1位にふさわしい素晴らしい演技をしたから、(点は高いと思うけど)順位は妥当だということにしよう」という話だったのだ。それが1つの試合だけだったら、まあかまわないかもしれない。ところが、キム選手に限っては、ベストを出すと、それが「基準」になり、次の試合ではエレメンツを無難にこなせば、なぜか「さらに」基準を上回る点が出る。

つまり、「完成度」が高まったということらしい。韓国紙は、キム選手は「あらゆる要素があまりにも完璧」だと褒め称えた。「完璧なジャンプ」「完璧なステップ」「完璧なスピン」「完璧なスパイラル」という言い方は多分に感覚的なものだ。実際には、誰もそれを見たことはない。にもかかわらず、世界中でキム選手だけが、完成度をどんどん高めた・・・つまり、完璧にぐいぐい近づいていったということだ。スピンで軸が流れても、スパイラルで脚がぐらついても、ステップの途中でフリーレッグがタッチダウンしても、ポジションがどう見ても美しくなくても、キム選手のエレメンツの質は誰よりも高い加点をもらうに値するほど完成度が高いのだそうだ。

キム選手の場合は、別に難しいジャンプを跳ばなくても、どんどん自己ベストがつりあがる。明らかな失敗をすると、つりあがった基準から引き算したような点が出る。試合によって「上げ」「下げ」されてしまう安藤選手とは対照的だ。

バンクーバーで浅田選手がキム選手に負けた理由について、読売新聞は加点の違いを取り上げ、「浅田より8.58点も高い加点を得た」と書いたが、キム選手と浅田選手の加点だけを比べるのは近視眼的だ。

バンクーバーでのフリーの加点を見ると、

キム 17.4点、浅田 8.82点、ロシェット 4.42点

ライザチェック 9.64点、プルシェンコ 7.68点、ランビエール 2.58点、チャン 4.6点、高橋 3.2点

だった。浅田選手だって、男子の金・銀メダリスト並みの加点を得ている。キム選手1人だけが異常なほど突出しているのだ。

この異様な加点を、キム選手がルールに適応した結果だと断言できる思考のほうが、Mizumizuには分からない。むしろ、加点のほうがキム選手に適応してくれたかのようだ。

<続く>

 

 






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最終更新日  2010.07.30 02:35:39



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