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山崎元の経済・マネーここに注目

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2010.06.11
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先週は、政治的に大きなイベントがあった。鳩山由紀夫首相が6月2日に辞意を発表し、菅直人副総理兼財務相が後任の首相に選出された。また、鳩山首相の辞任と共に、民主党の実力者である小沢一郎幹事長も辞任する展開となった。今週は、新しい内閣の顔ぶれとと与党・民主党の新しい執行部の話題と共にスタートすることとなりそうだ。

ここで、新しい内閣になったことで、今後の相場と経済を見る上でのポイントが何かを整理しておきたい。鳩山首相辞任の背景については、さまざまな報道や意見が流れているが、本稿は、政治について意見を述べる意図を持つものではない。

新首相に就任予定の菅直人氏に対する、株式市場の第一の反応は、「どちらかというと円安を目指す政策に対する期待から、好意的」というものであった、と解釈できる。

ギリシャ危機以降、日本の株価がまたしても他の先進諸国の株価よりも大きな下落率を記録した理由は、外国人の影響を受けやすい日本株の売買構造と共に、ユーロに対してだけではなく対米ドルでも進んだ円高によるものだろう。菅氏は、財務大臣就任時に、「もう少し円安が望ましい」、「90円台半ばくらいがいいという声が多い」と、財務大臣としては異例の踏み込んだ言及を為替レートに対して行ったので、円安推進論者だと見る市場関係者が多いのだ。

菅氏は、デフレを何とかしなければならないという意識をお持ちのようなので、円安に対しては好意的だろうが、今度の立場は首相なので、相場に関わる発言に対しては、もっと慎重になるのではないだろうか。前回の発言はかなり批判された。

ただ、先般の円安待望的な発言に見られるように、思ったことは口にしてみるタイプなので、発言は細大漏らさずフォローしておきたい。

菅新内閣の経済政策上の注目点は、「日銀」と「消費税」の二つだ。

日銀に関しては、デフレ脱却のために、日銀がもう一段以上金融緩和を進めることを公然と要求するか否かが注目される。はっきりとした発言がある場合は、もちろん日銀の行動に影響があるだろうし、その行動の影響も含めて、為替レートが、円安に反応しやすいだろう。もちろん、当面、円安は日本の株価にプラスだ。

他方、菅氏が直接的に何も言わなくても、日銀が先回りして、何らかの緩和措置を発表する可能性もある。もっとも、この場合は、効果の大きな大規模な追加緩和策は出しそうにないので、為替レートなどに関する影響は限定的だろう。

もう一つの注目点は、消費税だ。民主党は、前回の総選挙のマニフェストで、(総選挙から)向こう4年間は消費税率を引き上げないと公約していたが、鳩山内閣の成立後、マニフェストは必ずしもその通りに実行されていない。今回、首相が代わることで、この傾向が益々進む可能性がある。

菅氏は財務大臣に就任後、急速に財政再建に積極的な発言が目立つようになっていた。消費税率の引き上げが、前倒し気味に現実化する可能性は大いにある。消費税率が引き上げられる場合、相場的には、引き上げ前の駆け込み需要と引き上げ後の反動、さらに、消費税率引き上げの景気下押し効果などについて考えなければならない。また、消費税の課税が「インボイス(送り状)方式」に変更されて、品目別に税率が変わるようなことになると、業種毎の有利不利に響いてくるので、物色対象にも注意が要る。

政権運営としては、与党の幹事長及び幹事長室を中心に政策が動く、小沢一郎氏が作りつつあった仕組みを、菅氏の新体制がどの程度引き継ぐかが注目される。政策決定に関しては、政策を検討する「政調会」を民主党内に復活させる方針が打ち出されているが、陳情の窓口一本化や、議員立法や議員連盟の活動に対する規制などが緩和されるかどうかに注目したい。たとえば、陳情の窓口が変わるということは、政治と民間の接点の場所が変わるということなので、政策ウォッチング上は大きな影響がある。

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楽天証券経済研究所
客員研究員 山崎元
(楽天マネーニュース[株・投資]第76号 2010年6月11日発行より) ==========================================================






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最終更新日  2010.06.11 19:18:27



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