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カテゴリ:心と身体
『僕はある時、自分の部屋の中で「あーなんかいいな」と思った。別にどうってことない日なのに気持ちがいい。よーくまわりを見渡す。今何か見たぞ。そうだ、先週ネジがはずれて落ちっぱなしになっていた絵を、壁にかけなおしたんだ。これがなんだか満足感を与えてくれる。
・・・・やってみたら5分もかからなかったと思う。絵が壁にかかっていなかったことを、自分がこんなに気にしていたことを初めて知った。 ・・・自分の心や体とのコミュニケーションがよいと、体調がいいと感じる日が多くなる。気持ちがいいので研究にもやる気が出る。頭にもいろいろ情報が入りやすい。文献を読むのでも集中力が出るという具合だ。仲間とのコミュニケーションと同じくらい、自分自身とのコミュニケーションを大事にしよう。』 感覚的であり、また論理的であることが、相乗効果をあげていく。 しかし、今、出回っている本には、経験や具体事例をたくさんいれて、その両方が書かれている本が非常に少ないように思います。 東京歯科大学教授で、ドライアイ研究の第一人者。それがこの本の著者です。 医師、研究者である人が、非常に感覚的・身体的なことを大切にしている様子が、とても新鮮でした。また、この人は、優秀なコミュニケーター、戦略家でもあります。 他とのコミュニケーションでは、 『「やめたほうがいいですね。・・・・坪田先生は、結果を論文にして一生を終わるつもりですか?それとも原因を追究したいですか?」 という驚きのコメントをいただいてしまった。初めて会ってから10分もしないうちに、自分の研究は否定されるし、原因を追究するのかどうか決めろという。自分ではおもしろい研究をしていると思っていた僕は、あっという間に、つまらない研究をしている男に変身してしまった。』 という経験をするのですが、その後、この経験を受けとめ、「自分は原因を追究したい」と結論を出します。 そして、コメントを述べた齋藤先生を師匠として有意義な成果をあげます。 転んでもただでは起きない!たくましい! 戦略家としては、マスコミにインタビューされる時は自分の主張をくり返し、どう編集されても確実にメッセージが伝わるようにする、 写真を写されるときのためにとっておきの顔を自分で考えておく、というイメージ戦力まで考えます。 資金集めにも奔走するし、バリバリの企業家にもなれそうです。 『理系のための研究生活ガイド 坪田一男著、ブルーバックス』 という本ですが、テーマ選びからやる気の出し方まで内容は具体的かつ多角的。非常にいろいろな読み方ができる本です。 私はどう転んでもバリバリの文系人間ですが(笑)、とても楽しめました。 お気に入りの記事を「いいね!」で応援しよう
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